愛猫が寝ながら「いびき」をかいている姿をみたことはないでしょうか?
口呼吸をしている時や「スピースピー」と高い音のいびきをかいている時は、大きな心配をする必要はありません。
しかし、いびきの音が大きくなったり回数が増えてきた時には「病気のサイン」の可能性があるので注意が必要です。
「問題がないびき」「危険ないびき」を見分けるために、ここからは「いびきをかく原因・考えられる病気・いびきの種類・対処法」について紹介していきます。
この記事を読んでわかるポイント
- 猫はいびきをかく原因がわかる
- いびきをかきやすい猫種がわかる
- いびきが原因として考えられる病気がわかる
- いびきをかいている時の対処法がわかる
【Contents】
猫がいびきをかく原因
猫のいびきは人のいびきとは違い、鼻腔と呼ばれる鼻の内部が狭くなることによって引き起こされます。
では「いびき」をかく原因とは、一体どのようなものがあるのでしょうか?
ここからは、猫がいびきをかく原因について紹介していきます。
問題のない「ただのいびき」
寝息にしては少し大きく、人間のいびきに比べると小さいと感じる程度なら「問題のないいびき」なので安心しましょう!
しかし、いびきの他に「鼻水」などの症状がみられる場合には、何らかの病気を患っている可能性があるので、早急に動物病院を受診することをおすすめします。
肥満や運動不足によるもの
人間の場合、標準体型の人に比べて、肥満傾向である人の方が「いびき」をかくイメージはないでしょうか?
その理由は、脂肪が気道を圧迫してしまうことで、いびきが発生しやすくなるからです。
猫も人間と同じで、肥満体型の猫は標準体型の猫よりもいびきをかいやすいといわれています。
そのため、肥満体型の猫は食事管理を徹底して、標準体型に戻す努力をしましょう!
アレルギーによるもの
「ハウスダスト」「タバコの煙」「花粉」など外的要因によって、いびきを引き起こす可能性があります。
掃除をマメにかけたり空気洗浄を使用し、清潔な状態を保つことで「いびき」の改善が期待できます。
猫のアレルゲン物質を特定し、できる限りアレルゲン物質を取り除いてあげましょう!
先天性によるもの
気管虚脱や軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)など、咽頭や気管にトラブルを生まれつき抱えていることで、いびきをかきやすくなります。
症状が軽い場合は現状維持で様子を見ることがほとんどですが、普段から苦しそうに呼吸をしている場合は外科手術を行う可能性もあります。
いびきをかきやすい猫種
マズル(口の周辺と鼻先にかけての部分)が短い、いわゆる「鼻ぺちゃ」な猫は、いびきをかきやすい傾向にあります。
鼻ぺちゃな猫は、普段から鼻腔が狭くなりがちなので、睡眠中に問題なく呼吸ができているかチェックするようにしましょう。
万が一、呼吸困難を起こしているかのように苦しそうな状態になっている場合には、1度起こして異常がないか確認することをおすすめします。
いびきをかきやすい猫種は以下のとおりです。
いびきをかきやすい猫種
- チンチラ
- ペルシャ
- ヒマラヤン
- エキゾチックショートヘア
- スコティッシュフォールド
猫のいびきの種類
猫のいびきは「スピースピー」とかわいい音や「ガーゴー」と人間のような野太い音などがあります。
以下のことを参考にしながら、愛猫のいびきをチェックしてみましょう♪
高い音のいびき
「スピースピー」といった高い音のいびきは、熟睡して気を抜いているサインなので心配する必要はありません。
そのため、上記のようないびきをかいている時は、猫を起こさないようにそっとしておいてあげましょう。
太い音のいびき
猫が人間のいびきに似た「ガーゴー」といういびきをかいている時には注意が必要!
肥満傾向にある猫は呼吸が圧迫され、睡眠時にこのようないびきをかくことが多くあります。
最悪の場合、呼吸困難に陥る可能性もあるので、肥満傾向にある猫は獣医師さんに適切な減量方法を教えてもらいましょう。
鼻が詰まっているようないびき
アレルギーや猫風邪によって鼻が詰まっている時「グーグー・・・ズビッ」と、少し苦しそうにいびきをかくことがあります。
上記のようないびきをかき、猫が鼻水を出していたり鼻が詰まっている場合には、早急に動物病院を受診し適切な薬を処方してもらいましょう。
また、鼻詰まりが治るのと同時にいびきも止まるのであれば、大きな心配はいりません。
雑音が混じるいびき
猫がいびきをかいている時に一瞬呼吸が停止したり、雑音が混じっている場合には「心筋梗塞」や「気管虚脱」という病気の可能性があります。
これらの病気は「発見・治療」が遅れると死に至る可能性があるので、早急に動物病院を受診しましょう。
猫のいびきの原因として考えられる病気
ここからは、猫がいびきをかく原因として考えられる病気を紹介していきます。
愛猫が重低音で大きないびきをかいている時には、以下の病気を疑いましょう。
鼻炎
鼻の粘膜が炎症を起こすことを「鼻炎」といい、くしゃみ・鼻水などの症状が引き起こされます。
鼻腔内の鼻水や腫れによって空気の通り道が圧迫され、鼻で呼吸がしにくくなるので「いびき」をかきやすくなります。
最初の鼻水の状態はサラサラしていますが、悪化していくと「粘り気のある鼻水になる」「膿が混じる」「粘膜から出血し血液が混じる」といった症状がみられる場合もあります。
鼻腔内腫瘍
鼻腔内に腫瘍ができることで、鼻呼吸がしにくくなり「いびき」をかきやすくなります。
鼻腔内腫瘍になると「顔が腫れる」「鼻から出血する」といった症状がみられる場合もあります。
軟口蓋過長症
軟口蓋とは人間でいう「のどちんこ」のことをいい、この部分が長く垂れさがってしまうと、いびきをかきやすくなります。
鼻が短い鼻ぺちゃの猫に多く見られ「異常な呼吸音がする」「息切れをしやすくなる」といった症状がみられます。
また、症状が悪化すると、死に至る可能性もあるので注意が必要な病気です。
喉頭虚脱
咽頭にある軟骨が変形して喉をふさいでしまうことで、いびきをかきやすくなります。
軟口蓋過長症と同じで、鼻が短い鼻ぺちゃの猫に多くみられる病気です。
「異常な呼吸音がする」「息切れをしやすくなる」といった症状がある場合には、早急に動物病院を受診しましょう!
病院を受診した方がいい猫の状態
愛猫の「いびき」が気になる場合、以下のチェックリストを参考にして当てはまる項目があるなら、動物病院を受診することをおすすめします。
病院を受診した方がいい症状のチェックリストは以下のとおりです。
病院を受診した方がいい症状
- 鼻水や鼻血は出ていないか
- 異常な呼吸音は出ていないか
- 肥満体型ではないか
- 顔は腫れていないか
- しっかりと睡眠をとれているか
- 苦しそうに呼吸をしていないか
猫がいびきをかいている時の対処法
猫がいびきをかく原因を理解できたなら、次はその原因に合った「対処法」を紹介していきます。
愛猫の「体質・体調」などを考え、それらに適した対処法を行うようにしましょう♪
ストレスを解消させる
猫のいびきの症状が軽い場合は「体調不良」や「ストレス」が原因の可能性があります。
このような場合は、一時的にいびきをかいているだけかもしれないので、十分な休息を与えてあげましょう。
また、ストレスを解消するためにも「運動をさせる」「遊んであげる」ことをおすすめします。
万が一、いびきの原因が他にあるとしても、上記の2つは日常生活を送る上でとても大切です。
運動をさせる
いびきをかいている原因が「肥満」である場合には、運動をさせて減量しましょう。
高齢期の猫は、どうしても運動量が減ってしまいがちなので、肥満になりやすい傾向にあります。
しかし、そのまま運動をしなくなると、一気に筋力が低下し基礎代謝も落ちていき悪循環に陥ります。
そのため、広い場所をたくさん走らせたり、できるだけ歩かせるようにして、運動をたくさんさせることを心がけましょう!
食事量を減らす
肥満を改善するためには「食事量を制限」することも効果的です。
まず、高カロリーのフードを与えている場合には、低カロリー高たんぱくのフードに切り替えましょう。
そして、食事量を減らしたフードを「1日に3回~4回」程度に分けて与えるようにしてください。
そうすることで、空腹になっている時間が少なく、少量の食事にも慣れていくことができます。
生活環境を整える
いびきの原因が「アレルギー性鼻炎」の場合、生活環境を変えてみることも1つの手法です。
ハウスダスト・ダニ・ノミ・花粉などがアレルゲンになっているのであれば、アレルゲン物質を取り除くことでいびきが改善される可能性があります。
また、空気洗浄機を使用したり、掃除をマメにすることを心がけましょう!
動物病院を受診する
病気を悪化させないためには「早期発見・早期治療」がとても重要です。
そのため「いびきが長く続いている」「いびきの音が大きくなっている」「睡眠時呼吸が苦しそう」など、不安な点がある場合には動物病院を受診しましょう。
また、診断がスムーズに行えるように、愛猫がいびきをかいている姿を動画に収めて、獣医師さんに診てもらうといいでしょう。
愛猫の「いびき」が気になる場合には動物病院を受診しよう
おさらい
- 肥満傾向にある猫は「標準体重」に戻すことを心がける
- 鼻が短い「鼻ぺちゃ」の猫はいびきをかきやすい傾向にある
- 人間のいびきのように低く「ガーゴー」といった音のするいびきをかいている場合には要注意
愛猫が「スピースピー」と気持ちよさそうに寝ている姿は、とても微笑ましく愛おしくなります。
しかし「いびき」の原因には「病気の可能性がある」ということを必ず頭に入れておき、異変があった場合には早急に動物病院を受診してください。
日頃から愛猫の様子を観察し、健康管理を徹底することを心がけましょう♪