ハムスターが、健康に長生きするためには「食事内容」がとても重要です。
ハムスターの主食は「ペレット」ですが、それだけでは補うことができない栄養素を「野菜」を食べることで摂取することができます。
しかし、野菜の中にもハムスターが「食べていい野菜・食べてはいけない野菜」があるので、与える時には注意が必要です。
そこで、この記事では「ハムスターが食べていい野菜・食べてはいけない野菜」「野菜の与え方・適量」などを徹底解説していきます。
「野菜」を上手に活用して、栄養満点の食事をハムスターに与えましょう♪
この記事を読んでわかるポイント
- 食べていい野菜と食べてはいけない野菜がわかる
- 与える時に注意が必要な野菜がわかる
- ハムスターへの野菜の与え方がわかる
【Contents】
そもそもハムスターに「野菜」は必要なのか?
「そもそもハムスターに野菜は必要なのか?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか?
ハムスターの主食である「ペレット」だけでも、十分に栄養を摂取することは可能です。
しかし「野菜」を与えることで、ペレットだけでは摂取することができない栄養素を補うことができます。
そのため、ハムスターを元気に長生きさせるためには、ペレットに加えて「野菜」を与えることが効果的だといえるでしょう。
いつから与えてもいいのか?
ハムスターは、生後間もなく「離乳食」を食べ始めます。
離乳食を食べることができれば、そのタイミングで野菜も与えてOKです。
しかし、生まれて間もないハムスターは歯が弱いので、野菜を「茹でる・すり潰す・細かく切る」など、ハムスターが安全に食べられるように工夫しましょう!
野菜は補助的な役割で使用することがベスト
野菜は約90%「水分」だといわれています。
そのため、ハムスターの主食として野菜を与えてしまうと、栄養が不足してしまいます。
ベストの食事内容は、主食は「ペレット」・足りない栄養の補助的な役割で「野菜」を使用するといいでしょう。
ハムスターに食べさせたい「野菜」
ハムスターに野菜を与えることで、期待できる効果が多くあります。
ここからは「栄養素別の期待できる効果」と「野菜の与え方」などについて紹介していきます。
ビタミンA
ビタミンAが含まれる野菜は以下のとおりです。
期待できる効果:粘膜保護・免疫力向上
ビタミンAが含まれる野菜
- 人参
- カボチャ
- 小松菜
- チンゲン菜
人参
泥がついている人参はよく水で洗い流して、水分をキッチンペーパーなどでよく拭き取りましょう。
1度の食事で与える適量は「5㎜」の大きさで、角を残した形にカットすると食いつきがよくなります。
人参は、皮膚を健康に保つ役割をもっているので、皮膚病になりやすいハムスターにはおすすめの野菜です♪
カボチャ
カボチャは、歯がしっかりしているハムスターなら、生のまま食べることができます。
しかし、歯が弱いシニアのハムスターや、生まれて間もないハムスターに与える時は「加熱」して与える必要があります。
また、カボチャの種も食べることができるので、捨てずに3日~5日程度乾燥させておくといいでしょう。
1度の食事で与える適量は「1㎝」の大きさで、角を残した形にカットすると食いつきがよくなります。
小松菜
小松菜は「生のまま・茹でる・乾燥」どの状態でも与えることができます。
1度の食事で与える適量は、以下のとおりです。
- ゴールデンハムスターのような大きなハムスターには「500円玉程度」の大きさ
- ジャンガリアンハムスターのような小さなハムスターには「100円玉程度」の大きさ
小松菜には「カルシウム」が含まれており、与えすぎると「結石症」になる可能性があるので、与える量には注意しましょう!
チンゲン菜
チンゲン菜を与える時には、必ず「茹でて」から与えるようにしましょう。
1度の食事で与える適量は、1㎝角のチンゲン菜を2枚~3枚程度です。
毎日与えることは避け、茹でたチンゲン菜は傷むのがはやいので、30分経過したものは処分しましょう。
ビタミンB
ビタミンBが含まれる野菜は以下のとおりです。
期待できる効果:粘膜保護・免疫力向上
ビタミンBが含まれる野菜
- カボチャ(ビタミンAに記載しています)
- サツマイモ
サツマイモ
ハムスターにとって「サツマイモ」は大好物の1つです。
しかし、カロリーが高く与える量に気を付けなければ「肥満」の原因になります。
1度の食事で与える適量は「5㎝」の大きさを角を残してカットしてあげましょう。
生の状態でも食べることができますが、歯が弱いハムスターには蒸すと食べやすくなります。
ビタミンC
ビタミンCが含まれる野菜は以下のとおりです。
期待できる効果:免疫力向上・風邪予防・ガン予防・老化防止
ビタミンCが含まれる野菜
- ブロッコリー
- キャベツ
- 大根の葉
- サツマイモ(ビタミンBに記載しています)
ブロッコリー
ブロッコリーは「生のまま・茹でる・乾燥」どの状態でも食べることはできますが、1番栄養が摂取できるのは生の状態です。
1度の食事で与える適量は「5mm~1cm」の、ハムスターが手で持てるサイズを与えましょう。
ブロッコリーは、全ての部位を食べることができるので、捨てる部分がないのも魅力。
キャベツ
キャベツは、水分と一緒にビタミンを摂取することができ、消化にも優しい野菜です。
そのため、高頻度で与えることができますが、傷みやすい野菜なので30分経過したら処分しましょう。
キャベツは茹でることにより、多くの栄養が失われてしまうので「生の状態」で与えることをおすすめします。
1度の食事で与える適量は、以下のとおりです。
- ゴールデンハムスターのような大きな体のハムスターには「縦・横4cm」の葉を2枚
- ジャンガリアンハムスターのような小さな体のハムスターには「縦・横2cm」の葉を2枚
大根の葉
大根の葉には多くの「ミネラル」が含まれているので、与えすぎてしまうと「結石症」になる恐れがあるので注意が必要です。
1度の食事で与える適量は、生のままの状態で「3㎝」程度の大きさにカットして与えましょう。
また、大根の根部分には水分がたくさん含まれているので「水分補給」になりますが、与えすぎると「下痢」を引き起こす可能性があります。
そのため、適量をしっかりと守って与えることが大切です。
ビタミンE
ビタミンEが含まれる野菜は以下のとおりです。
期待できる効果:老化防止・血管健康維持
ビタミンEが含まれる野菜
- 大根の葉(ビタミンCに記載しています)
- カボチャ(ビタミンAに記載しています)
ビタミンK
ビタミンKが含まれる野菜は以下のとおりです。
期待できる効果:骨・関節健康維持
ビタミンKが含まれる野菜
- キャベツ(ビタミンCに記載しています)
- ほうれん草
- 小松菜(ビタミンAに記載しています)
ほうれん草
ほうれん草には「シュウ酸」が多く含まれており、このシュウ酸を摂取しすぎると「結石症」になるリスクが高くなります。
シュウ酸は茹でることによって「約8割」減らすことができるので、必ずハムスターに与える時には、茹でて冷ましてから与えてください。
1度の食事で与える適量は「1~2g程度」で、5mm~1㎝角のものをあげましょう!
ビタミンU
ビタミンUが含まれる野菜は以下のとおりです。
期待できる効果:粘膜保護・内蔵腫瘍予防・代謝向上
ビタミンUが含まれる野菜
- キャベツ(ビタミンCに記載しています)
- ブロッコリー(ビタミンCに記載しています)
カルシウム
カルシウムが含まれる野菜は以下のとおりです。
期待できる効果:骨健康維持・神経や筋肉の緊張緩和
カルシウムが含まれる野菜
- 大根の葉(ビタミンCに記載しています)
- 小松菜(ビタミンAに記載しています)
- チンゲン菜(ビタミンAに記載しています)
- さつまいも(ビタミンBに記載しています)
食物繊維
食物繊維が含まれる野菜は以下のとおりです。
期待できる効果:腸内環境を整える
食物繊維が含まれる野菜
- キャベツ(ビタミンCに記載しています)
- カボチャの皮(ビタミンAに記載しています)
ハムスターに与える時に気をつける必要がある野菜
ここからは、ハムスターに与える時に「気を付けなければならない野菜」を紹介していきます。
ハムスターの健康を守るために、飼い主さんがしっかりと理解しておきましょう!
ハムスターに与える時に、気を付けなければならない野菜は以下のとおりです。
気を付けなければならない野菜
- じゃがいも
- トマト
- きゅうり
- レタス
- ほうれん草
じゃがいも
じゃがいもの「芽・葉」などには「ソラニン」という毒素が含まれています。
人間が少量摂取したくらいでは問題はありませんが、体が小さなハムスターは少しの量を摂取しただけでも、体に影響が出てしまいます。
ソラニンは少量であれば「下痢・嘔吐」などの症状ですむことが多いですが、最悪の場合、死に至る可能性もあります。
そのため、ハムスターに与える時には、じゃがいもの中心部分だけを加熱してあげましょう!
トマト・きゅうり・レタス
トマト・きゅうり・レタスには、多くの水分が含まれている野菜です。
そのため、与えすぎると「軟便・下痢」の症状を引き起してしまいます。
水分を多く含む野菜を与える時には、量を少し減らして、洗った時についた水分はキッチンペーパーなどで拭き取るようにしましょう。
ほうれん草
前述したように、ほうれん草には「シュウ酸」が含まれてます。
シュウ酸は、ほうれん草の「株」の部分に多く含まれているので、ハムスターに与える時は「株」の部分を切り落としましょう。
また、茹でることで「シュウ酸」を減少させることができるので、必ず茹でてから与えてください。
ハムスターに与えてはいけない野菜
雑食のハムスターですが、全ての野菜を食べていいわけではありません。
以下の野菜をハムスターが食べてしまうことで、中毒症状を起こしたり、最悪の場合、死に至る可能性もあります。
少量でも危険な野菜なので、絶対に与えないようにしましょう!
与えてはいけない野菜は以下のとおりです。
与えてはいけない野菜
- ネギ
- タマネギ
- 唐辛子
- 生の枝豆
- ごぼう
- レンコン
- 芽キャベツ
- ニラ
- ニンニク
- アボカド
- アスパラガス
- 銀杏
- ハバネロ
- ナス
- きのこ類
- タケノコ
- 生姜
- アロエ
- ソラマメ
- インゲン
- カイワレ大根
ハムスターへの野菜の与え方
ハムスターへの正しい野菜の与え方を理解して、安全にハムスターが野菜を食べられるように工夫しましょう。
また、野菜を飼い主さんの手から与えることで、ハムスターとの距離を縮めることもできるので、1度試してみてはいかがでしょうか?
適切な量を与える
ハムスターの主食は「ペレット」なので、野菜は補助的な役割だということを忘れてはいけません。
いくら「ハムスターが好んで食べているから」「栄養素が高いから」といって、野菜中心に与えることは健康によくありません。
野菜を多く与えることで、水分を多く摂取しすぎてしまい「軟便・下痢」を引き起し、栄養も偏ってしまいます。
そのため、毎日数種類の野菜を少量ずつペレットと一緒に与えるようにしましょう♪
食べやすい大きさにカットする
野菜をカットする時は、ハムスターが両手で持つことができるサイズに切りましょう。
大きなサイズにしてしまうと喉を詰まらせたり、ハムスターが食べにくくなってしまいます。
そのため「2㎝~5㎝」のサイズを目安に、飼っているハムスターが食べやすいサイズに合わせてあげましょう!
水洗いした野菜は水気を切る
野菜についている土や農薬を洗い流すために水で洗いますが、その付着した水分は必ず拭き取ようにしましょう。
水分がついたままだと、傷みやすくなる原因になり、菌が繁殖してしまう可能性があります。
また、水分の摂りすぎによって「下痢・軟便」を引き起す場合も・・・
そのため、少し手間にはなりますが、キッチンペーパーなどで水分を拭きとった方がいいでしょう。
新鮮な野菜を与える
ハムスターは、些細なことでも体調を崩しやすい動物です。
そのため、少し古くなった野菜がお腹を壊す原因になることも多いので、野菜は「新鮮」な状態のものを与える必要があります。
とくに「春~夏」の時期は野菜がはやく傷みやすくなるので、ケージに入れて30分経過した野菜は、すぐに処分しましょう!
茹でなければいけない「野菜の種類」を確認する
基本的に生のまま与えてもいい野菜が多いですが、中には必ず茹でなければならないものもあります。
そのため、ハムスターに与える前には「生の状態」で食べても大丈夫な野菜なのかを確認するようにしましょう!
人間用に加工されている物はNG!
人間用に加工されている食べ物には、多くの「塩分・砂糖・油分」が多く含まれており、ハムスターにとって害があるものばかりです。
そのため、人間用に加工された「野菜チップ」「野菜ジュース」などは、絶対に与えないようにしましょう!
上手に野菜を活用しよう!
おさらい
- 生で食べていい野菜と加熱する必要がある野菜を理解する
- 野菜はハムスターが両手で持てるサイズにカットする
- 野菜を洗った後の水気はキッチンペーパーなどで拭き取る
小さな体のハムスターは、たくさんの量の野菜は不必要なので、普段の料理で余った野菜を少しずつ与えるだけで十分です。
「食べていい野菜・食べてはいけない野菜」を理解して、上手に野菜を活用することで、栄養バランスのいい食事をとることができます。
ハムスターが元気に長生きしてくれるように、飼い主さんが食事管理を徹底しましょう。