猫の頭や顎を撫でると、喉を「ゴロゴロ」鳴らしながら、甘えてきたことはありませんか?
実は、この「ゴロゴロ」にはしっかりとした理由あり、猫のさまざまな感情を表していたのです。
そこで、今回は猫が「ゴロゴロ」喉を鳴らす理由・猫が喜ぶ撫で方などを詳しく紹介します。
この記事を読んで、愛猫との関係を深めるきっかけにしましょう!
この記事を読んでわかるポイント
- 猫がゴロゴロ喉を鳴らす理由がわかる
- 猫が喜ぶ撫で方・箇所がわかる
- 猫が嫌がる箇所・タイミングがわかる
【Contents】
猫が「ゴロゴロ」喉を鳴らす5つの理由
猫が「ゴロゴロ」喉を鳴らす理由は5つあります。
この5つの理由を理解することで、さらに、愛猫との信頼関係を築くことができるでしょう。
5つの理由
- 幸せ・嬉しいから
- 飼い主さんを母猫だと思っているから
- 信頼しているから
- 不快感を抱いているから
- 体調が悪いから
1.幸せ・嬉しいから
猫が飼い主さんに撫でられて、目を細めてリラックスしている状態で「ゴロゴロ」喉を鳴らしている時は「幸せ」「嬉しい」という気持ちです。
この気持ちの時の「ゴロゴロ」は、大きめの中低音で鳴きます。
上記のような状態で「ゴロゴロ」鳴いている場合は、今の状況に満足しているというサインです!
2.飼い主さんを母猫だと思っているから
飼い主さんのことを「母猫」だと思い込んでいる猫は、母猫(飼い主さん)にゴロゴロ音で「元気だよ」とアピールしています。
このように、母猫に甘えている時の「ゴロゴロ」は高音で、人間の赤ちゃんとほぼ同じ高さで鳴きます。
母猫に甘えたいという気持ちから「ゴロゴロ」鳴いてる場合が多いので、たくさん構ってあげましょう!
3.信頼しているから
多頭飼いしている猫同士や、飼い主さんとコミュニケーションをとるために「ゴロゴロ」喉を鳴らしている場合があります。
仲良しの猫同士なら「ゴロゴロ」言いながら、舐めあっていることがよくあります。
もし、飼い主さんにもゴロゴロ言いながら舐めてきているようなら、猫がコミュニケーションをとろうとしている証拠なので、たくさん遊んであげましょう!
4.不信感を抱いているから
猫が「ゴロゴロ」喉を鳴らしている時、猫はご機嫌な時ばかりではありません。
猫は不快感を抱いている時にも「ゴロゴロ」と喉を鳴らすため、猫がどのような心理状態なのか見極めることが大切です。
猫を撫でて、顔を背けたりどこかへ逃げていく場合は、不快感を抱いている可能性があります。
それ以上、しつこく撫でたり構ったりせずに、少しの間そっとしておいてあげましょう!
猫は気分屋なので、また気が向いたら、飼い主さんの近くに寄ってくるでしょう。
5.体調が悪いから
猫の体調が優れない時、体調の回復を早めるために「ゴロゴロ」と喉を鳴らしている時があります。
撫でる前から、猫が喉を鳴らしていたら身体に異変がないか確認しましょう。
「食欲がない」「元気がない」「水を飲まない」などの他の症状も見られる場合には、早急に動物病院で受診させてください。
また、死期が近づいている時「ゴロゴロ」喉を鳴らしながら、ぐったりすることがあるので、そのような場合は猫から目を離さないようにしましょう。
猫の「ゴロゴロ」はどうやって鳴らしている?
猫の「ゴロゴロ」は、どのようなメカニズムで音を鳴らしているのかご存知でしょうか?
実は、はっきりとしたメカニズムは解明されていませんが、3つの有力説があります。
3つの有力説
- 神経振動によって喉頭の筋肉が収縮して、声帯を振動させることにより音が発生している
- 猫には「仮声帯」といいう器官があり、仮声帯を動かすことによって「ゴロゴロ」鳴らしている
- 大きな血管の中で血が流れる時に「ゴロゴロ」と音がする
猫の「ゴロゴロ」から「セロトニン」が分泌されている
猫の「ゴロゴロ」という音を聞くと、癒されるという方が多くいます。
筆者の猫も「ゴロゴロ」と音を鳴らしますが、なんとなく心地よくリラックスした気持ちになります。
実は、猫のゴロゴロ音の周波数は、身体にリラックス効果が期待できるといわれている「低周波」だといわれています。
低周波を聞くことで、感情や気分のコントロールに欠かせない「セロトニン」が分泌することもわかっています。
この「セロトニン」は、自律神経・ホルモンバランスを整える効果も期待できるといわれています。
猫がゴロゴロ音を出してくれることで、私たち人間にも素晴らしい効果を与えてくれます!
猫が「撫でてもOK」と思っている時のサイン
猫は気分屋な一面があるので、大好きな飼い主さんからでも「今は触れられたくない」と思っている時もありますが、撫でてほしい時は自分からアピールしてきます。
そのため、猫からの「撫でてもいいよ」というサインを、見逃さないようにしましょう!
7つのOKサイン
- 飼い主さんの身体に乗る
- 身体をスリスリしてくる
- 触ってほしい体の場所を見せてくる
- 前足で触ってくる
- 飼い主さんをじっと見つめてくる
- 飼い主さんの後を追いかけてくる
- 飼い主さんの顔を見ながら鳴く
1.飼い主さんの身体に乗る
猫は「撫でてほしい」「構ってほしい」と思っている時に、飼い主さんのお腹や膝などに乗ってきます。
身体の上に乗り、目を瞑ってリラックスしている時は、優しく撫でてあげましょう!
2.身体をスリスリしてくる
飼い主さんが立っている時に、猫が足などにスリスリしてくる時があります。
スリスリしてくる場所を、重点的に撫でてあげると猫は喜びます。
筆者の愛猫は、軽いスリスリを無視していると、強めにグイグイ押してアピールしてきます。
3.触ってほしい体の場所を見せてくる
お腹を見せるように仰向けになっていたり、飼い主さんにお尻を向けて座っていたら、その場所を優しく撫でてみましょう!
猫が「撫でてもいいよ」と思っている時は、大人しくじっとしています。
4.前足で触ってくる
身体を撫でてほしい時、前足で飼い主さんのことを、ちょいちょい触ってくることがあります。
また、飼い主さんが撫でるのを辞めると、繰り返し要求してくることも・・・
5.飼い主さんをじっと見つめてくる
猫が飼い主さんの近くで、じっと顔を見つめてくる時は「甘えたい」というサインです。
さらに、飼い主さん近くに身体を寄せてきたら「撫でてもいいよ」というサインなので、たくさん構ってあげましょう!
6.飼い主さんの後を追いかけてくる
飼い主さんの後をついて回り、足にスリスリしてくるなら「撫でていいよ」のサインです。
お風呂やトイレまでついてくる猫もいるので、とても愛おしい気持ちになります。
7.飼い主さんの顔を見ながら鳴く
飼い主さんの視界にはいり「ニャー」と鳴いている時は、なにかを要求している可能性が高いです。
猫がお腹いっぱいの状態で鳴いているなら「撫でてほしい」と甘えているのでしょう。
猫を撫でる時のポイント
猫は警戒心が強いので、いきなり近寄って撫でようとすると、怖くて逃げてしまいます。
猫の警戒心を解くためには、下記のポイントに気を付けながら、猫を撫でてあげるといいでしょう。
猫を撫でるポイント
- 優しく声をかける
- ゆっくり優しく撫でる
- 猫が好きな撫で方を見つける
- 猫が近づいてくれるのを待つ
- 猫がリラックスしている時を狙う
1.優しく声をかける
猫を撫でる時「撫でる前の動作」も重要なポイントになります。
猫も人間と同じように、急に真正面に立たれ顔を凝視されると、恐怖心を感じてしまいます。
そのため、猫を怖がらせないためには、小さな声で優しく声をかけながら、横や後ろから少しずつ近づいていくことがポイントです!
2.ゆっくり優しく撫でる
猫を撫でる前に、まず手や指を猫の鼻の前に出して匂いを嗅いでもらい、猫に挨拶をすることからはじめましょう。
猫を撫でる時は、優しくゆっくり撫でることがポイントです。
また、手のひらではなく手の甲を使って撫でる方が、圧迫感を与えず摩擦も少ないため、猫がリラックスできます。
3.猫が好きな撫で方を見つける
猫によって、好きな撫でられ方・力加減・好きな箇所があります。
猫と仲良くなるには「猫のお気に入りの撫で方」を探すことが大切です。
ゆっくり優しく撫でる・ブラッシングで撫でる・指先でちょんちょんと触るなど、色々様子を見ながら試してみましょう。
4.猫が近づいてくれるのを待つ
猫は気分屋なので、猫が自分から近寄ってきた時は、撫でるチャンスです!
猫から近寄ってくる時は「構ってほしい」「甘えたい」と思っている時が多いので、撫でても逃げない場合が多いです。
また、自分の飼っている猫を撫でる時は、猫から近寄ってくれるのを待ち、無理やり触れないようにしましょう。
5.猫がリラックスしている時を狙う
猫が眠そうにしていたり、リラックスしている状態の時に、ゆっくり撫でてみるのもいいでしょう。
猫を驚かさないように、ゆっくり声をかけながら優しく撫でてあげると、喜ぶ猫も多いです。
しかし、大事なのは「人間が撫でたいタイミング」ではなく「猫が撫でてほしいと思っているタイミング」を見極めることです。
【部位別】猫が喜ぶ撫で方
強く撫でたり、猫が嫌がる部分を撫でると、猫は不快感を抱いてしまいます。
そうならないためには、猫が喜ぶ撫で方を把握する必要があります。
ここでは、部位別の撫で方や撫でる時のポイントを紹介します。
顎の下
猫の顎の下には、臭いを出す「臭腺」というものがあり、この臭腺を物に擦り付けてマーキングを行います。
しかし、臭腺は皮膚の汚れが溜まり、痒くなりやすい部分ですが、猫は顎下を自分でグルーミングすることができません。
そのため、顎下を飼い主さんに軽く掻くように撫でてもらうと、嬉しそうな顔をする猫が多いです。
以下では、猫の顎下を撫でる時に、合わせてチェックしておきたいポイントを紹介します。
チェックポイント
顎下の臭腺は、汚れが蓄積してしまうとポツポツとニキビのようなものができます。
この症状のことを「挫瘡」「アクネ」といいます。
無理に触ったり擦ったりすると悪化してしまう可能性があるので、清潔なタオルやコットンなどで優しく拭いてあげましょう。
顎下を撫でる時には、挫瘡が発症してないかこまめにチェックすることをおすすめします。
頭や顔
猫は、自分で頭や顔を舐めることができないので、前足を舐めてから頭や顔を洗います。
しかし、直接猫の舌で舐める箇所に比べると、頭や顔は毛づくろいが不十分になってしまうので、綺麗好きな猫には物足りません。
また、親猫は子猫の頭を顔をよく舐めるので、成猫になっても顔や頭を撫でられることで、母猫を思い出し安心する猫も多いです。
猫を撫でる時、ブラシを使用すれば、ザラザラした猫親の舌の感触に似ているため、さらに猫は喜びます。
頭・鼻筋・耳の間などを毛並みに沿って、優しく撫でてあげましょう!
尻尾の付け根
尻尾の付け根を撫でると、猫はとても喜びます。
尻尾の付け根には、ツボが集中しており臭いの分泌線もあるので、撫でることでマッサージの効果も得ることができます。
撫でられることを好む猫もいますが、ポンポンと軽く叩くような撫で方をすると喜ぶ猫も多いようです。
しかし、尻尾を撫でられると不快感を抱く猫も多いので、様子を見ながら触りましょう!
チェックポイント
猫の尻尾の付け根には分泌腺があるので、汚れが蓄積すると炎症を起こしてしまう可能性があります。
尻尾の付け根だけ湿っている状態のことを「スタッドテイル」といい、初期段階であれば自宅でケアができます。
症状が悪化しないために、こまめにブラッシングを行い清潔に保ちましょう!
首後ろから肩
猫は頭の後ろや肩甲骨の部分が、1番疲れが溜まりやすい箇所だといわれていますが、自分で毛づくろいすることができません。
そのため、飼い主さんにがマッサージをするように、撫でてあげると喜ぶ猫が多いです。
猫の肩甲骨の間に親指をいれて、クルクルと円を描くようにマッサージしてあげましょう。
猫の様子を見ながら、あまり力を入れすぎないように注意して行ってください。
背中
基本的に、背中を撫でられて嫌がる猫はいないくらい、猫は背中を撫でられることを好みます。
毛並みに沿って上から下に、手のひらの全体やブラッシングを活用して、撫でてあげるといいでしょう。
しかし、撫ですぎると背中の毛が薄くなってしまう可能性があるので、様子を見ながら行いましょう!
猫が撫でられると不快になる箇所
猫は、撫でられると不快な気持ちになる箇所があります。
猫が嫌がる箇所を触り続けると、ストレスが溜まってしまうこともあるので、撫でる時は猫の反応を伺いながら行いましょう。
足先
足先に触れられることを嫌う猫は非常に多く、とくに前足よりも後ろ足を触れられると不快感を感じます。
猫が足先を嫌がる理由は「神経が集中しているので敏感なこと」や「動きを拘束されることが苦手だから」ではないかといわれています。
かわいい猫の肉球は、つい触りたくなってしまいますが、猫が嫌がっているようであれば無理やり触らないようにしましょう。
お腹
猫はお腹が急所なので、触られるのを嫌がる猫はとても多いです。
心を許している飼い主さんなどには触らせてくれる場合もありますが、初対面の方にはほぼ触らせてくれません。
もし、猫が仰向けになりながら、お腹を触らせてくれるようなら「信頼されている」証拠です!
尻尾
猫も人間と同じように、身体の先端には神経が集中しているので、とても敏感になります。
そんな敏感な部分に触られると、猫は不快感を抱き、ストレスが溜まってしまいます。
ほとんどの猫は尻尾に触れられることを嫌がるので、初対面の猫の尻尾には触れない方が無難でしょう。
猫が撫でられるのを嫌がる7つのタイミング
猫も人間と同じように「こんな時は構わないでほしい」と思っている時があります。
とくに下記の7つのタイミングには、猫を撫でると嫌がられてしまう可能性が高いので、無理やり触れないようにしましょう。
嫌がる7つのタイミング
- 怒っている時
猫が怒っている時・警戒している時・威嚇している時は、触れると危険です - 不安を感じている時
なにか異変を感じ取り、静かな暗い場所で身を潜めている時はそっとしておいてあげましょう - 興奮状態の時
おもちゃで遊んでいる時は興奮状態なので、触れないようにしましょう - 寝ている時
睡眠中は猫にとって大切な時間なので、邪魔されると怒ってしまいます - 食事中の時
猫は食事の時は集中しているので、邪魔されると怒って食べるのを辞めてしまう場合があります
食べている最中は遠くから見守っておきましょう - 排泄している時
トイレは猫にとって安心できる場所なので、近寄って凝視すると落ち着かなくなってしまいます - 毛づくろいしている時
綺麗好きな猫は、せっかく毛づくろいした綺麗な毛並みを、乱されることを嫌います。
毛づくろいしている時はそっと見守ってあげる方がいいでしょう。
猫がこのサインを出したら辞め時!
猫を撫でている時、猫は今まで嬉しそうにしていたのに、急に「ガブッ」と噛まれたり、足でキックされたことはありませんか?
筆者も愛猫を撫でていると、急に噛まれたことがあるので、きっと、猫を飼っている多くの方が経験されていることだと思います。
猫が撫でられて喜ぶ箇所は、急所である場合が多いので「リラックスしすぎるのは危険だ!」と本能的に、蹴ったり噛んだりしてしまうのです。
そこで、ここからは「猫が撫でるのをやめてほしい時に出す2つのサイン」を紹介します!
2つのサイン
- 尻尾を揺らす
猫が撫でられてご機嫌な時には、尻尾を「ゆらゆら」していますが、ムチのように「パン!」と叩くような仕草になったらやめ時です - 伸びをする
猫がお腹を出して伸びをしている時、お腹を触ると急所を守るために本能的に「猫キック」をしてくる時があるので、様子を伺いながら撫でましょう
基本的に猫は長時間じっとしていることが苦手なので、猫が少しでも嫌がる素振りを見せたら、手を離しましょう!
たくさんコミュニケーションをとって愛猫との絆を深めましょう!
おさらい
- 猫のゴロゴロ音には5つの理由がある
- 猫を撫でる時は怖がらせないように後ろや横から近づく
- 自分が飼っている猫ではない場合は猫が近寄ってくるのを待つ
猫と信頼関係を深めるためには、たくさんのコミュニケーションをとることが大切です。
今回紹介した「猫の撫で方」などを参考にして、愛猫のお気に入りの撫で方を探してみることをおすすめします。
猫のペースに合わせた接し方を考え、少しずつ距離を縮めていき、猫との共同生活を楽しみましょう。