ペット人気が高いハムスターは体調不良を隠そうとする動物なので「うんちの硬さ・形・色」で健康状態を判断する必要があります。
万が一、ハムスターが下痢を起こし脱水症状になると、最悪の場合死に至るケースも・・・
そのような状況を避けるためにも、日頃からハムスターのうんちを確認して、すぐに異変に気づけるようにしておきましょう。
そこで、この記事では「うんちの色でわかる健康状態」「下痢になる原因と考えられる病気」を徹底解説していきます!
この記事でわかるポイント
- うんちの色別の健康状態がわかる
- ハムスターが下痢をする3つの原因がわかる
- 下痢症状が起こる病気がわかる
【Contents】
ハムスターのうんちの色でわかる健康状態
主にみられるハムスターのうんちの色は「黄色・緑色・濃い黒色・赤色・白色」の5色あり、うんちの色によって身体の状態を理解することができます。
飼っているハムスターのうんちの色と照らし合わせて、健康状態をチェックしてみましょう♪
うんちの色が「黄色」の健康状態
黄色のうんちが出た時は「胃腸の働きが低下」もしくは「弱っている状態」で消化不良を引き起こしている可能性があります。
いつもより「薄い茶色」のようなうんちが出た時も、この黄色のうんちの健康状態と同じです。
うんちの色が「緑色」の健康状態
緑色のうんちが出た時は、黄色のうんちと同じように「胃腸の働きが低下」もしくは「弱っている状態」で消化不良を引き起こしている可能性があります。
また、鉄分を多くとりすぎたり色素の強い食べ物を食べることで、十分に消化しきれず色素がそのままうんちの色になってしまうこともあります。
うんちの色が「濃い黒色」の健康状態
濃い黒色のうんちとは、透明感が一切ない「墨」のような真っ黒な色を指します。
このような色のうんちが出た場合は、便秘・消化器官からの出血の可能性が考えられます。
うんちの色が「赤色」の健康状態
赤色のうんちが出ているのではなく、うんちの周りに血がついて赤く見えている場合は「生殖器」から出血している可能性があります。
大腸の炎症やポリープ・がん・痔などの病気が考えられます。
うんちの色が「白色」の健康状態
白色のうんちがでる原因は、以下の4つの理由があります。
- 乾燥して干からびている
- 腸内細菌のバランスが崩れている
- 内臓疾患による消化不良を起こしている
- 生殖機能からの排泄物・分泌物
腸内バランスが崩れが原因であれば、原因を排除して数日すれば健康状態の便に戻ります。
しかし、内臓疾患の場合は、便の形態やハムスターの様子がいつもと違うことが多いので、早急に動物病院を受診しましょう。
健康状態がよくない時のうんち
前述したように、ハムスターの健康状態は「うんちの色・形・硬さ」で判断することができます。
以下のようなうんちの症状がみられる場合には、健康状態がよくないサインなので、早急に動物病院を受診しましょう。
健康状態がよくない「うんち」の状態
- うんちを指で潰すと簡単に崩れる
(健康なうんちは弾力があります) - 水を多く含み形を留めていない
(健康なうんちは米粒のような形でコロコロしています) - 連なった状態
(健康なうんちは連なることはなく、連なっている場合には寄生虫がいる可能性があります) - うんちの大きさがバラバラ
(健康なうんちの大きさは均等なので、バラバラな場合には便秘・腸内環境が崩れている可能性があります)
ハムスターが下痢になる3つ原因
ハムスターが下痢をしてしまった場合、うんちと一緒に体内の水分が出てしまい「脱水症状」を起こす可能性があります。
さらに、ハムスターは身体が小さくデリケートなので、下痢をすることによって多くの体力を消費し、そのまま回復できずに死に至る場合も・・・
そんな危険な状態になってしまう可能性がある「下痢」は、どのような原因によって引き起こされるのでしょうか?
ここからは「下痢」になる3つの原因を詳しく紹介していきます。
3つの原因
- 浸透圧性下痢
- 運動亢進性下痢
- 分泌性下痢
1.浸透圧性下痢
浸透圧性下痢は、牛乳・お菓子・油分が多いフードなどを食べることによって引き起こされる下痢です。
腸の中で水分が吸収されにくくなることにより下痢が起こりやすくなるので、食事内容に気を付ける必要があります。
2.運動亢進性下痢
運動亢進性下痢は「運動不足・ストレス・寒い環境での飼育」によってハムスターの血流が悪くなり「下痢」を引き起こします。
下痢の原因を放置しておくと自律神経や腸内細菌のバランスが崩れて、他の病気を引き起こしてしまう可能性があります。
3.分泌性下痢
ペットショップから迎え入れたばかりの「若いハムスター」が下痢や軟便をしている時は「ヘキサミタ」や「トリコモナス」などの寄生虫が感染している可能性が高いです。
脱水症状や栄養失調などで命に関わるケースもあるので、若いハムスターが下痢をしている場合には動物病院で「検便」をしてもらいましょう。
下痢症状が起こる病気
ここからは、ハムスターが下痢をしている場合に考えられる「病気の原因や症状」について紹介していきます。
身体が小さなハムスターにとって「下痢」は命取りになり兼ねないので、異変に気づいたら早急に動物病院を受診しましょう。
ウェットテイル(増殖性回腸炎)
原因 | ストレスを感じている・生活環境の変化・栄養失調 |
症状 |
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健康状態がいいハムスターのうんちは硬さがあり無臭ですが、ウエットテイルになると名前の通り下半身が濡れる程の下痢を引き起こします。
軽度であれば自然に回復する場合もありますが、現在ウエットテイルに効果的な治療法は見つかっていないので、重症の場合には48時間以内に死亡することが多いといわれています。
この病気はゴールデンハムスターや長毛種がなりやすい傾向にあるので、多頭飼いをしている場合他のハムスターに感染してしまう可能性があります。
そのため、できる限り「単独飼い」をするようにしましょう。
脱腸・直腸脱
原因 | 酷い下痢・便秘・老化 |
症状 |
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下痢を繰り返していると、腸がひっくり返って肛門から飛び出してしまうことがあります。
この病気は下痢になりやすい「ゴールデンハムスター」によくみられ、放置して悪化すると数日の間に死んでしまう危険性も・・・
症状が悪化してから手術をした場合、回復に向かう時もありますがその確率はとても低いといわれています。
そのため、ハムスターが下痢をした時は、早急に動物病院を受診するようにしましょう。
食当たり
原因 | 細菌やカビが繁殖した水や餌を食べる |
症状 |
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毒性が強い場合、急死してしまう可能性もあるので水や餌は毎日取り換えるようにしましょう。
また、巣箱に持ち帰った餌も忘れず取り除くようにしてください。
ハムスターが下痢をした時の5つ対処法
ここからは、ハムスターが下痢をした時の5つの対処法について紹介していきます。
大切なハムスターの命を守るためにも、冷静に適切な対処をとれるようにしましょう!
5つの対処法
- 動物病院を受診する
- 水分補給をさせる
- ケージを消毒する
- ケージの中を温める
- 消化のいい餌を与える
1.動物病院を受診する
ハムスターが下痢をした時は、半日の間に命を落としてしまうこともあるので、まずは早急に動物病院を受診してください!
そして、獣医師さんに下痢になる原因を特定してもらい適切な処置を受け、これからの飼育方法の指示を受けましょう。
2.水分補給をさせる
ハムスターは下痢をしたことによって、身体に必要な水分が外に排出されているので「脱水症状」を起こす危険性があります。
そのため、下痢をした後は「水分補給」がとても大切なので、水や甘味料が含まれていない「スポーツドリンク」を少量与えましょう。
3.ケージを消毒する
寄生虫が原因で下痢をしている場合には、ケージに付着したうんちの中に寄生虫が残っている可能性があるので、熱湯で消毒する必要があります。
熱湯を用意して、ケージの中に入っている用具を全て取り出し10分程度付けておきましょう。
そして、消毒が終わったら水気が無くなるまでしっかりと拭き、ハムスターの匂いがついている床材を中に戻して完了です!
4.ケージの中を温める
前述したように、ハムスターはケージの中が寒いと血流が悪くなり「下痢」を引き起こしてしまいます。
体温を調整するために体力を消費していまい身体に負担をかけてしまうので、日頃から適温の「22度~28度」を保つようにしましょう。
5.消化のいい餌を与える
ハムスターは下痢になると体力が落ち、食欲も低下するので体重がどんどん減っていきます。
そのため、体調を回復させるために、大好物な餌をあげて質のいい栄養を摂取させましょう!
与えるものは、ドライ野菜やペレットに加えて「ミルワーム」「茹でたささみ」「にぼし」など、動物性たんぱく質を多く含んでいるものがおすすめです!
食いつきが悪い時は、無添加のハチミツやリンゴをすり下ろしたものをトッピングするなど、餌の内容を工夫しましょう。
point
水分を多く含んだ野菜や果物は避けましょう
動物病院で獣医師さんに伝えるべきこと
動物病院を受診する時は、新鮮なうんちを乾燥しないようにラップに包んで持っていきましょう。
さらに、以下の点を獣医師さんに伝えることで、スムーズに診断を行うことができます。
獣医師さんに伝えるべきこと
- いつから軟便・下痢が始まったか
- 普段の食事内容
- ケージを置いている場所
- 家に迎え入れた時期
- 最後にケージを掃除したのはいつか
日頃からハムスターのうんちの状態を確認しよう!
おさらい
- 健康な状態なうんちは硬くコロコロしていて無臭
- 動物病院を受診する時は「うんち」をラップに包んで持っていく
- ハムスターが下痢をしている場合には、早急に動物病院を受診する
身体が小さくデリケートなハムスターは「下痢」を起こすだけで、命を落してしまう危険性があります。
ハムスターの異変に気づくためには日頃から「うんち」の状態を確認し、健康維持をサポートするために「質のいい食事」を与えることが大切です。
そして、ハムスターが快適にストレスのない生活が送れるように「飼育環境」を整えてあげましょう。