「ねこにまたたび」ということわざがあるように、猫にとってまたたびは大好物です。
猫にまたたびを与えると、興奮状態になり酔っぱらっているような状態になる猫もいます。
普段ツンツンしている猫が、普段しないような行動を見せてくれるのは嬉しいですが、与え方を間違えてしまうと健康に被害を及ぼす可能性があります。
そのため、飼い主さんが猫に適した「頻度・分量・与え方」を理解し、正しく安全に使用することが大切です。
そこで、今回は「またたび」について徹底解説してくので、この記事を参考に「またたび」を上手に活用して、猫の生活を豊かにしてあげましょう♪
【Contents】
またたびとは?
またたびとは、小さな白い花を咲かせる「マタタビ科マタタビ属のつる植物」のことをいいます。
別名「夏梅」とも呼ばれており、日本では山地などに多く自生しているので、それほど珍しいものではありません。
ここからは「またたびの成分や効き目」について詳しく紹介していきます。
またたびの成分
またたびには「β-フェニルエチルアルコール」「マタタビラクトン」「アクチニジン」という成分が含まれています。
上記の3つの成分によって、猫は興奮状態になりメロメロになってしまうのです。
ここからは「β-フェニルエチルアルコール」「マタタビラクトン」「アクチニジン」とは、一体どんな効果をもたらす成分なのかを解説していきます。
β-フェニルエチルアルコール
β-フェニルエチルアルコールには、バラの香り成分が含まれているので「芳香剤」にも使用されています。
さらに、β-フェニルエチルアルコールには「よだれを垂らすように促す成分」が含まれており、またたびを与えると猫がよだれを垂らすのは、この成分が関係しています。
マタタビラクトン・アクチニジン
マタタビラクトン・アクチニジンには、猫を興奮させる成分が含まれています。
この2つの成分を猫が摂取すると「中枢神経」が麻痺状態にるので、人間でいう「酔っぱらっている状態」です。
またたびを与えると、猫がフラフラしたり興奮するのは、この2つの成分が大きく関係しています。
またたびは人間にも効果がある
実は「またたび」は猫だけではなく、人間の薬の原料として使用されることもあります。
人間に与える効果
またたびの効き目は猫によって異なる
またたびは、フェロモンを感じ取る器官を刺激するので、猫が興奮状態になります。
そのため、まだ身体が未熟な子猫や発情期を迎えていないメス猫に、またたびを与えても反応は薄いです。
人間が同じお酒を飲んでも「酔いやすい人・酔いにくい人」がいるように、猫にも「またたびの効き目が強い猫・弱い猫」があるようです。
またたびを与えることで起こる症状
猫にまたたびを与えた時に、急にいつもと違う様子になるとビックリしてしまう方も多いでしょう。
またたびの効き目や引き起こされる症状は猫によって異なりますが、またたびを与えることで、よくみられる猫の症状は以下のとおりです。
よくみられる症状
- よだれを垂らす
- 酔っぱらったようにフラフラする
- 興奮して駆け回る
- 一心不乱に爪とぎをする
- ゴロゴロ寝転がる
- 全身を地面に擦り付ける
- 色んなところに顔をゴツンとぶつける
- 大声で鳴く
- 目がトロンとしている
またたびの与え方
またたびを与えすぎてしまうと、健康に影響を与える可能性があるので、正しい「頻度・分量・与え方」を理解することが大切です。
飼っている猫の様子を見ながら、まずは少量ずつ与えるところから始めましょう♪
対象年齢
体内の器官が十分に発達していない未熟な「幼猫」には刺激が強すぎるので「生後6ヶ月~1才以降」から与えましょう。
また、シニア猫や心臓に疾患がある猫は健康に害を及ぼす可能性があるので、獣医師さんに相談してから使用することをおすすめします。
point
市販で売られている物には「推奨年齢」が記載されている物が多いので確認してから使用しましょう
与える分量
まずは、またたびの匂いを嗅がせるところから始めましょう!
平均体重の成猫の場合は、1回に与える量は「約0.5g」耳かき半量〜1杯分程度が適量だといわれています。
point
商品によっても適量は異なるので、パッケージに記載されている分量を確認してから使用するようにしましょう
与える頻度
与える頻度は多くても「1週間に2回まで」にしましょう!
毎日与えてしまうと効果が薄れてしまうので「しつけ」「ご褒美」の時などに与えと効果的です。
与え方
またたびの与え方には「嗅がせる」「舐める」「食べる」方法があります。
またたびを「嗅ぐ」方法の特徴は、刺激は弱いけれど持続性が長い。
反対に「舐める」「食べる」方法の特徴は、刺激は強いけれど持続性が短いといわれています。
猫に合った「またたびの種類」を選びましょう♪
またたびの上手な使い方
またたびは使い方次第によって、猫にとっていい効果が期待できるでしょう。
またたびを使用することで「期待できる5つの効果」は以下のとおりです。
期待できる効果
- 食欲増進
- 新しいグッズに慣れさせる
- ストレス・運動不足解消
- 喧嘩の仲裁
- 老化防止
1.食欲増進
猫がフードに飽きた時や食欲がない時に、またたびの粉末を振りかけることで、猫の食いつきがよくなります。
しかし、猫の食欲不振には病気が原因の可能性もあるので、まずは原因を調べましょう。
他の症状がみられず、病気の心配がないことが分かってから「またたび」を使用することをおすすめします。
2.新しいグッズに慣れさせる
猫は警戒心が強い動物なので、新しいおもちゃやグッズに慣れるまでに時間がかかります。
そんな時はまたたびを少し拭きかけることで、またたびの匂いにつられ、そのままおもちゃなどで遊んでくれることがあります。
1度おもちゃやグッズに触れることができると警戒心も弱くなるので、1度試してみてはいかがでしょうか?
3.ストレス・運動不足解消
猫とおもちゃで遊ぶことは「ストレス・運動不足の解消」になります。
しかし、猫は気分屋のマイペースなので、気分が乗らない時には遊びたがりません。
そんな時、おもちゃにまたたびを拭きかけると、興奮して運動量が上がり、気分よく遊んでくれる場合があります。
また、知育玩具の中に固形のまたたびを入れて、1人遊びをさせる方法もおすすめ♪
おすすめの猫用おもちゃを知りたいという方は以下の記事を参考にしてください!
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4.喧嘩の仲裁
猫を多頭飼いしている家庭では、猫同士の縄張り争いによる喧嘩のシーンをよく見かけるでしょう。
そんな猫同士の喧嘩の最中に、猫タワーやおもちゃなどに「またたびスプレー」を拭きかけると、猫の気をそらすことができます。
そのまま、またたびに夢中になり、喧嘩のことなど忘れてしまうでしょう。
5.老化防止
「物をかじる」という行為は老化防止に繋がるといわれています。
そのため、またたびの木やまたたびが入っているおもちゃを使用することで、老化防止の効果が期待できます。
しかし、シニア猫の歯は弱っているので、硬すぎるものは与えないように気を付けましょう!
またたびで起こる中毒症状や体への影響
不適切な量のまたたびを与えることで、猫の健康に悪影響を及ぼす場合があります。
そこで、ここからは「またたびを与えすぎることで引き起こされる3つの症状」について紹介していきます。
引き起こされる症状
- 呼吸困難
- アレルギー反応
- 心臓への負担
呼吸困難
またたびを摂取したことにより「呼吸困難」に陥ったという話をよく聞きます。
しかし、またたびの成分で呼吸数が変化することはなく、与えすぎることによる「中毒性」もないといわれています。
ただし、またたびを摂取したことにより、興奮状態で走りまわってどこかに頭をぶつけたり、粉末状のまたたびが喉に詰まった場合には呼吸困難に陥る場合があります。
アレルギー反応
「またたび」に対して、アレルギー反応を示す猫がいます。
直接食べたり舐めたりしなくても臭いを嗅ぐだけで、皮膚に痒みや湿疹・下痢・嘔吐の症状を引き起こしてしまう可能性があります。
アレルギーの症状は猫の個体差によって違います
そのため、猫に少しでも異変を感じたら与えるのを中断して、早急に動物病院を受診しましょう!
心臓への負担
またたびを摂取することにより、猫の中枢神経に作用されることはありますが、中毒症状や心臓に直接負担をかけることはないといわれています。
猫にまたたびを与え反応を試す実験では、少しの血圧低下はありましたが、血圧が上昇することはなかったようです。
しかし、体が衰え始めているシニア猫や心臓に疾患がある猫にまたたびを与えると、興奮状態になることにより体に影響がでる場合があるので注意が必要。
またたびの種類
またたびの種類には「粉末タイプ」「液体タイプ」「またたびの実」「またたびの枝」「またたびの葉」があります。
ここからは、効き目の強い順とそれぞれの特徴を紹介していきます♪
この記事を参考にしながら、飼っている猫に合った「またたび」を選びましょう!
効き目が強い順番
- 粉末タイプ
- 液体タイプ
- またたびの実
- またたびの枝
- またたびの葉
1位.粉末タイプ
ペットショップやホームセンターでよく見かけるのが「粉末タイプ」
粉末タイプのまたたびは「爪とぎ」に付属されていることも多く、爪とぎの場所を覚えさすために利用されることが多いです。
また、食欲不振の時などに「粉末タイプ」を少し振りかけることで、食いつきがよくなる場合もあります。
粉末タイプのまたたびは1番効き目が強いので、1番使いやすい「またたび」だといえるでしょう。
2位.液体タイプ
「液体タイプ」はまたたびのエキスを抽出して作られています。
使用方法は粉末タイプと同じですが、液体タイプは水分が蒸発してしまうと効果が薄まってしまいます。
そのため、しつけ目的で使用する場合には、繰り返しスプレーを拭きかける必要があります。
3位.またたびの実
またたびの実は、乾燥している状態で販売されています。
そのため、そのままの状態で猫に与えてしまうと喉を詰まらせたり、口の中を傷つけてしまう可能性があります。
猫にまたたびの実を与える時は、包丁やハサミで細かく切ってからあげるようにしましょう。
またたびの実の効果は「ほんのり気持ちよくなる程度」だといわれています。
4位.またたびの枝
またたびの枝は「粉末タイプ」「液体タイプ」に比べて効果が薄いといわれています。
そのため、猫によっては興味を示さない場合もあるようです。
しかし、おもちゃ代わりに使用でき、ストレス発散にもなるので1度試してみるのもいいでしょう♪
5位.またたびの葉
またたびの葉は乾燥された状態で販売されています。
フードに振りかけたり、おやつ代わりに与えられることが多い。
効き目は紹介した中で1番弱いので、猫によっては反応を示さない場合もあるでしょう。
またたびを上手に活用しよう!
おさらい
- 与えすぎると健康に害を及ぼすので注意が必要
- またたびを与える頻度は「1週間に2回まで」にする
- 子猫・心臓に疾患がある猫には与えない
猫の大好物のまたたびは、上手に活用することで猫にとって最高のご褒美になります。
上手に活用するためには、飼い主さんが猫に適した「与える量・与える頻度・与え方」を理解することが大切です。
この記事を参考にしながら、猫の生活を豊かにしてあげましょう♪