日本だけではなく、海外の方からも愛されている日本犬の代表「柴犬」
柴犬の歴史は古く、日本列島各地で猟犬として飼育され、狩猟の伴侶として活躍してきた犬種です。
しかし、柴犬の性格や習性から「初心者向きの犬種ではない」といわれることが多くあるのも事実。
一体、なぜ「柴犬」はそのようにいわれてしまうのでしょうか?
ここからは、そんな柴犬「性格・特徴・飼育するために必要な費用」などを詳しく紹介していきます。
これから柴犬を家族に迎え入れようと検討している方は、この記事を参考に「柴犬」のことを深く知りましょう♪
この記事を読んでわかるポイント
- 柴犬の性格や特徴がわかる
- 柴犬の「たぬき顔」と「キツネ顔」の見分けるポイントがわかる
- 柴犬を飼育するために必要な費用がわかる
【Contents】
柴犬の特徴
日本の「天然記念物」にも指定されており、とても人気が高い犬種の「柴犬」
ここからは、人気犬種である「柴犬」の歴史や特徴についてお話していきます。
柴犬の歴史
柴犬の祖先は、縄文時代に「猟犬」として活躍していた「縄文犬」だといわれています。
縄文犬は、犬骨が丁寧に埋葬されていた記録が残っていることから、縄文時代からとても大切に飼育されていたといわれています。
それから、柴犬は絶滅の危機に瀕したこともありましたが、1936年に天然記念物に指定されたことをきっかけに、徐々に柴犬の人気が上昇しました。
現在では、柴犬の頭数もとても増え、世界中から愛される犬種になっています。
体の特徴
柴犬は「中型犬」に分類されていますが、サイズは中型犬にしては小さめなので、小型犬よりの中型犬といったところでしょう。
平均体重 | 平均体高 | |
オス | 9㎏~11㎏ | 39.5cm |
メス | 7㎏~9㎏ | 36.5cm |
柴犬の被毛のカラー
柴犬の被毛の長さは短く、毛質は剛毛で一年を通して生えている上の毛と、綿毛のようなフワフワな下の毛からなる「ダブルコート」です。
柴犬の被毛のカラーには5種類ありますが、1番スタンダードな被毛の色は「赤」です。
柴犬の5種類の被毛カラーは以下のとおりです。
5種類の被毛カラー
- 赤
- 黒褐色
- 胡麻
- 黒胡麻
- 赤胡麻
上記の5つのカラーは「裏が白でなければならない」という条件があるので、柴犬のお腹の被毛は白色をしています。
柴犬には「たぬき顔」と「キツネ顔」がある
柴犬の顔は「たぬき顔」と「キツネ顔」に分けられており、たぬき顔は「かわいい」キツネ顔は「綺麗」という印象を受けます。
ここからは、たぬき顔とキツネ顔を見分ける方法と特徴などについて紹介していきます。
以下のことを参考に自分好みの「柴犬」を家族に迎え入れましょう♪
たぬき顔の特徴
たぬき顔の柴犬は丸顔で目や鼻もまん丸なので、少し幼い顔にみえます。
体は首が太く、筋肉質で骨格がしっかりしているという特徴があります。
柴犬は「地柴」といって、発祥地によって種類分けされており「たぬき顔」の柴犬は、岐阜県で飼育されていた「美濃柴犬」に多くみられる犬種です。
たぬき顔の見分けポイント
たぬき顔の見分けポイントは以下のとおりです。
たぬき顔の見分けポイント
- 頬が丸く張った「丸顔」
- 目や鼻もまん丸
- 首が太く骨格がしっかりしている
- 全体的なシルエットが丸く「可愛い」印象
キツネ顔の特徴
キツネ顔の柴犬は面長でシャープな顔の形をしているので「美人・綺麗」という印象を受けます。
大きく鋭い歯・引き締まった骨格から「オオカミ」に似ていると感じる方も少なくないでしょう。
キツネ顔の柴犬の歴史は古く、縄文時代に飼育されていた犬がキツネ顔の柴犬に似ていたことから「縄文犬」と呼ばれることもあります。
また、キツネ顔の柴犬は、地柴の中でも「信州柴犬」に多くみられる犬種です。
キツネ顔の見分けポイント
キツネ顔の見分けポイントは以下のとおりです。
キツネ顔の見分けポイント
- 面長でシャープ
- 額から鼻筋にかけてのラインが浅い
- 歯が大きく鋭い
- 身体は細身で引き締まっている
- 全体的なシルエットは「スタイリッシュ」な印象
柴犬の性格
もともと柴犬は「狩猟犬」として活躍してきた犬種なので「賢い」「勇敢」「怖いもの知らず」というイメージがあります。
しかし、実は「甘えん坊」な一面もある柴犬のさらに詳しい「性格」について紹介していきます。
縄張り意識・警戒心が強い
柴犬は警戒心・縄張り意識がとても強いので「番犬」に向いている犬種だといえます。
しつけにもよりますが、基本的に知らない人が家に来た時には大きな声で吠えて威嚇するので、むやみに手を出さないように注意しましょう!
学習能力が高い
柴犬は「記憶力・理解力」が優れている犬種なので、しつけやトレーニングに対する学習能力がとても高いです。
そのため、しつけ方法が悪くない限り「お座り・お手」など基本的なコマンドはすぐに覚えてくれるでしょう。
基本的なしつけ方法を紹介している記事はこちら
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愛嬌がある
柴犬は自分より立場が上だと認識した相手には「デレデレ」で、とても甘えん坊になります。
誰にでも甘えん坊の姿をみせるわけではないので、飼い主さんも少し優越感に浸れるでしょう。
怖いもの知らず
柴犬は「狩猟犬」だったこともあり「怖いもの知らず」で、いつでも自信満々な立ち振る舞いをします。
しかし、喧嘩っ早い一面もあるので、初対面の犬同士で交流させる時は注意しましょう!
上下関係を大切にする
柴犬は「リーダー」だと認めた相手にはとても従順で忠実な性格です。
しかし、自分より立場が下と認識した相手には「ワガママ」になり、指示を聞いてくれないことも・・・
そのため、子犬の時期からの「しつけ」がとても重要になるので、正しいしつけ方法の知識を身につけましょう♪
独立心が強く頑固
柴犬は頑固でプライドが高く、自立心が強いという特徴があります。
そのため「食事を食べる気分ではない・散歩に行きたくない」と思っている時には反抗する場合があります。
しかし「リーダー」だと認めている人の指示には従うので、人を選んで対応を変えるでしょう。
活発で運動が大好き
柴犬はとても活発で多くの運動量を必要とする犬種です。
そのため、運動不足になるとエネルギーが発散できずに「ストレス」が溜まってしまいます。
毎日の散歩は欠かさず、たくさん遊んで運動させてあげましょう!
柴犬に必要な1日の食事量
健康に長生きするためには「食事管理」がとても大切ですが、食事管理をするためには「適切な食事量」を理解する必要があります。
ここからは、柴犬の「子犬期」「成犬期」「シニア期」に必要な1日の食事量について紹介していきます。
子犬期【生後12ヶ月まで】
子犬の時期は消化機能が発達していないので、1度に少量ずつ数回に分けて与えるようにしましょう!
子犬の柴犬に必要な1日の食事量は以下のとおりです。
月齢 | 1日の食事量 | 1日の食事回数 |
生後4ヶ月~5ヶ月 | 約165g | 3回 |
生後6ヶ月~7ヶ月 | 約180g | 2~3回 |
生後8ヶ月~9ヶ月 | 約165g | 2~3回 |
生後10か月~12ヶ月 | 約155g | 2~3回 |
成犬期【1歳~10歳】
成犬期の柴犬に、カロリーが高いフードを与えてしまうと「肥満」の原因になるので食事内容には注意が必要です。
また「避妊・去勢」をしている成犬には、避妊・去勢をした犬用のフードに切り替えることもおすすめです。
消化機能の働きも安定している時期なので、1日2回の食事を決まった時間に与えましょう。
成犬の柴犬に必要な1日の食事量は以下のとおりです。
年齢 | 1日の食事量 | 1日の食事回数 |
1歳~10歳 | 75g~190g | 2回 |
5㎏の柴犬には「75g~120g」10㎏の柴犬には「90~190g」というように、柴犬の体重や運動量に合わせて食事量を決めましょう!
愛犬に適した食事量や食事内容が知りたい方は、獣医師さんに相談してみるといいでしょう。
シニア期【10歳~】
10歳を過ぎると消化機能が低下してくれるので、1度にたくさんのフードを食べることが難しくなってきます。
そのため、1日2回の食事のペースを1日3回~4回に切り替えるようにしましょう。
また、顎や歯も弱くなってしまうので、フードをすり潰したりペースト状にしてあげるといいでしょう。
年齢 | 1日の食事量 | 1日の食事回数 |
10歳~ | 75g~150㎏ | 3回~4回 |
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柴犬の人間換算年齢・平均寿命
柴犬の平均寿命は「12年~13年」なので、他の犬種と比べて平均的な長さです。
食事管理を徹底し、適度な運動をさせることで、15年以上生きる柴犬も珍しくありません。
柴犬の人間換算年齢
柴犬と生活している中で「この子は人間でいうと今何歳なんだろう?」と気になったことはありませんか?
柴犬の人間換算年齢を知ることで「もう大人だから食事内容に気を付けよう」「もう高齢だから食事回数を増やそう」などを考えるきっかけになるでしょう。
柴犬の人間換算年齢は以下のとおりです。
柴犬の年齢 | 人間年齢換算 | 成長段階 |
3ヶ月 | 4歳 | 子犬 |
6ヶ月 | 7歳半 | 子犬 |
9ヶ月 | 11歳 | 子犬 |
1歳 | 15歳 | 子犬 |
1歳半 | 19歳半 | 子犬 |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | 成犬 |
4歳 | 32歳 | 成犬 |
5歳 | 36歳 | 成犬 |
6歳 | 40歳 | シニア犬 |
7歳 | 44歳 | シニア犬 |
8歳 | 48歳 | シニア犬 |
9歳 | 52歳 | シニア犬 |
10歳 | 56歳 | シニア犬 |
11歳 | 60歳 | シニア犬 |
12歳 | 64歳 | シニア犬 |
13歳 | 68歳 | シニア犬 |
14歳 | 72歳 | 高齢犬 |
15歳 | 76歳 | 高齢犬 |
16歳 | 80歳 | 高齢犬 |
17歳 | 84歳 | 高齢犬 |
18歳 | 88歳 | 高齢犬 |
19歳 | 92歳 | 高齢犬 |
20歳 | 96歳 | 高齢犬 |
柴犬がかかりやすい病気・怪我
ここからは、柴犬を飼うにあたって知っておきたい「柴犬がかかりやすい病気・怪我」について紹介してきます。
どの犬種にもいえることですが、健康に長生きするためには「早期発見・早期治療」がとても重要です。
そのため「様子がおかしい」と感じた場合には、すぐに動物病院を受診することをおすすめします。
アトピー性皮膚炎
アレルギーはどの犬種にもみられますが、とくに「柴犬」は皮膚が弱くアレルギー体質の子を多いといわれています。
ハウスダストや花粉などのアレルギーをもっていると「皮膚のかゆみ」「赤み」「脱毛」などの症状があらわれます。
このような症状がみられた場合には、動物病院で血液検査を行い「アレルゲン物質」を特定してもらいましょう。
皮膚を清潔に保つことがとても大事なので、定期的にシャンプーをして、こまめにブラッシングしてあげてください♪
僧帽弁閉鎖不全
僧帽弁閉鎖不全症とは、僧帽弁とよばれる心臓の弁が閉じなくなってしまい、血液が逆流してしまう病気です。
「咳が出る」「呼吸が荒くなる」「運動を嫌がる」といった症状がみられ、中高齢の犬が発症しやすい傾向にあります。
気づかない間に進行してしまうことも多く、完治が難しい病気なので、定期的に健康診断を受け「体調管理」を徹底することが大切です。
白内障
白内障とは、眼球の水晶体が白っぽく濁り視力が低下してくる病気です。
主な原因は「遺伝的」「加齢」によるもので、症状が進行すると「眼球が白くなる」「物につまづく」「物に当たる」ことが増えるでしょう。
認知症
脳の神経細胞が破壊してしまうことで「記憶・認識・判断」をすることが難しくなり、認知症になると普段通り生活することが難しくなります。
名前を呼んでも反応が無くなる・飼い主さんのことがわからなくなる・夜泣きなどの症状がみられる場合には「認知症」を疑いましょう!
柴犬を飼うにあったって必要な費用
「柴犬を飼育するためにはどのくらいの費用が必要なんだろう?」と不安に感じている方も多いでしょう。
そんな方のために、ここからは「初期費用・毎月かかる費用・毎年かかる費用」について紹介します。
柴犬を家族に迎え入れる前に「必要な費用」を把握し、準備しておきましょう!
初期費用
柴犬の平均価格は「5万~20万」程度ですが、被毛のカラーによって価格は変動します。
- 赤:5万~20万
- 黒:10万~18万
- 胡麻:10万~18万
- 白:16万~
柴犬の購入以外に、柴犬を飼育するために必要最低限の費用は以下のとおりです。
必要最低限の費用
- 登録費用:3,000円
- 健康診断:3,000円
- 狂犬病予防接種:3,000円
- 混合ワクチン:16,000円
- ケージ:約6,000円
- トイレ:約2,000円~2,500円
- トイレシート:約1,500円
- ドッグフード:約2,000円
- フードボウル:約100円~
- 給水機:約1,000円
- 首輪・ハーネス・リード:約1,500円
- お手入れグッズ(デンタルケアグッズ・ブラシ):約1,500円
初期費用合計 40,100円
購入する店舗・メーカー・量などによって価格は異なるので、参考程度にご覧ください♪
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毎月かかる費用
柴犬を飼育するにあたって、毎月必要になる費用は以下のとおりです。
購入する店舗やメーカー、フードの種類などで価格は異なりますが、大体の目安を把握しておきましょう!
毎月かかる費用 | |
フィラリア予防接種 | 500円 |
---|---|
フード・おやつ | 5,000円 |
ケアグッズ(歯磨きなど) | 2,000円 |
おもちゃなど | 300円 |
毎月費用合計 7,800円 |
毎年かかる費用
毎年、必ず「狂犬病予防接種」や「ワクチン」を接種することが義務付けられています。
柴犬の健康を守るためにとても大切なことなので、忘れずに接種してください。
費用はワクチン接種の種類や病院によって異なりますが、大体の目安を把握しておきましょう!
狂犬病予防接種
狂犬病の予防注射は、1年に1度の接種が必要です。
狂犬病予防接種は1回「約3,500円」で、それに加えて「狂犬病予防注射済票交付手数料」が一律で550円かかります。
ワクチン接種
ワクチン接種の費用は、ワクチンの種類によって変わります。
ワクチン接種の種類や費用を知りたいという方は、参考程度に以下の表をご覧ください♪
引用:犬のワクチン接種はなぜ必要?種類や時期、費用をご紹介 | Honda Dog | Honda
柴犬はこんな人におすすめ!
頑固でプライドが高い性格でありながら、甘えん坊というギャップに心を掴まれる方も多いでしょう。
ここからは、そんな「柴犬」と相性が良さそうな飼い主さんの特徴を紹介していきます♪
柴犬と相性が良さそうな人の特徴
- リーダーシップを発揮できる人
- 柴犬の距離感を理解し程よい距離感を保てる人
- 運動をたくさんさせてあげれる人
- しっかりと「しつけ」を行える人
警戒心が強くよく吠えてしまうので、集合住宅やマンションで飼育するなら「しつけ」をしっかりと行う必要があります。
日本犬代表の「柴犬」を家族に迎え入れよう!
おさらい
- 警戒心が強く物怖じしないタイプなので「番犬」に向いている
- 自分より立場が下だと認識されると「ワガママ」になる可能性が高い
- 多くの運動量を必要とするのでたくさん遊んであげる
柴犬は「しつけ」をしっかりとすることができれば、飼い主さんに従順で忠実な性格なので飼いやすい犬種だといえます。
初めて犬を飼うという方は、オスに比べて大人しく番犬にも向いている「メス」の方が飼いやすいかもしれません。
しかし、メスは頑固で警戒心が強いので「性格がきつい」といわれることもあるので、根気強くしつけを行うようにしましょう!