「愛犬があくびをしている場面をよく見かける」という飼い主さんも多いのではないでしょうか?
あくびをしている姿を見ると「眠たいのかな?」と考えてしまいますが、実は犬があくびをする理由は他にもあります。
「頻繁にあくびをする」「あくびをする時に声を出す」という場合には、病気の可能性も考えられるので注意が必要です。
そこで今回は、犬があくびをする理由や、あくびの原因として考えられる病気などを詳しく紹介します。
この記事を読んでわかるポイント
- 犬があくびをする6つの理由がわかる
- あくびをしている時にチェックしたいポイントがわかる
- あくびの原因として考えられる病気がわかる
【Contents】
犬があくびをする6つの理由
犬が眠たくなさそうなのに、散歩している時や遊んでいる最中に、あくびをしている場面を目にしたことはありませんか?
筆者の愛犬も、車に乗っている時や動物病院の待合室などで、あくびをするけれど寝る気配はなし・・・という経験があります。
そんな時、愛犬はどんな気持ちであくびをしているのか、疑問に感じたので「犬があくびをする理由」について詳しく調べてみました!
眠たい時
犬があくびをする大半の理由は、退屈な時や疲労感からくる「眠気のサイン」
眠たい時は、犬も人間と同じように脳の働きが低下してきます。
そのため、あくびをすることによって脳に酸素を送り込み、脳を活性化させようとしています。
また、あくびによって口を大きく開けるので顔の筋肉が伸縮され、脳を活性化させる効果も期待できます。
緊張している時
犬は緊張する場面で、自分の気持ちを落ち着かせたい時に、あくびをします。
例えば、飼い主に叱られている時や慣れない環境にいる時などに、犬は強い不安感や緊張感を感じてしまいます。
もし、そのような状況で犬があくびをしている場合は「落ち着こう!」と自分で緊張をほぐそうとしているのです。
「緊張」は、生理現象なので避けることはできませんが、過度な緊張は犬に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、犬があくびを頻繫にしている時は、飼い主さんがコミュニケーションをとって、犬の緊張をほぐしてあげましょう!
ストレスを感じている時
犬は不快感をもち、強いストレスを感じた時に、あくびを頻繁にするようになります。
あくびは「犬の代表的なストレスサイン」といわれており、犬がストレスを抱えているのかを、見極める重要なポイントの1つです。
トリミングや病院の慣れない環境であくびをするのは、ストレスを緩和させて落ち着こうとしており、人間が行う「深呼吸」と同じ役割があります。
犬とのコミュニケーションをしっかりとって、少しでもストレスがたまらないように、リラックスさせてあげましょう!
人のあくびがうつった時
「人のあくびを見ていると自分もうつってしまう」という現象を、経験したことがある方も多いでしょう。
実は、犬にも人間と同じ現象が起きるのです!
また、「飼い主や身近な人ほどあくびはうつりやすい」ということが、東京大学の研究結果により証明されました。
もし、自分があくびをしている横で、愛犬もあくびをしていたら、信頼されている証拠です!
争いを避けようとしている時
散歩中などに、他の犬と争いに発展しそうな時にするあくびは「自分に争う気はない!」ということを示しています。
また、犬がいたずらをして飼い主が叱っている最中などにも、あくびをすることがあります。
それは、ストレスや緊張からきている行動でもありますが「争いたくない」いう気持ちも表しているのです。
そのため、叱っている最中に、あくびをしていても「反省しているんだな」と思って許してあげてください!
体に不調がある時
犬がいつも以上にあくびをしている場合、病気や体に不調がある可能性があります。
眠たくなさそうなのに、何回もでてしまうあくびは「生あくび」といい、生あくびは体に不調を感じているときにでるので、冷や汗と同じようなものです。
普段のあくびと様子が違ったり、あまりにもあくびが止まらないようであれば、早めに獣医師に相談してください。
犬は話すことができないので、身近にいる飼い主が、愛犬の少しの異変にも気付いてあげましょう!
【シチュエーション別】犬があくびをしている時の心理
ここからは、具体的なシチュエーション別に「こんな場面で犬があくびをする心理」を、分かりやすいように表にまとめました!
愛犬の気持ちを少しでも理解しようとすることによって、犬とのコミュニケーションもとりやすくなり、さらに信頼関係が深まるでしょう。
シチュエーション | 犬の心理 | 改善策 |
散歩中のあくび | ・自分の興奮している気持ちを落ち着かせている ・他の犬に争うつもりはないと示している |
他の犬と無理やり近づけずに、犬が保っている距離感を守ってあげる |
他人に頭を撫でられた時のあくび | ・不安感や緊張感を示している | 怖がっている様子なら他人には触らせない |
抱っこした時のあくび | ・抱っこが嫌いな犬や慣れていない犬は、緊張や不安感を示している | 無理やり抱っこせずに少しずつ慣れさせていく |
動物病院やトリミングに行く時のあくび | ・「嫌いな場所」と覚えているため不快感を示している ・不安や緊張を落ち着かせようとしている |
少しでも「嫌いな場所」という記憶を薄れさせるために、おやつなどのご褒美を用意しておく |
犬を叱った時のあくび | ・あくびは謝罪の表れで「ごめんなさい」という反省が込められている | 犬は叱られているということは十分理解しているので 叱りすぎには注意! |
音を聞いてするあくび | ・大きな音を聞いたことによる不安感や緊張を示している ・自分の興奮している気持ちを落ち着かせている |
雷やサイレンの音は避けられません。 少しずつ慣れさせていきましょう。 |
震えながらするあくび | ・自分の不安や緊張をほぐして、落ち着こうとしている | ・緊張や不安の原因を探して改善してあげましょう |
車に乗っている時のあくび | ・車酔いをして体調が優れない時 ・緊張や不安感を示している |
・車酔いをしてしまう犬は長時間乗せないようにしましょう |
あくびの原因として考えられる犬の病気
前述したように、犬は病気が原因で、あくびをしている可能性があります。
ここでは、あくびの原因として考えられる病気と、その症状を紹介します。
愛犬の異変を感じた場合には、早急に動物病院に連れて行きましょう。
うつ病
「うつ病は犬にも発症するの?」と疑問に感じる方も多いですが、犬もストレスから心の病にかかってしまうことがあります。
- 散歩に行けない日々が続いている
- お留守番している時間が長い
- 飼い主のスキンシップが足りていない
上記のような出来事が原因で、強いストレスを感じてしまい、犬は食欲を無くし元気がなくなってしまいます。
「病院に行っても原因が分からない」という時は、うつ病の可能性があります。
てんかん
てんかんは、原因不明な特発性てんかんや、脳腫瘍・脳炎が原因で起こる症候性てんかんなど、さまざまな原因によって引き起こされます。
てんかんの症状は主に発作ですが、手足をバタバタさせて落ち着きがなくなったり、顎をガクガクさせたり、あくびをするという症状もみられます。
てんかんが起きたら、すぐに死に直結するということではないですが、できるだけ早く動物病院で受診しましょう!
低血糖症
とくに、子犬や超小型犬といわれるチワワなどに多い「低血糖症」
低血糖とは、血液中の糖分が少なくなることで、脳の働きが低下している状態のことです。
- 頻繁にあくびをしている
- フラフラしている
- ずっと寝転んでいる
上記のような症状がみられる場合は、「低血糖症」になっている可能性があるので、獣医師に相談しましょう。
貧血症
貧血になると酸欠状態になってしまうので、酸素を脳内にとりこもうと、頻繁にあくびをします。
- いつもより元気がなく、寝ている時間が長い
- おしっこの色がいつもと違う(赤っぽい)
- 呼吸が乱れている
- 口腔内や歯茎が白っぽい
上記のような症状がみられたら、「貧血症」の可能性があります。
歯の不調
歯が痛い時や不快感がある時に、いつもとは違うあくびをする場合があります。
声を出しながらあくびをしたり「キャン」と痛そうに鳴いたりする時は、口腔内を痛めている可能性も・・・
犬にとって歯はとても大切なので、デンタルケアをしっかり行いましょう。
あくびをした時にチェックしたいポイント
犬があくびをして大きな口を開けた時に、必ず見るようにしてほしいのが「舌の色」です。
「舌の色で犬の健康状態が分かる」といわれているくらい、重要なチェックポイント!
ここでは、舌の色で考えられる病気の可能性を紹介していきます。
舌の色が白い場合
舌の色が白い場合は「貧血症」の可能性があります。
飼い主が気づくほど白くなっているということは、重度の貧血症の危険性もあるので、早急に動物病院に連れて行きましょう。
舌の色が紫色の場合
舌の色が紫色になっている時は「チアノーゼ」をおこしている可能性があり、舌だけではなく歯茎なども紫色になってしまいます。
心疾患や呼吸器疾患などの病気によって、低酸素の状態である危険性もあるため、気づいたら早急に動物病院に連れて行きましょう!
愛犬の異変を見逃さないことが大切!
おさらい
- あくびには6つの理由がある
- あくびは体の不調を表すサインの場合もあるので注意が必要
- 犬があくびをした時には舌の色を確認する
犬は話せないので、どうしても思っていることが分かりづらい・・・
筆者も「愛犬と話せたらいいな」「なにを考えているのか聞きたいな」と何度も考えたことがありますが、その願望は叶いません。
そのため、愛犬と話すことができない分、愛犬の変化を見逃さないように、日頃からよく観察しています。
愛犬の異変に気付くことができるのは、日頃から身近にいる飼い主だけしかいません。
今回紹介した「あくびの理由」を参考にしながら、少しでも愛犬の気持ちを理解してあげる努力をしましょう!