慣用句やことわざとは、昔からの言い伝えや知識のことをいい、私たちの生活を豊かにするために必要な「アドバイス」を与えてくれます。
今回は、動物のなかでも使用されることが多い「猫」にまつわる慣用句やことわざを紹介します。
よく耳にする「猫に小判」などの簡単な慣用句から、知っているとカッコイイ「ことわざ」まで幅広く解説するので、日常生活で使用してみましょう!
この記事を読んで分かるポイント
- 慣用句やことわざの違いがわかる
- 猫にまつわる「慣用句10選」の意味や例文がわかる
- 猫にまつわる「ことわざ10選」の意味や例文がわかる
【Contents】
- 1 「慣用句」と「ことわざ」の違いとは
- 2 猫にまつわる「慣用句」10選
- 3 猫にまつわる「ことわざ」10選
- 4 猫は「慣用句」や「ことわざ」に使用されやすい!
「慣用句」と「ことわざ」の違いとは
「慣用句」と「ことわざ」の違いがわからないという方も多いのではないでしょうか?
猫にまつわる慣用句とことわざを紹介する前に、2つの違いについて解説します。
簡単に慣用句とことわざを見分けられるポイントは以下のとおりです。
2つの見分け方
★慣用句・・・元の表現を短く省略したもの
★ことわざ・・・アドバイスが含まれているもの
慣用句とは
慣用句とは、昔からの習慣として多く使用されてきた言い回しのことを指します。
基本的に、2つ以上の単語から構成されており、日常の行動について省略した形の言い回しになっていることが特徴。
例えば「耳にたこができる」「足が棒になる」など、慣用句は身近な言い回しを省略した形になっています。
ことわざとは
ことわざとは、昔からの知恵やアドバイスなどを表現した短い文章のことを指します。
「これはOOだから気を付けようね」「これは△△だからこうしようね」と、注意喚起や励ましの意味が込められています。
また、慣用句は前後の文脈によって、意味が大きく変わってしまう場合があります。
一方、ことわざは前後の文脈にかかわらず、意味が変わることはありません。
猫にまつわる「慣用句」10選
ここからは、猫にまつわる「慣用句10選」を紹介します。
慣用句の意味や例文も記載するので、日常会話で使用してみましょう!
①猫に鰹節(ねこにかつおぶし)
「猫に鰹節」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
1:過ちが起きやすい状況や状態のこと
2:信用できない状況、危険な状況、安心できない状況であること
例文
鍵を閉めないで外出するなんて「猫に鰹節」と言うように泥棒に入られて当然だよ
類義語
- 猫に鰹
- 猫に乾鰹(かれがつお)
- 金魚に孑孑(ぼうふら)
- 盗人に蔵の番
②猫に小判(ねこにこばん)
「猫に小判」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
1:貴重なもの・高価なもの・価値のあるものがあっても、持ち主がそれを知らなければ何の意味もないこと
2:素晴らしいものを見せても、反応や効果がないこと
例文
犬にブランドの服を着させていた人がいたけど「猫に小判」で、犬にはその価値がわからないよね
類義語
- 猫の前に小判
- 豚に真珠
- 馬の目に銭
- 馬の耳に念仏
③猫の手も借りたい(ねこのてもかりたい)
「猫の手も借りたい」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
とても忙しく、誰でもいいから手伝ってほしいということ
例文
大型連休に入ると「猫の手も借りたい」ほど忙しくなる
類義語
- 犬の手も人の手にしたい
④猫を被る(ねこをかぶる)
「猫を被る」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
本来の性格を隠して、人の前では大人しく振舞うこと
例文
妹は普段は暴れん坊なのに両親の前では「猫を被って」大人しくなる
⑤猫の首に鈴を付ける(ねこのくびにすずをつける)
「猫の首に鈴を付ける」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
いざ実行するとなった時に、引き受け手のない至難なこと
例文
「猫の首に鈴を付ける」という言葉のように、誰が彼に歯に青のりが付いていることを言いにくか喧嘩になった
類義語
- 言うは行うより易し
- 言うは易し行うは難し
- 机上の空論
⑥猫に木天蓼(ねこにまたたび)
「猫に木天蓼」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
1:大好物であるというたとえ
2:服従させたり、大人しくさせるのに、与えれば効果が著しく現れるということ
例文
「猫に木天蓼」と言うように機嫌が悪い彼女にケーキを買えば機嫌がなおるだろう
類義語
- 牛の子に味噌
- 泣く子に乳
⑦猫も杓子も(ねこもしゃくしも)
「猫も杓子も」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
「だれもかれも」「なにもかも」ということ
例文
電車に乗ると「猫も杓子も」スマホを見ている
⑧猫を追うより魚をのけよ(ねこをおうよりさかなをのけよ)
「猫を追うより魚をのけよ」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
問題が発生した時はその場しのぎの行動ではなく、根本から解決せよということ
例文
子犬を飼うので「魚を追うより魚をのけよ」の言葉に従い、壊れそうな物は全て押し入れに片付けた
類義語
- 猫を追うより皿を引け
- 猫を追うより鰹節を隠せ
⑨猫撫で声(ねこなでごえ)
「猫撫で声」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
猫が人に撫でられた時に発するような、機嫌を取るための優しくこびる声のこと
例文
初対面の時は「猫撫で声」で話していたが、次第に荒っぽい話し方に変わった
⑩猫の目(ねこのめ)
「猫の目」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
猫の目は光の明るさによって、よく変化することから非常に物事が変わること
例文
あの人の発言は「猫の目」のように変わるから注意しなければならない
類義語
- 猫の目のように変わる
- 女の心は猫の目
猫にまつわる「ことわざ」10選
ここからは、猫にまつわる「ことわざ10選」を紹介します。
以下のことを参考に、日常生活で何気なく使っている「ことわざ」の意味を理解しましょう。
①犬は人につき猫は家につく(いぬはひとにつきねこはいえにつく)
「犬は人につき猫は家につく」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
引っ越しをする時、犬は飼い主について行くが猫は住んでいた家から離れようとしないということ
例文
「犬は人につき猫は家につく」という言葉があるが、うちの猫は色んなお家にお邪魔して餌をもらっている
②男猫が子を生む(おとこねこがこをうむ)
「男猫が子を生む」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
絶対にありえないということ
例文
彼女は「男猫が子を生む」ような話ばかりするので、彼女の話を誰も信じなくなった
類義語
- 川の石星となる
- 炒豆が生える
- 枯木に花
- 石に花咲く
- 雄猫が子を産む
③叶わぬ恋に心を尽くすより犬猫を飼え(かなわぬこいにこころをつくすよりいぬねこをかえ)
「叶わぬ恋に心を尽くすより犬猫を飼え」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
叶わぬ恋に頭を悩ますよりも、飼い主の愛情に答えてくれる犬や猫を飼った方がいいということ
例文
「叶わぬ恋に心を尽くすより犬猫を飼え」という言葉を信じて猫を飼ったら幸せになれた
④上手の猫が爪を隠す(じょうずのねこがつめをかくす)
「上手の猫が爪を隠す」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
本当に才能や能力がある人は、それをひけらかすことは無いということ
例文
「上手の猫が爪を隠す」というが、彼女がこんなにピアノが上手いとは知らなかった
類義語
- 能ある鷹は爪を隠す
⑤豚に念仏猫に経(ぶたにねんじゅねこにきょう)
「豚に念仏猫に経」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
どんなに立派な教えでも理解できない人に言い聞かせても何も意味がない、無駄だということ
例文
「豚に念仏猫に経」だからといって、彼に教えることを辞めてしまえば彼の成長を止めてしまうことになる
類義語
- 犬に小判
- 犬に念仏
- 猫に経
- 犬に論語
- 兎に祭文
- 牛に経文
- 牛に説法馬に銭
- 牛に対して琴を弾ず
- 馬に経文
- 馬の耳に風
- 馬の耳に念仏
- 馬の目に銭
- 蛙の面に水
- 猫に石仏
- 猫に胡桃をあずける
- 猫に小判
- 馬耳東風
- 豚に真珠
⑥猫糞を決め込む(ねこばばをきめこむ)
「猫糞を決め込む」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
1:悪いことをしても知らんぷりをすること
2:人の物を隠して自分の物にしてしまうこと
例文
道端に落ちていた財布を「猫糞を決め込んで」持ち帰ろうとしたが怖くなってやめた
類義語
- 猫糞を決める
- 猫が糞を踏む
⑦猫の額(ねこのひたい)
「猫の額」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
土地や場所の面積がとても狭いことを意味する
例文
「猫の額」ほどしかない私の部屋だが、居心地はとてもいい
類義語
- 尺寸の地
- 弾丸之地
- 黒子之地
- 弾丸黒子の地
⑧窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)
「窮鼠猫を噛む」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
絶体絶命の窮地に立たされれば、弱い者が強い者にたてついたり、負かすこともあるということ
例文
これだけバカにされても「窮鼠猫を噛む」ような勇気は彼にはないだろう
類義語
- 窮冠は迫ること勿れ
- 獣窮まれば即ち噛む
⑨猫の子一匹いない(ねこのこいっぴきいない)
「猫の子一匹いない」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
全く人影のない様子のこと
例文
道に迷ったが「猫の子一匹いない」ので、1人でどうにかするしかなかった
⑩鰹節を猫に預ける(かつおぶしをねこにあずける)
「鰹節を猫に預ける」の意味や例文、類義語は以下のとおりです。
意味
1:少しも油断ができないということ
2:過ちが起きやすいということ
例文
「鰹節を猫に預ける」という言葉のように鍵をかけずに外出するなんて危ないよ
類義語
- 狐に小豆飯
- 金魚に孑孑
猫は「慣用句」や「ことわざ」に使用されやすい!
おさらい
- 慣用句は元の表現を短く省略したもの
- ことわざはアドバイスが含まれているもの
今回は猫にまつわる「慣用句」や「ことわざ」を紹介しました。
昔から人間と一緒に生活してきた「猫」は、他の動物に比べて慣用句やことわざに用いられることが多いです。
この記事を参考に、日常生活で使用して語彙力を高めていきましょう!