ベンガルは、小さなヒョウのような「ワイルドでスタイリッシュ」な見た目をしている猫種です。
そんな野性味溢れる見た目から「怖そう」というイメージを持っている方も多いでしょう。
しかし、ベンガルは見た目とは裏腹に、実はかわいらしい性格の持ち主でもあります。
今回は、そんなベンガルの「性格・特徴・飼育方法」について詳しく紹介していきます。
この記事を読んでわかるポイント
- ベンガルの歴史や体の特徴がわかる
- ベンガルの被毛カラーと模様がわかる
- ベンガルの性格や飼育方法がわかる
- ベンガルがかかりやすい病気がわかる
【Contents】
ベンガルの特徴
ワイルドな見た目から「やんちゃ」な印象を受ける方も多い「ベンガル」ですが、一体どんな猫なのでしょうか?
ここからは、ベンガルの「歴史」や「体の特徴」について紹介していきます。
ベンガルの歴史
ベンガルは「イエネコ」と「ベンガルヤマネコ」を掛け合わせられて誕生した猫種です。
この2匹を交配させた1つ目の理由は、元々猫の白血病の免疫を持っていた「ベンガルヤマネコ」からワクチンを作るための白血病の研究。
そして、2つ目は毛皮を狙う密漁業者によって減少傾向にあった「ベンガルヤマネコを保護する」という2つの目的から始まりました。
当時は、ベンガルヤマネコの野性味が強く残っていましたが、イエネコや他の猫種との交配を繰り返し、現在のような綺麗でかわいい姿になりました。
体の特徴
野生の血を引き継いでいるベンガルは、ボディが長く筋肉質でしっかりとしており、一般の猫より一回り大きい「大型タイプ」の猫種です。
しかし、大型タイプといっても室内で飼育できるサイズであることが、ベンガルの人気理由の1つでしょう。
大きな体の割に頭は小さく、綺麗なアーモンドアイに鼻筋が通った小さな鼻が魅力です。
ベンガルの大きさ
体長 | 55cm~58cm |
オスの体重 | 5㎏~8㎏ |
メスの体重 | 3㎏~5㎏ |
ベンガルの被毛の色と模様
ベンガルの被毛は短毛~中毛の長さで「シルク」のような触り心地がいい毛質です。
さらに、被毛のカラー・模様がとても綺麗なので、多くの猫好きの方を魅了しています。
ここからは、そんなベンガルの「被毛の色と模様の種類」について紹介していきます。
ベンガルの被毛の色
ベンガルの被毛には「ブラウン」「シルバー」「スノー」の3種類あります。
ブラウン
「ベンガル」と聞いて、ほとんどの方が想像する被毛のカラーで1番目にする機会も多いでしょう。
ブラウンの色味は、小麦色のような少し明るめの色から、オレンジが少し混じった深みがあるような色など「濃淡のパターン」がたくさんあります。
濃淡によってそれぞれの魅力があり、外見の印象もガラっと変わるので、自分好みの1匹を迎えいれましょう!
シルバー
2004年にスタンダードカラーに登録された「シルバー」は、ブラウンより希少価値が高い猫種です。
シルバーにヒョウ柄の模様がとても美しく「キリッ」としたクールな印象を与えます。
スノー
スノーは3色の中で1番珍しいカラーなので、ペットショップなどで見かけることはほとんどありません。
スノーは「ユキヒョウ」に似た柄をしているので「スノーベンガル」とも呼ばれることがあります。
とても珍しいカラーなので、もしどこかで出会うことができたらラッキーです!
被毛の模様
「ベンガル=ヒョウ柄」とイメージする方も多いですが、実はその模様だけではありません。
ここからは、3種類の模様「スポット」「ロゼット」「マーブル」について紹介していきます。
スポット
スポットは、単色の斑点が体全体に模様として散りばめられており、ヒョウ柄の斑点は全て同じ色の単色。
ペットショップなどでよく見かける模様は「スッポト」が多く、1番目にする機会が多い模様です。
ロゼット
ロゼットは上記の画像のように「濃い色と薄い色の2色以上のカラー」から成り立っているヒョウ柄模様です。
まるで「バラ」の模様が被毛に描かれていることから「ロゼット」という名前がつけられました。
とても美しく、2色以上のカラーから構成されることで、より綺麗に「ヒョウ柄」が描かれています。
スポットと見分けるのが難しいですが、ヒョウ柄や斑点が単色であれば「スポット」ヒョウ柄や斑点が2色以上の模様は「ロゼット」と覚えておきましょう!
マーブル
マーブルは被毛の模様が混ざり合っているような柄で、ベンガルの中でも珍しい模様です。
スポットやロゼットのような「斑点」模様ではなく、波紋を描いたような模様になっています。
ベンガルの性格の傾向
ベンガルはヤマネコと交配しているので「凶暴・やんちゃ」というイメージを持っている方が多いでしょう。
しかし、ベンガルは意外にも可愛い性格をしているので「飼いやすい猫」だといわれることもあります。
ここからは、そんな「ベンガルの性格」について紹介していきます。
甘えん坊で社交性がある
クールな見た目から少し怖そうな印象を受けるベンガルですが、実はとても「甘えん坊」で可愛い性格をしています。
また、小さい子や他のペットにも優しく接することができ、社交性があるのでとても飼いやすい猫種だといえるでしょう。
とくに「オス猫」の方が甘えん坊な傾向があるので、いつも一緒にいたいと考えている方は「オス猫」を選ぶことをおすすめします。
あまり「水」を嫌がらない
祖先の「ベンガルヤマネコ」が水に濡れても平気だったことから「ベンガル」も水を嫌がらない傾向にあります。
個体差はありますが、水浴びや水遊びが好きな子も多いので、シャンプーをする時も大人しくしてくれているのでスムーズに行えるでしょう!
ストレスを溜めやすい
ベンガルは周りの環境の敏感に反応してしまうので、ストレスを溜めやすい傾向にあります。
ストレスを溜めないようにするには、たくさん運動をさせ、快適に過ごせる生活環境を整えてあげることが大切です。
たくさん喋ってくれる
猫は自分の欲求を伝えるために、飼い主さんの目を見て「ニャー」と鳴くことがあります。
とくに、ベンガルは飼い主の目を見て鳴くことが多いので、お話をしているような感覚にさせてくれます。
かわいい声でたくさんお話をしてくれるので、愛着が湧きやすく、いっぱい構ってあげたくなるでしょう。
ベンガルに必要な1日の食事量
猫が健康に長生きするには「質のいい食事」がとても重要になります。
そのため、飼い猫の「年齢・体重」に合った適量を理解し、食事管理を徹底しましょう。
ここからは「子猫期・成猫」に必要な1日の食事量を紹介していきます。
子猫に必要な1日の食事量
ベンガルの子猫は、体を大きく成長させるために多くのエネルギーを必要とします。
成猫に成長した時に、大きく筋肉質な体型になれるかどうかは、この子猫期に食べた食事内容によって決まります。
子猫期は活発に運動をするため、少々食べすぎても太ることはないので、大きな体に成長させるために多くの食事を食べさせましょう!
子猫に必要な1日の食事量は以下のとおりです。
猫の年齢 | 体重1㎏に対して必要なカロリー |
8週齢 | 260kcal |
14週齢 | 200kcal |
20週齢 | 150kcal |
40週齢 | 100kcal |
52週齢 | 80kcal |
子猫は胃が小さく、消化機能もまだ発達してないので「1日3回~5回」に分けて与えましょう!
また、お腹が空いた時にすぐ食べられるように、常にお皿の中にフードを入れておくのもおすすめです。
成猫期
成猫のベンガルには「体重と運動量」に適した食事量を与えるようにしましょう。
この時期は、太りやすい時期なので「与えすぎ」には注意が必要です。
成猫に必要な1日の食事量は以下のとおりです。
運動量・猫の状態 | 体重1㎏に対して必要なカロリー |
運動をあまりしない猫 | 70kcal |
標準的な猫 | 80kcal |
活発な猫 | 85kcal |
妊娠している猫 | 100kcal |
授乳している猫 | 250kcal |
引用:ベンガルの年齢別のフードの与え方、回数や量、カロリーを解説します | ペットタイムズ (pettimes.jp)
ベンガルの平均体重は「3㎏~8㎏」なので、1日に必要なカロリーは標準的な猫で「240kcal~640kcal」になります。
成猫は消化する働きも安定しているので「1日2~3回」決まった時間に与えるようにしましょう!
ベンガルの人間換算年齢・平均寿命
ベンガルの平均寿命は「約14年」なので、他の猫種と比べてもそれほど大差はありません。
寿命には個体差がありますが、質のいい食事を与え、適度に運動をさせることで「長生き」してくれる猫も多くいます。
ベンガルの人間換算年齢
ベンガルと一緒に生活していると「この子は人間でいうと何歳くらいなんだろう?」と気になったことはありませんか?
以下の表に照らし合わせて、飼い猫は人間の何歳にあたるのかを考えてみましょう!
ベンガルの年齢 | 人間の年齢 | 特徴 |
生後10日 | 生後1ヶ月 | 生まれたてなので目が開いていない |
生後2週間 | 生後6ヶ月 | 目が開くようになる |
生後1ヶ月 | 1歳 | 少しずつ歩けるようになり乳歯が生える |
生後2ヶ月 | 3歳 | 乳離れする |
生後3ヶ月 | 5歳 | 動きが機敏になる |
生後6ヶ月 | 10歳 | 発情期を迎える |
生後7ヶ月 | 12歳 | 永久歯が生えてくる |
1歳 | 15歳 | 成長がストップする |
2歳【少年期】 | 24歳 | 発情が盛んになる |
5歳 | 36歳 | 歯の先端が丸みを帯びる |
6歳 | 40歳 | 白髪が生えてくる |
7歳【シニア期】 | 44歳 | 太りやすい時期なので肥満に注意 |
9歳 | 52歳 | 体が衰え始める |
10歳 | 56歳 | 歯が抜け始める |
12歳 | 64歳 | 老化によって病気にかかりやすくなる |
14歳 | 72歳 | 白内障などになりやすくなる |
16歳 | 80歳 | 認知症が出始める |
引用:ベンガルってどんな猫?特徴や性格、模様の種類など | ねこちゃんホンポ (nekochan.jp)
ベンガルがかかりやすい病気・怪我
ここからは、ベンガルを飼うにあたって知っておくべき「ベンガルがかかりやすい病気・怪我」についてお話していきます。
ベンガルに限らず、健康に長生きするためには「早期発見・早期治療」がとても重要なので、異変を感じたら早急に動物病院を受診しましょう。
ピルビン酸キナーゼ欠損症
ピルビン酸キナーゼ欠損症とは「遺伝性疾患」で、ピルビン酸キナーゼという酵素が欠損することにより、赤血球が破壊され「貧血」を引き起こす病気です。
生後2ヶ月~3ヶ月齢以降に慢性的な貧血がみられますが、猫は慢性的な貧血症状に身体が慣れてしまっているので「無症状」の場合が多いでしょう。
症状
- 断続的におこる軽い貧血症状
- 倦怠感
- 食欲不振
予防策
ピルビン酸キナーゼ欠損症は遺伝性疾患なので、予防策などはありませんが「遺伝子検査」をすれば病気を持っているかどうかを確かめることができます。
また、命に関わるほどの「重症化」する可能性は極めて低いですが、悪化してしまう前に獣医師さんに相談しましょう。
角膜炎
角膜とは「黒目」にあたる部分のことをいい、細菌やウイルスからの侵入を守ったり「レンズ」の役割をしています。
角膜炎とは、角膜に炎症を起こしている状態のことで「ケガ・細菌・ウイルス感染・アレルギー」によって引き起こされます。
活発でよく室内を走り回る習慣があるので、どこかにぶつかって目に外傷を負ってしまうことが多いようです。
症状
- まばたきをすることが増える
- 激しい目の痛み
- 目を掻いたり気にするようになる
- 涙が流れる
- 瞳が濁ってくる
予防策
ベンガルは活発なので、怪我をしないように家具にクッションなどをつけて保護をしましょう。
また、自分の爪で瞳を傷つけてしまわないように、こまめに爪を切るようにしてください!
爪切りの方法を紹介している記事はこちら
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皮膚疾患
ベンガルに限らず、猫は「皮膚疾患」になりやすい傾向にあり「アレルギー・内部刺激・感染症」などにより「皮膚疾患」を引き起こします。
さまざまな原因によって引き起こされるので特定は難しいので、悪化する前に動物病院を受診しましょう!
症状
- 発疹や脱毛
- 体を痒がったり擦り付けている
- 赤くなったり腫れている
予防策
毛づくろいを頻繁に行っていたり、体を気にしているような素振りをしている時は、皮膚が荒れていないかを確認しましょう。
肌が荒れていた場合、そのまま放置してしまうと悪化してしまうので、早急に動物病院を受診し塗り薬や内服薬を処方してもらってください!
ベンガルの飼育方法
他の猫種に比べて元気で活発なベンガルは、高い場所に上ったり水遊びをしたり動きまわることが大好きです。
そんなベンガルと、一緒に生活をするうえで「気を付けたいポイント」や「飼育方法」などを紹介していきます♪
部屋の環境づくり
ベンガルは野生の血を引き継いでいるので、とてもパワフルでエネルギッシュな猫種です。
そのため、部屋の中には上って遊ぶことができる「キャットタワー」「キャットステップ」を設置するようにしましょう。
また、運動不足でストレスが溜まらないように「猫じゃらし」などを使用して思う存分あそんであげてください!
前述したようにベンガルは水が平気な猫なので、キッチンやトイレの水に手を突っ込んで遊ぶことも・・・
それだけならいいですが、お風呂場に入ってしまうと、誤って湯船に落ちて溺れてしまう危険性があります。
そのため、お風呂のお湯は絶対ためておかない・お風呂のドアは閉めるということを徹底しましょう!
猫のおもちゃを紹介している記事はこちら
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被毛のケア
ベンガルの被毛は短毛でシルクのような毛質なので、他の猫種に比べてお手入れは楽でしょう。
週に1回程度ブラッシングを行い、被毛を綺麗に保ってあげてください♪
食事
ベンガルは運動量が多いので太りやすい体質ではありませんが、去勢・避妊手術をした子は体質が変わり太りやすくなってしまうので「食事内容・量」には配慮してあげましょう!
また、ベンガルは飽き性な一面があるので、いつも同じフードを与え続けていると急に食べなくなることがあります。
そんな時は、他のフードに切り替えてみたり、少し温め風味を引き立たせてから与えるといいでしょう。
ベンガルはこんな人におすすめ!
猫と一緒に生活をしていくには「飼い主さんと猫の相性」がとても大切です。
そこで、ここからは「ベンガルと相性が良さそうな人の特徴」について紹介していきます。
ベンガルと相性が良さそうな人
- たくさん遊んで運動をさせてあげられる人
- 小さい子や他のペットがいる人
- ベンガルと話をしながらコミュニケーションをとってあげられる人
- 活発なベンガルが室内を走っても安全な部屋を作ってあげられる人
野性味溢れる「ベンガル」は魅力がたくさん!
おさらい
- ベンガルは多くの運動量が必要なので、たくさん遊んで運動させる
- お風呂のドアは閉める・湯船にお湯は溜めておかない
- 室内を走り回ってもいいように安全な部屋作りをする
ベンガルの綺麗なヒョウ柄と、引き締まった体はたくさんの人を魅了しています。
見た目によらず、とても賢く甘えん坊な性格なので、初心者の方でも飼いやすい猫種だといえます。
この記事を参考に、自分の好みの「被毛のカラー・模様」をしている特別な1匹を家族に迎え入れましょう!