愛犬を車に乗せると「なんだか体調が悪そうだな」と感じることはないでしょうか?
「頻繫にあくびを繰り返している」「嘔吐してしまう」という場合は、犬が車酔いしている可能性があります。
どうしても移動距離が長くなる場合、小型犬ならキャリーバッグにいれて電車や新幹線で移動ができますが、中型犬・大型犬の場合は車移動の手段を取らざるを得ません。
そこで今回は、車酔いをしてしまう犬のために「車酔いの症状と予防策」などを徹底解説します。
この記事を読んでわかるポイント
- 犬が車酔いする4つの原因がわかる
- 車酔いの症状がわかる
- 車酔いを防ぐ対策がわかる
【Contents】
犬が車酔いする4つの原因
犬が車酔いを引き起こす原因は4つあります。
その4つの原因を理解して、犬が車酔いしないための改善策を見つけましょう!
犬が車酔いを引き起こす4つの原因は以下のとおりです。
4つの原因
- 三半規管と前庭が関係している
- 車内の匂い
- 過去のトラウマが関係している
- 犬の目の位置
三半規管と前庭が関係している
犬も人間と同じように、車酔いには「三半規管」と「前庭」が大きく影響しています。
「三半規管」と「前庭」とは、鼓膜奥の内耳の中にあり、位置情報や平衡感覚を司る役割があります。
そのため、車の揺れ・振動が起こることで、三半規管が刺激されて脳に異常信号が送られます。
脳に異常信号が送られると、自律神経・平衡感覚が乱れるので、その影響から「車酔い」が引き起こされるのでしょう。
車内の匂い
犬の嗅覚は、人間の「100万倍~1億倍」鋭いといわれています。
そのため、人間には気にならない程度の匂いでも、犬は敏感にその匂いを感じ取ってしまいます。
また、人間はいい匂いだと感じる芳香剤なども、犬にとっては「悪臭」だと感じている場合も・・・
匂いが原因になり「車酔い」を引き起している可能性もあるので、下記の匂いには気をつけましょう!
注意
車の芳香剤・タバコ・食べ物・香水・整髪剤・柔軟剤の匂い
「犬の好きな匂い・嫌いな匂い」について、詳しく知りたいという方は以下の記事を参考にしてください♪
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過去のトラウマが関係している
「神経質で怖がり」な犬は車酔いしやすく、反対に「マイペース・のんびり屋」な犬は車酔いしにくいといわれています。
また、過去に「車で嫌な経験をした」「酔って嘔吐してしまった」というトラウマをもっていると、車酔いしやすくなります。
例え、ほとんど車の揺れや振動がなくても、気持ちの余裕がなくなり精神的なストレスが原因で酔ってしまうことも・・・
犬の目の位置
犬は獲物を見つけるために、目の位置が「前」についています。
そのため、視野が狭いので車から見える「横にながれていく風景」に見慣れていません。
この風景に見慣れていないため、グルグルと目が回り、車酔いを引き起こしてしまうのでしょう。
犬の車酔いの症状
愛犬を車に乗せた時、何気なく行っている「仕草や行動」は、車酔いの症状かもしれません。
車酔いには「軽度~重度」まであるので、犬になにか異変を感じた時は早めに休憩をとりましょう!
時間が経っても、体調が改善されない場合は、早急に動物を受診することをおすすめします。
軽度の症状
車が走り出してから、犬が「急に吠える・落ち着きがなくなる・動き回る」という行動をしだしたら、車酔いの初期症状です。
初期症状が進行すると「あくびを頻繁に繰り返す」「ずっとよだれが出てる」というストレス症状を引き起こします。
長時間この状態が続くと、重度の車酔いを起こしてしまうため、窓を開けたり停車して休憩させてあげましょう!
その他の「軽度の症状」は、以下のとおりです。
軽度の症状
- 大量のよだれがずっと出る
- 鼻水が出て鼻が濡れている
- ブルブル小刻みに震える
- そわそわして落ち着きがない
- あくびを頻繁に繰り返す
- 鳴いたり吠えたりする
ストレス症状の1つ「あくび」について、もっと詳しく知りたいという方は以下の記事を参考にしてください♪
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重度の症状
重度の車酔いを引き起こしてしまうと、頭を下げてグッタリしたり、体調が悪くなり嘔吐してしまう場合があります。
万が一、車内に嘔吐してしまっても、騒いだりせず速やかに掃除してあげましょう。
point
酔いやすい体質の犬を車に乗せる時は、あらかじめ「ビニールシート」や「ペットシーツ」などを車のシートに引いておくことをおすすめします!
重度の症状に気づいた場合には、すぐに車を停めて、犬に外の空気を吸わせてあげましょう。
それでも体調が回復しない場合は、近くの動物病院を探し、獣医師さんに相談する必要があります。
重度の車酔いを引き起こしてしまう前に、初期段階の時点で車酔いのサインに気づいてあげましょう!
重度の症状
- 嘔吐
- 下痢
- 頭を下げてグッタリする
- 呼吸が荒い
犬の車酔いを防ぐには
ポメラニアン・フレンチブルドッグは他の犬種に比べて「平衡感覚」が優れてるため車酔いしやすいといわれています。
しかし、犬種はあまり関係なく個体差によって「酔いやすい」「酔いにくい」体質の犬がいるようです。
そこで、ここからは「車酔いしやすい犬」のために、車酔いしないための予防策を紹介します!
ポイント
- 揺れを防ぐ
- 匂いを無臭にする
- こまめに休憩をする
- 窓を開けて換気する
- クレートにいれて移動する
- 酔い止めを飲ませる
揺れを防ぐ
前述したように、犬は車の揺れや振動が車酔いの原因になります。
そのため、犬の身体が左右に揺れないように、しっかりと犬の身体を抱きかかえて固定してあげることが大切です。
さらに、犬の緊張をほぐしてあげるために、優しく声をかけながら撫でてあげるのも効果的でしょう!
また「急ブレーキ・急発進・急カーブ」を繰り返すと、車酔いを引き起こしやすくなります。
そのため、急ブレーキ・急発進を避けて、カーブを曲がる時は速度を落とすなど、運転手も快適な運転を心がけましょう!
匂いを無臭にする
車内の匂いはできるだけ「無臭」に近づけましょう!
犬だけではなく人間も、車内のタバコの匂い・芳香剤・食べ物・香水の匂いが原因で、車酔いすることが多いでしょう。
人間でも「刺激がキツイ」と感じる匂いは、犬にとっては「悪臭」のレベルです。
車酔いを防ぐためには、大事な愛犬のために「無臭」の車を目指しましょう!
こまめに休憩をする
2時間~3時間以上、犬を車に乗せる場合には30分ごとに休憩を挟みましょう!
走ったり身体を動かすことで「リフレッシュ」できるので、犬が外に出れそうな場所なら出してあげてください。
休憩中は「トイレ・水分補給」を済ませて、これから続くドライブに備えましょう。
また近年では、ドッグランが併用されているサービスエリアも増加傾向にあるので、利用してみてはいかがでしょうか?
point
車酔いの初期症状が出てきた場合にも、すぐに休憩をとるようにしましょう!
窓を開けて換気する
犬が気分転換できるように、時々窓を開けて空気の入れ替えを行いましょう!
窓を開けた時に、犬が身を乗り出して窓から顔を出そうとすると、オートウインドの誤操作が原因で事故に繋がる可能性があります。
そのため、窓は全開で開けるのではなく、犬の顔が出せない程度に窓を開けて換気しましょう!
クレートにいれて移動する
やや狭めのクレートに入れることで、体の動きが制限されるので、体が左右に動きにくくなります。
クレートの中に、飼い主さんの匂いがついているものや、普段家で使っているブランケットなどを一緒にいれてあげると、犬の不安感も軽減されるでしょう。
また「外の景色を見ると酔ってしまう」という犬はクレートの中に入れて、布を被せるとことで車酔いの防止ができます。
布を被せることで、視界からはいってくる脳に送るための情報が軽減されるので、三半規管に取り込む情報にズレがなくなります。
しかし、窓から外の景色を見たり、外の風を感じて「気分転換をしたい」という犬にはおすすめできません。
酔い止めを飲ませる
犬用の酔い止めに、多く使用されている薬は「鎮静剤」です。
犬が車酔いする原因は、車の恐怖心から呼吸が荒くなり、パニック状態になって嘔吐などの症状を起こすと考えられています。
このような時に「鎮静剤」を使用することで、鎮静状態になりパニックを引き起こすリスクが軽減されます。
鎮静剤は薬理的には「酔い防止」には効き目はないとされていますが、犬の精神を安定させることで酔いにくくなるのでしょう。
鎮静剤を使用すると、6時間効果が続くので長距離移動の時に役立ちますが、短距離移動には向いてません。
また、血圧を下げる薬なので、心臓が弱い犬には使用を控えましょう。
point
鎮静剤が欲しいという方は、動物病院を受診して愛犬にあった薬を投薬してもらって下さい。
車に乗る前に行う「車酔い」を防ぐ方法
犬が車酔いしてしまう場合には、車に乗る前から対策を行うことが大切です。
ドライブが好きな犬もいますが、反対に車に乗ることでストレスを感じ、身体に負担がかかってしまう犬もいます。
少しでも、ストレスを軽減するために、ここから紹介する「対策」を実践してみましょう!
車酔いを防ぐ対策法
- 車は「楽しい」と認識させる
- 水分補給をさせる
- トイレは済ませておく
- 空腹時・満腹時は避ける
- 発車せずに車に乗せる練習をする
- 車内の環境を整える
車は「楽しい」と認識させる
「動物病院」「カットサロン」の時だけに車に乗せていると、犬は「車に乗せられると嫌な思いをする」と認識します。
上記のような、精神的なストレスが原因で車酔いしている可能性もあるので、たまには犬が喜ぶ場所に連れて行ってあげることが大切です!
また、初めてのドライブは長距離移動を避け、犬の様子をみながら近所の公園までドライブしてみましょう!
犬が車に乗ることに慣れていたら、少しずつ距離を伸ばして、ドッグランやドッグカフェにも挑戦してみてはいかがでしょうか?
水分補給をさせる
犬は車に対する恐怖心から、息が荒くなり喉が渇いてしまいます。
そのため、長時間水を飲まないと、熱中症や脱水症状を引き起こしてしまう可能性があります。
そのような状況を避けるためにも、犬を車に乗せる前に「水分補給」を必ず行いましょう!
トイレは済ませておく
前述した「水分補給」を行った後は、トイレが近くなる場合があります。
そのため、車に乗せる前には、必ず散歩の時間を設けて、トイレを済ましておきましょう。
また、ドライブ中に、車内でトイレを我慢してしまうと「膀胱炎」になってしまう危険性もあります。
そのようなことにならないために、トイレシートを敷き詰めたり犬用マナーベルトを使用して、いつでも犬がトイレできるような状態にしておきましょう。
空腹時・満腹時は避ける
空腹時・満腹時は、車酔いしやすい傾向にあります。
そのため、車に乗る時間の「2~3時間前」に食事を済ませておくようにしましょう!
また、食事の量はいつもより少なめにして、お腹いっぱいにならないように気をつけてください。
発車せずに車に乗せる練習をする
まず、エンジンがかかっていない車に犬を乗せて、車内の環境に慣れさせます。
飼い主さんも一緒に車内に乗り、たくさん声をかけて安心させてあげましょう。
次に、車内にクレートを乗せ、その中でおもちゃで遊ばせる練習を行います。
徐々に車内に慣れてきたら、エンジンをかけて犬の様子を伺います。
犬が怖がらずに落ち着いた状態なら、いよいよドライブをスタートさせましょう!
車内の環境を整える
犬が車に乗る前に、車内の匂い・車内温度をチェックしましょう。
前述したように、犬の嗅覚は鋭いので、車の芳香剤やタバコの匂いが原因で「車酔い」を引き起こす可能性があります。
そのため、車内はできるだけ「無臭」の状態にしておきましょう。
また「車内の温度」も、犬が車内で快適にすごすために重要なポイント!
車内の適温は「20℃」とされており、それ以上車内の温度が上がると「熱中症」を引き込す場合も・・・
車内は暑い場合は、クーラーを使用するか、窓を開けて換気を行い、風通しのいい状態にしましょう!
犬を車に乗せる時に必要な持ち物チェックリスト
愛犬を車に乗せる時に、必要な持ち物を把握していますか?
安全に楽しいドライブにするために、以下の物が揃っているかチェックしておきましょう。
頻繁に愛犬とドライブをするという方は「ドライブ用」のバックに、必要なものを揃えておくと便利です♪
ドライブに必要な持ち物チェックリストは以下のとおりです。
持ち物チェックリスト
- キャリーバッグやクレート
車内で犬が安全に過ごすために必要です。 - リード・ハーネス
外で散歩している時に、犬の飛び出し防止のために必要です。 - トイレシート
車に乗せる前にトイレを済ましていたとしても、緊張でトイレが近くなることも多いため必要です。 - ゴミ箱
万が一、嘔吐・下痢・排泄をした場合に必要なので、多めに用意しておきましょう。 - ウェットティッシュ・タオル
犬の手足・よだれなどを拭くために必要です。 - 飲み水
犬は車内で息が荒くなるので、こまめな水分補給が必要です。
また、熱中症予防にもなるので常温の水を多めに用意しましょう。 - おやつ・ドッグフード
いつも食べ慣れているお気に入りの「おやつ・ドッグフード」を軽食やご褒美として持っていきましょう。 - おもちゃ
家の匂いが染みついているおもちゃを持っていくと犬は安心します。
愛犬に最適な「リード・ハーネス」を知りたいという方は以下の記事を参考にしてください♪
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おさらい
- 「車に乗る=楽しい」と認識させることが重要
- 犬が車に乗ってパニックにならないように優しく声をかけてあげる
- 30分ごとに休憩をとって気分転換をさせる
愛犬が車酔いしている姿を見ていると、気が気でない飼い主さんも多いでしょう。
しかし、動物病院やカットサロンなどに連れて行くときに、どうしても車に乗せて移動しなければならない時もあります。
そんな時、車酔いしないための改善策を実践することで、少しは症状が軽減されるのではないでしょうか?
愛犬が快適なドライブを楽めるように、飼い主さんが過ごしやすい車内環境を整えてあげましょう!