猫を飼っている飼い主さんの中にも「部屋の中に観葉植物を置くのが好き」「ガーデニングが趣味」という方も多いでしょう。
しかし、猫にとって「危険な花」の種類があるということをご存知でしょうか?
好奇心旺盛でイタズラ好きの猫が、危険な花や植物だとは知らず、噛んだり舐めてたりしてしまうと「中毒症状」を引き起こす可能性もあります。
そのような状況を避けるためにも、飼い主さんが猫にとって「危険な花の種類」を理解し、猫の安全を守る必要があります。
そこで、今回は「猫にとって危険な花と安全の花の種類」について詳しく紹介していきます。
この記事を読んでわかるポイント
- 猫が花や植物を食べてしまう原因がわかる
- 猫が食べると「危険」な花の種類がわかる
- 猫が食べても「安心」な花の種類がわかる
- 猫が危険な花を食べてしまった時の対処法がわかる
【Contents】
猫が花や植物を食べてしまう原因
元々「肉食動物」の猫が花や植物を食べてしまう理由は、猫がよく行う「毛づくろい」が大きく関係しています。
猫は舌で体を舐めて「毛づくろい」を行いますが、その際に大量の毛を飲み込んでしまいます。
そこで、猫は花や植物を食べることによって、お腹の中に毛が溜まらないようにしていると考えられています。
また、便秘を解消する効果も期待できるといわれていることから、猫は自分の体調を調整するために花や植物を食べているのでしょう。
猫が食べると危険な花の種類
猫にとって有害な花は「約700種類」にも及ぶといわれています。
その中でも、毒性が強い種類・部屋の中に飾る機会が多い種類の花や植物を紹介していきます。
猫の安全を守るために、以下の花や植物は猫の手が届かない場所に置くようにしましょう♪
ユリ
花束や結婚式のブーケなどでよく使用される「ユリ」ですが、花・葉・茎・球根すべてに毒性がある、猫にとって非常に危険な花です。
猫がユリを口にしてしまった場合、今のところ有効的な治療法はないといわれているので、絶対に猫に近づけてはいけません。
ユリは一口でもかじってしまうと「ユリ中毒」を引き起こし、花粉やユリを生けていた水を舐めるだけでもとても危険な花です。
また、ユリを触った手で猫に触れることも避けた方がいいので、猫に触れる前には必ず手を洗いましょう。
中毒症状
下痢・嘔吐・脱水症状・全身麻痺・視力障害・急性腎不全など
かすみ草
かすみ草は、花束のメインやわき役にもなる人気の花として有名です。
しかし、かすみ草は猫が少し触れるだけでも「皮膚炎」を起こしてしまう可能性がある危険な花の1つ。
かすみ草を好んで食べてしまう猫も多いので、保管方法には気をつけましょう。
中毒症状
下痢・嘔吐・皮膚炎など
紫陽花
梅雨の時期にとても綺麗に咲く「紫陽花」も毒性が強い花の1つです。
とくに「つぼみ」「根」「葉」の部分が危険で、大量に食べてしまうと痙攣を起こし、最悪の場合死に至るケースも・・・
猫を外に出して飼育している飼い主さんは、近所に紫陽花が咲いている時期は、室内から出さないようにしましょう。
中毒症状
呼吸促迫・嘔吐・下痢・血便など
チューリップ
花壇に植えることが多い「チューリップ」は、花粉を吸ったり少し口にしただけでも、命の危険に関わるとても危険な花です。
ユリと同じく中毒症状を引き起こした場合、有効的な治療法は見つかっておらず、最悪の場合死に至る可能性があります。
また、チューリップを口にしたことに気づき、早急に動物病院を受診した場合でも、慢性腎不全となり闘病生活を余儀なくされることも珍しくありません。
中毒症状
嘔吐・下痢・脱水症状・腎臓障害・視力障害・呼吸困難・手足のしびれ・全身麻痺など
ヒヤシンス
ヒヤシンスは、キジカクシ科ヒヤシンス属の総称。
そんな、ヒヤシンスの球根・花・葉・汁液には「蓚酸(しゅうさん)カルシウム」という毒成分が含まれています。
蓚酸(しゅうさん)カルシウムの結晶は針状に尖っているので、それが刺さってしまうと皮膚に炎症を起こして、痒くなったりかぶれてしまう可能性があります。
中毒症状
嘔吐・下痢・血便・皮膚炎など
シクラメン
冬の時期に華やかな雰囲気を醸し出している「シクラメン」は、室内に飾られることが多い花です。
しかし、シクラメンを猫が口にしてしまうと、嘔吐・下痢・胃腸炎などの「消化器官系」の症状があらわれる場合があります。
とくに根の部分が危険ですが、花・茎・葉を食べても、中毒症状を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
中毒症状
嘔吐・下痢・胃腸炎・口内炎・皮膚炎など
ポインセチア
ポインセチアはトウダイグサ科トウダイグサ属の総称で、クリスマスシーズンを盛り上げてくれる花です。
葉や樹液には「フォルボール」という毒が含まれており、猫食べてしまうと下痢や嘔吐などの症状を引き起こします。
また、切り口から出る樹液に触れると、皮膚炎(発赤・腫れ・痒み)を起こして、口の周りがただれてしまうことも・・・
中毒症状
口の周りの炎症・下痢・嘔吐など
ツツジ
庭や公園でよく見かける花の1つ「ツツジ」ですが、花や葉に毒性があるということを知らない方も多いでしょう。
万が一、猫がツツジを口にしてしまうと毒が全身に回って、嘔吐・下痢・腹痛を引き起こします。
さらに悪化してしまうと、発作・痙攣・心配停止など死に至る可能性もある非常に危険な花です。
中毒症状
嘔吐・下痢・腹痛・過流涎・痙攣・発作・心配停止
菊
仏花としてよく用いられる「菊」には、猫にとって有害な「セスキテルペン」「ラクトン」などの成分が含まれています。
万が一、猫が菊を食べてしまうと、嘔吐・下痢などの症状を引き起こす可能性があります。
さらに、菊に触れるだけで皮膚炎になる場合もあるので、菊が備えられている仏壇がある部屋には猫が入れないようにしましょう。
中毒症状
皮膚炎・嘔吐・下痢
薔薇
猫が薔薇の花・茎・葉に触れても問題はありませんが、薔薇の「実や種」には「アミグダリン」という毒性の成分が含まれているので要注意です。
猫が薔薇の種子を食べてしまうと、青酸中毒となってしまい呼吸困難になる可能性があるので、早急に吐き出させる必要があります。
猫が吐き出さない場合には動物病院を受診して、適切な処置を受けましょう。
中毒症状
粘膜の充血・呼吸促迫・頻脈・嘔吐・痙攣
ホウセンカ
人間の漢方薬として使用されることもある「ホウセンカ」ですが、猫にとっては有害な花の1つです。
花や茎自体は安全で毒は含みませんが、ホウセンカの「種子」は猫にとって有害だといわれています。
万が一、種子の部分を口にしてしまうと「子宮の収縮」などの症状を引き起こす可能性があるので、猫を近づけないようにしましょう!
中毒症状
子宮の収縮
カーネーション
カーネーションは母の日ギフトの定番なので、家に飾ったことがある人も多いでしょう。
そんなカーネーションですが、万が一、猫が食べてしまうと「嘔吐・下痢・食欲不振・元気がない」という中毒症状を引き起こす可能性があります。
また、カーネーションに触れるだけで「皮膚炎」を起こす危険性があるので、猫を飼育している家庭では部屋の中に飾らないようにしましょう。
中毒症状
皮膚炎・嘔吐・下痢・食欲不振・元気がない
猫が食べても安全な花の種類
ここからは、猫が食べてしまっても害のない「安全な花」の種類について紹介していきます。
「猫を飼育しているけど部屋の中にお花を飾りたい」という方は、以下で紹介する花を飾ったりガーデニングしてみてはいかがでしょうか?
カモミール
猫にとって「カモミール」は安全なハーブとされており、少量であればフードや飲み水に混ぜることもあります。
カモミールは猫にとって色々な効果が期待でき、高品質な材料のみを使用して作れられる「プレミアムキャットフード」に用いられることも!
また、猫に皮膚炎が生じた場合、カモミールティーをコットンなどに含ませ患部に優しく当てると、皮膚の状態を整える効果が期待できるようです。
得られる効果
- 安眠効果
- リラックス効果
- 抗炎症作用
- 口臭予防
- 利尿作用
ガーベラ
花束・ブーケ・切り花として人気のガーベラは毒性がない花なので、猫が食べても問題ありません。
年間通して店頭に並び、安価で手に入りやすいガーベラの花言葉は「希望・前向き・美しさ」という意味があります。
色も鮮やかでとても綺麗な花なので、猫を飼育している方が部屋に飾るのにピッタリな花です!
胡蝶蘭
胡蝶蘭はとても華やかな見た目から、開店祝いや引っ越し祝いに人気の鉢物です。
ラン科の胡蝶蘭は猫が食べても害はないので、猫を飼育している方に花のプレゼントをする時には「胡蝶蘭」がおすすめです。
しかし、胡蝶蘭は毒がないからといって、無理に食べさせることはやめましょう。
ナスタチウム
人間も食べることができる「ナスタチウム(金蓮花)」は猫が食べても問題ありません。
サラダには向いていませんが、付け合わせなどに使用すると非常に見栄えがよくなるので料理に使用する方も多い花です。
しかし、猫が食べても問題がない「ナスタチウム(金蓮花)」ですが、少し「ピリッ」とした辛さがあるので嫌う猫も多いでしょう。
猫が危険な花を食べてしまった時の対処法
万が一、愛猫が危険な花を食べてしまった場合には、早急に動物病院を受診する必要があります。
たとえ「症状がでていない」「少量しか食べていない」場合でも、自己判断してしまうのはとても危険です。
動物病院で処置をしてもらうのが早ければ早いほど、助かる確率はグンと上がるので、早急に動物病院を受診しましょう!
動物病院を受診する時のポイント
動物病院を受診する時は、まず「中毒物質の種類の特定」と「摂取経路」を明らかにしましょう。
そして、食べ残した花を動物病院に持っていき獣医師さんに見せ、どのくらいの量を食べてしまったのか説明しましょう。
摂取した量や種類によっては、死に至る可能性もあるので、早急に動物病院を受診してください。
猫が安全に暮らせる環境を整えよう
おさらい
- 危険な花は猫の手が届かない場所に飾るようにする
- 猫が食べても安全な花でも無理に食べさせることはしない
- 猫が危険な花を食べて「症状がでていない」「少量しか食べていない」場合でも動物病院を受診する
私たちが何気なく飾っている「花」ですが、猫にとっては「危険な物」である可能性があります。
しかし「部屋を明るくするためにお花を飾りたい」「ガーデニングが趣味だ」という方も多いですよね。
そんな方は、猫にとって「危険な花・安全な花」を見極め、毒がない花を飾るように心がけましょう♪
猫がいるから花を飾ることを諦めるのではなく、猫の手に届かない工夫をしつつ花を楽しんでください。