猫のコラム 猫の知識

なぜ猫同士で喧嘩するの?喧嘩の理由と仲裁の方法を詳しく紹介!

2021年2月28日

飼い猫が喧嘩をしている場面を見ると、普段と違う猫の様子に戸惑い「どうすればいいのか分からない」という方も少なくないはず。

猫はじゃれ合っているだけの時と、猫同士が大怪我を負ってしまうほどの「本気の喧嘩」をしている時があります。

そのため、飼い主さんがしっかりと見極め、危険な状況になってしまった時には、猫を守るために仲裁しなければなりません。

そこで、この記事では「猫が喧嘩をする原因・仲裁方法」「じゃれ合いと喧嘩の見極め方」について紹介していきます。

この記事を読んでわかるポイント

  • 猫が喧嘩をする原因がわかる
  • 猫が喧嘩をしている時の仲裁方法がわかる
  • 猫が怪我を負ってしまった場合の対処法がわかる
  • じゃれ合いと喧嘩の見極め方がわかる

猫同士で喧嘩が勃発する原因とは?

猫2匹喧嘩

猫同士が喧嘩をする理由には「猫の習性・性格」が大きく関係しているといわれています。

ここからは、猫の喧嘩が勃発する主な原因を3つ紹介していきます。

縄張り争いによる喧嘩

室内飼いの場合

猫を室内で飼育している場合、縄張り争いが原因で喧嘩に発展することは滅多にありません。

室内には「安全な寝床・餌・水」などが十分に用意されているので、縄張り争いをする必要がないのです。

しかし、猫は「トイレ」に対するテリトリー意識がとても強いので、トイレは分けてあげるといいでしょう。

猫はとてもデリケートで綺麗好きなので、他の猫が自分の縄張りトイレを汚してしまうと、ストレスが溜まり喧嘩に発展する場合があります。

そのため、トイレの数は飼育している猫の数か、それより少し多めに設置してあげるといいでしょう!

外飼いの場合

外に出る猫は、野良猫の縄張り争いに巻き込まれる可能性があります。

野良猫は生きるために「縄張り」を守っているので、縄張りだと知らずに侵入してきた猫にも激しく攻撃します。

そのため、家の付近に野良猫が多いのであれば、外に出さないように注意しましょう。

子孫を残すために「メス猫」を争う

猫は「春・秋」の年2回、メス猫が特有のフェロモンを出してオス猫を誘惑し、複数のオス猫を引き寄せます。

しかし、メス猫の誘惑に乗るには順番があり、その順番を決めるためにオス猫同士で争います。

競い合う手段は「鳴き合い」といって、大きな声を出して強いところをアピールすることが勝利への鍵だといわれています。

そして、競い合って1番強いと証明されたオス猫はメス猫と交尾することができ、子孫を繁栄することができます。

子猫はじゃれ合いをして「喧嘩のルール」を学ぶ

子猫の時期は、兄弟とじゃれ合うことで「狩り・交尾の動き・反撃・降参」の仕方を学びます。

また「この力加減で噛むと痛い」「パンチする時は爪を引っ込める」など、じゃれ合う時の力加減も習得しています。

そのような場面を飼い主さんが見ると、子猫同士が喧嘩しているように見えるので、ビックリしてしまうでしょう。

しかし、子猫からすると「喧嘩ごっこ」をしながら、さまざまなことを勉強しているのです。

また、子猫の頃に兄弟と育たなかった猫は、大人になっても力加減が分からず、甘噛みができないということもあります。

そのため、子猫の時期に行う「喧嘩ごっこ」は、さまざまなことを学ぶための大事な練習だといえるでしょう。

以下で「喧嘩とじゃれ合いの見分け方」について詳しく紹介していくので、参考にしてください♪

相性が合わない

猫同士の相性が悪いと「喧嘩」に発展してしまうことがあります。

ここからは「相性がいい組み合わせ」「相性が悪い組み合わせ」について紹介するので、多頭飼いしている方は、飼い猫と照らし合わせて考えてみましょう♪

相性がいい組み合わせ

相性がいい猫の組み合わせ
去勢済のオス猫  × 避妊済みのメス猫
親猫 × 子猫
成猫 × 子猫
子猫  × 子猫

相性がいい組み合わせとされていても、猫のペースに合わせずに短期間で慣れさせようとしたり、新しく迎え入れた猫ばかりを構ってしまうと、関係が悪くなる場合があります。

相性が悪い組み合わせ

相性が悪い組み合わせ
オスの成猫 × オスの成猫
メスの成猫 × メスの成猫
高齢猫 × 子猫

成猫のオス猫同士は飼い猫とはいえ、縄張り意識が強いので喧嘩に発展しやすい傾向にあります。

しかし、去勢をしていれば少しは縄張り意識が収まるので、子孫を残すことを考えていないのであれば、早めに去勢することをおすすめします。

また、高齢の猫は静かにのんびり過ごしたいのに、遊び盛りの子猫と一緒に生活していると、疲れやストレスが溜まってしまうため「高齢猫×子猫」の相性は悪いといえます。

そのため、できるだけお互いのペースで生活できる環境を整えてあげることが大切です。

猫の喧嘩のルールと流れ

猫両手あげて喧嘩

猫同士の喧嘩には、猫にしかわからない「共通のルール」があり、ある程度の「喧嘩の流れ」も決まっています。

では、喧嘩の「開始と終了」の合図とは、一体どのようなものでしょうか?

ここからは「喧嘩のルールと流れ」について紹介していきます。

1.相手の猫の体格を見て強さを見極める

猫の世界では、体が大きければ大きいほど喧嘩が強いとされています。

猫は勝ち目のない争いをすることはないので、相手の猫の体格を見て「負けそうだな」と察したら、目を合わせずに喧嘩を回避しようとします。

2.両者が睨み合って激しく威嚇する

お互いの体格を確認し合っても逃げずに喧嘩に発展した場合、まずお互いの目を合わし睨み合います。

同時に背中の毛を逆立てながら「ウ”ー」「シャー」など、普段出さないような大きな声を出しながら激しく威嚇します。

3.猫パンチや噛みつくことにより喧嘩に発展

両者が激しく威嚇し合っても引かなかった場合、どちらかの猫が先制攻撃をします。

首元を狙って噛みつき、猫パンチや猫キックをしながら、激しく揉み合うので、怪我を負うことも多いでしょう。

4.片方が「降参」の合図を出したら喧嘩は終了

片方の猫が喧嘩を中断して逃げ出したり、うずくまって反撃をやめたら「降参」の合図です。

一方が「降参」の合図を出したら、勝者はそれ以上攻撃をせず、静かに立ち去るのが猫会の喧嘩のルール。

1度喧嘩の勝敗が決まれば、基本的には同じ相手同士で喧嘩をすることは二度とありません。

喧嘩途中にグルーミングして休戦する場合も

喧嘩をしている最中に、猫が毛づくろいを始めることがありますが、これは「転移行動」といって、興奮状態を落ち着かせるために行っています。

毛づくろいをしながら「負けそうだな」「どうしようかな」と考えながら、冷静を取り戻そうとしています。

猫の喧嘩を仲裁する方法とは?

猫仲良し

猫同士が喧嘩をしている時、飼い主さんは止めようとして「コラ!」と大きな声を出したり、手を叩いて気を逸らそうとすることが多いでしょう。

しかし、喧嘩に夢中な猫はチラッと飼い主さんを見て、また再開してしまうことが多いです。

では、具体的にどうすれば喧嘩を止めることができるのでしょうか?

ここからは、猫の喧嘩を止めるための「正しい仲裁方法」について解説していきます。

お互いの姿を見えないようにする

猫同士が睨み合っている時は、2匹の間に段ボールや板を立てて置き、お互いの顔を遮るようにしましょう。

万が一、喧嘩を再開したとしても、この作業を繰り返し行うことで闘争心がおさまり、少しずつ落ち着きを取り戻します。

また、喧嘩中の猫を引き剝がそうと、飼い主さんが手を出してしまうと怪我をしてしまう可能性があるので、普段から猫の爪は切っておくようにしましょう!

以下の記事では「猫の爪の切り方」について、詳しく紹介しているので参考にしてみてはいかがでしょうか?

猫の爪切り
参考記事はこちら猫が爪切りを嫌がらないコツとは?爪切りの頻度と手順を徹底解説!

野生の猫は、獲物を狩りしたり木登りしている間に、爪が短く削られていきます。 しかし、室内で飼育されている猫は、飼い主さんが定期的に爪を短く切らなければ、伸びっぱなしの状態になります。 そのまま放置して ...

続きを見る

霧吹きやおもちゃを見せて気をそらす

喧嘩を止めようと無理に手を出してしまうと、飼い主さんが怪我をしてしまう可能性があるので、おもちゃで気を逸らす方法も有効的です。

室内で飼育している猫同士の喧嘩の原因は些細なことが多いので、飼い主さんも猫と一緒にじゃれ合うような形で遊びながら気分が変わるのを待ちましょう!

また、おもちゃの代わりに「霧吹き」を使用するのもおすすめです。

霧吹きの水を拭きかけることで猫はビックリして喧嘩を中断しますが、頻度に行うと慣れてきてしまい効果が無くなります。

そのため「霧吹き」を使用するのは、ヒートアップしてどうしようもない時の必殺技として使いましょう!

以下の記事では「猫のおもちゃ」について詳しく紹介してるので参考にしてみてはいかがでしょうか?

猫掃除の邪魔をする
参考【愛猫の快適な暮らしのために】おすすめ猫グッズをジャンル別に紹介

大切な家族の愛猫には「快適な暮らしをさせてあげたい!」という飼い主さんも多いのではないでしょうか? 筆者も6歳の猫を飼っており「猫じゃらし」や「猫用ベッド」など、さまざまな猫グッズを購入しました。 そ ...

続きを見る

落ち着くまで別々の部屋に分ける

猫同士で喧嘩をしている時の「睨み合い・威嚇」などは、猫にとって大きなストレスになります。

そのため、闘争心が落ち着くまでは部屋を別々にして、少し様子をみる必要があります。

また、前述したように、猫にも「相性がいい・悪い」があるので、どうしてもすぐに喧嘩してしまうようなら、別々の部屋で飼育することも検討しましょう。

弱い方の猫を助ける

後から家族になった猫・身体が小さな猫・気の弱い猫は、喧嘩のターゲットにされることが多いです。

そのため、喧嘩を止めるために猫を引き離す時には「弱い方の猫」を抱っこしてあげるようにしましょう。

しかし、過度に撫でて構いすぎてしまうと、強い方の猫が「あいつばっかりズルイ!」と、さらに反感をかってしまう場合があるので注意が必要です。

身体が小さく喧嘩の標的にされやすい猫には、家の中に逃げ場を確保して、落ち着いて生活できる環境を整えてあげましょう!

野良猫と喧嘩した場合に移される可能性があるウイルス

猫 喧嘩 子猫

飼い猫同士の喧嘩は「じゃれ合いの延長戦」の場合が多いので、怪我を負うほどでなければ、そのまま様子を観察しておきましょう。

しかし、飼い猫が外の野良猫と喧嘩をしている場合は要注意です!

野良猫は何らかのウイルスをもっている可能性が高いので、喧嘩をすることによって、そのウイルスを移されることが多くあります。

ウイルスが感染すると、最悪の場合「死に至る」ケースもあるので、野良猫と喧嘩になりそうな時にはすぐに引き離しましょう。

ここからは、野良猫に移される可能性があるウイルスについて紹介していきます。

細菌性感染症

細菌性感染症とは、野良猫に噛みつかれた傷口から細菌が入り込むことにより感染する病気。

噛まれた箇所が赤く腫れて膿が溜まる「膿瘍」「蜂窩織炎」を引き起こされる場合があります。

症状が悪化してしまうと、膿が溜まり続けることで皮膚を破り、身体の一部が壊死する危険性もあるので注意が必要です。

ウイルス感染症

野良猫に噛まれると「猫白血病ウイルス感染症」「猫エイズウイルス感染症」にかかるリスクが高いといわれています。

上記の2つの感染症は、1度感染すると完治が難しいとわれており、完璧な予防策はまだ発見されていません。

とくに「猫エイズウイルス感染症」は、発症すると短期間のうちに死亡してしまう可能性がある、とても怖い感染症です。

そのため、万が一、飼い猫と野良猫が喧嘩している時はすぐに仲裁に入り止める必要があります。

猫の喧嘩を止めようとして、飼い主さんが手を出してしまうと怪我を負ってしまう可能性があるので、猫の気を逸らす方法を見つけましょう。

喧嘩で怪我をしてしまった場合

猫 病院 手当

喧嘩がヒートアップすると、猫同士が怪我を負ってしまうこともしばしば。

そのため、喧嘩がおさまったら「怪我」をしていないか念入りにチェックするようにしましょう。

小さな傷であっても、そこから細菌が入り込み悪化してしまう場合もあります。

怪我・出血をしている場合には、以下の手順を参考に適切な処置を行いましょう!

1.怪我の程度を確認

喧嘩直後の猫は、興奮状態がおさまらず落ち着きがない状態です。

そのため、怪我の有無を確認する時は、猫が平常心に戻り落ち着きを取り戻してから行うようにしましょう。

また、猫が怪我をしている場合、身体に触ろうとすると暴れて爪を出してしまう場合があるので危険です。

安全に確認するためには「目の粗い洗濯ネット」などに入れてから行うといいでしょう。

確認する箇所

怪我をしやすい顔回り・お尻付近などを毛をかき分けながら確認しましょう

2.傷口を綺麗に洗って消毒する

出血している傷口を見つけたら悪化しないように、適切な応急処置を行う必要があります。

まずは、ぬるま湯で傷口を洗い流し、血や汚れを優しく痛くない程度に拭いてあげましょう。

清潔な状態になったら「猫用消毒液」で傷を消毒し、菌が繁殖しないようにしてください。

目の周りに傷口がある場合には、無理に消毒をせずに、ぬるま湯に濡らしたガーゼで目の周りを拭いてあげましょう。

3.止血する

傷口を消毒し清潔な状態にしたら、ガーゼで抑えて止血します。

手足に怪我を負っている場合には、ガーゼの上から以下のこと参考に包帯を巻くといいでしょう。

(出血が多い時は、少しきつめに巻くといいでしょう)

包帯の巻き方

【鮮紅血】動脈から出血している場合は、傷口より心臓に近い部分に包帯を強く巻いて固定する
【暗紅血】静脈から出血している場合は、傷口部分をしっかりと包帯で巻く

顔回りを怪我した場合には、エリザベスカラーをつけて、猫が傷口を舐めたりしないようにしましょう!

4.動物病院で適切な処置をしてもらう

上記の処置を行っても「出血が止まらない」「猫が暴れて応急処置ができない」「怪我が悪化してきた」場合には、動物病院を受診しましょう。

喧嘩をした相手の猫が野良猫の可能性がある場合には、必ず獣医師さんに伝えてください。

「じゃれあい」と「喧嘩」を見分ける5つのポイント

子猫のじゃれ合い

猫同士が噛みついて揉みあっている場面を見かけると「喧嘩をしている!?」と不安に感じてしまう飼い主さんも多いでしょう。

しかし、それは喧嘩ではなく「じゃれ合っている」だけかもしれません。

猫の安全を守るために、喧嘩とじゃれ合いの見極めはとても大事なので、ここからは「見極め方法」について詳しく紹介していきます。

「ウー」という声を出している

じゃれ合いをしている時に「シャー」と大きな鳴き声を発する時がありますが、これは怒っているわけではないので心配はいりません。

しかし、低い声で「う”ー」と唸り声を出している時は、喧嘩になる一歩手間です。

この状態で睨みあっているだけなら大丈夫ですが、どちらが首元に噛みついたら喧嘩開始のサインです。

瞳孔が開いている

猫は興奮すると瞳孔が開き血流がよくなります。

そのため、本気の喧嘩かどうかを見極める時には「瞳孔」の開き具合を確認するとわかります。

しかし、猫は暗闇の中で瞳孔が開く習性があるので100%とは言い切れませんが、明るい場所で瞳孔が開いているのなら、本気の喧嘩をしているのでしょう。

顔を攻撃している

本気で喧嘩をしている場合には「目や口」など、大きなダメージを与えることができる箇所を攻撃します。

そのため、顔付近を攻撃している場合には、すぐに止めに入り猫同士の距離を離しましょう!

執拗に追いかけ回す

じゃれ合っている時は、相手が飽きてどこかに行ってしまうとそこで終了しますが、喧嘩をしている時は相手が逃げても、執拗に追いかけ回します。

そのような場合には、猫の間にタオルを投げ込んだり、水をかけて猫の気をそらしましょう。

噛み付く

じゃれ合っている時に甘噛みをすることはよくありますが、喧嘩中に噛みついているのはダメージを与えるためなので、本気で噛みついています。

「悲鳴を上げている・爪が出ている・唸っている」場合は、喧嘩をしているサインなので、怪我をする前に止めに入りましょう!

猫が大きな怪我をしないように注意深く観察しよう!

猫と女性

おさらい

  • できるだけ猫は外に出さずに室内で飼育する
  • 野良猫と喧嘩して怪我を負った場合には獣医師さんに必ず伝える
  • 猫の喧嘩中に手を出してしまうと怪我をしてしまう可能性があるので「おもちゃや霧吹き」を使用する

飼い猫同士の喧嘩は「じゃれ合い」のようなものが多いですが、野良猫との喧嘩はとても危険なので注意が必要です。

そのため、飼い猫はできるだけ外に出さず、安全を確保できる「室内」で飼育するようにしましょう。

万が一、飼い猫が外に出た時に野良猫と喧嘩になってしまった場合には、この記事を参考に適切な対処をし、飼い猫を守りましょう!

  • この記事を書いた人

りーちゃん

当サイトでは、大事な家族であるペットの知っておきたい知識や、 オススメグッズなどを詳しく紹介しています。 ペットと生活していくなかで感じる疑問や不安なことを、 解消できるサイトを目指しています!

-猫のコラム, 猫の知識
-,

© 2024 ペットキュート