近所や公園の草むらなどで「ミャーミャー」と子猫が鳴いていたら、あなたならどうしますか?
そのまま放っておけず、家に連れて帰り保護してあげようと考える方も少なくないでしょう。
しかし「まずどのような対処をすればいいのか」「保護したあと家で飼えない場合はどうすればいいのか」と悩んでいる方も多いはず。
そこで、今回は保護したあとにすべきことや注意点、飼えない場合の対処法を詳しく紹介します。
この記事を読んで、小さな命に手を差し伸べてあげましょう!
この記事を読んでわかるポイント
- 猫を保護した時に行うべきことがわかる
- 保護猫を飼育する時の注意点がわかる
- 自分の家で飼育できない場合の対処法がわかる
【Contents】
子猫を保護する前に確認すべきこと
道端や草むらに子猫が鳴いていると「捨て猫」だと思ってしまいますよね。
しかし、実は親猫と離れ離れになってしまった野良猫の場合や、飼育されていた家から脱走した飼い猫の可能性もあります。
子猫を発見したら、保護して家に連れて帰る前に周囲を見渡して状況を確認してください。
万が一、親猫の元から離れてしまっただけであれば、まだ近くに親猫が隠れている可能性があります。
飼育されていた家から逃げ出してしまった場合は、飼い主さんが探しているケースが大半です。
子猫を保護する場合は、愛護センターに届け出ておくと、子猫の飼い主さんが見つかる場合も。
また、愛護センターに加えて、最寄りの警察にも「拾得物届出」を提出しておきましょう。
届けを出してから3ヶ月以上経過しても元の飼い主さんが現れなければ、あなたが正式に子猫の飼い主になれます。
子猫を保護したらやるべき5つのこと
子猫を保護したら行うべき5つのことがあります。
以下のことを参考に、子猫が元気になるようにサポートしてあげましょう。
①健康状態をチェックする
まず最初に行うべきことは、健康状態のチェックです。
以下のポイントを参考に、チェックしてみましょう。
健康状態のチェック
- 元気があるか(鳴いたり動いたりしているか)
- 体温が冷たくなっていないか
- 目ヤニ・鼻水が出ていないか
- ノミがついていないか
- 下痢や嘔吐はしていないか
捨て猫はお腹の中に寄生虫がいたり、ノミが体中についている可能性が高いです。
とくに、子猫はすぐに体調が変化するので、なるべく早く動物病院に連れていきましょう。
また、捨て猫は免疫力が低下しているので、感染症や猫風邪を患っている場合があります。
目ヤニや鼻水が出ている場合には応急処置として、湿らせたガーゼやタオルなどで優しく拭きとってあげましょう。
②子猫の体を温めてあげる
幼い子猫は、常に母猫に温められながら過ごしています。
しかし、母猫とはぐれて1匹になると体温が低下してきます。
体温の低下は健康状態が悪くなり、最悪の場合命に関わるので湯たんぽなどを使用して温めてあげましょう。
また、湯たんぽがない場合は、温かい飲み物用のペットボトルにお湯を入れてタオルなどで包み込んでください。
使い捨てカイロでも代用できますが、使い捨てカイロを使用する場合もタオルにくるむようにしましょう。
③年齢に適したエサを与える
捨て猫は保護されるまでの間、栄養のある食事を満足に食べることができず栄養不足になっている状態です。
そのため、保護したらできるだけ早く栄養のある食事を用意しましょう。
成猫はドライフードでも食べれますが、生後間もない子猫には猫用のミルクを与えてください。
ペットショップが近くにない場合、ドラッグストアにも販売されています。
購入する時は、人間用の牛乳ではなく必ず猫用ミルクを選びましょう!
④排泄のサポートをする
生まれて間もない子猫には、自力で排泄することができません。
そのため、母猫が子猫のお尻を優しく舐めて排泄を促すように、あなたの手でサポートする必要があります。
子猫の排泄サポートのタイミングは、ミルクを与える前後に行いましょう。
ぬるま湯で湿らせたガーゼやティッシュ、トイレットペーパーなどを使用して、子猫の陰部や肛門の周辺をトントンと優しく刺激してください。
子猫の皮膚は、とても柔らかく傷つきやすいので、排泄が上手にできないからといって擦りすぎないように注意しましょう!
⑤病院に連れて行く
外で生活していた子猫には、ノミやダニが体中についている可能性が高いです。
さらに、放置しておくと命に関わる病気や怪我をしている場合も・・・。
保護した時間帯に動物病院が開いているなら、早急に最寄りの動物病院を受診しましょう。
動物病院で必要な平均費用は「8,000~15,000円」程度が目安です。
動物病院で必要な費用の内訳
- 【初診料】1,000円~3,000円
- 【血液検査】8,000円
- 【便検査】500円~1,000円
- 【混合ワクチン接種】4,000円~8,000円
- 【ノミダニの駆除】2,000円
上記は目安の費用なので、動物病院によって金額は異なります。
しかし、「想像よりも診療代が高額だった」という可能性もあるので、事前に動物病院に料金の目安を確認しておくことをおすすめします。
保護猫を飼育するときの6つの注意点
現在、筆者も保護猫と一緒に生活をしていますが、保護した当初は警戒心が強くなかなか懐いてくれませんでした。
しかし、愛猫が生活しやすい環境を整え、はやく懐いてくれるように毎日スキンシップを心掛けていました。
以下の、保護猫と一緒に生活していく上で注意するべき6つを心がけながら、楽しく共同生活を始めましょう。
①根気よくお世話をする
保護した猫が生まれて間もない子猫なら、懐いてくれるまでに時間はかからないでしょう。
しかし、ある程度成長した成猫の場合は警戒心が強く、懐いてくれるまでに時間を要します。
始めのうちは、室内という閉鎖的な空間で生活することに馴染めないこともあるでしょう。
また、人間に慣れていないので、警戒心のあまり食欲が無くなる可能性も考えられます。
じっくり焦らず、猫のペースに合わせて根気よくお世話してあげましょう。
②多頭飼いをする場合は感染症対策をする
先住猫や犬を飼っている場合、ノミやダニ、感染症などを移してしまう可能性があります。
動物病院を受診し、感染症などの可能性がなくなるまでは先住猫や犬との接触は避けましょう。
③お風呂は無理に入れさせない
元々、外で過ごしていた保護猫はシャワーやお風呂が苦手な子が多いです。
汚れが気になるからシャンプーをしたいと思うかもしれませんが、大きなストレスになる可能性があります。
体への負担も大きいので、家の環境やあなたに慣れるまではお風呂は避けた方が無難でしょう。
また、ノミやダニはシャンプーを使用しても完全に駆除することは難しいです。
必ず、動物病院で処方された駆除薬を使いましょう!
④トイレのしつけは子猫の頃から行う
保護猫を室内で飼育するためには、トイレのしつけを行う必要があります。
部屋の中をソワソワしながら歩き回ったりしたら、トイレに連れていくことを繰り返し行いましょう。
今までトイレで排泄する習慣がないので、最初のうちは失敗してしまうこともあるでしょう。
しかし、学習能力の高い猫は根気強く教えれば覚えてくれるはずです!
猫のトイレのしつけについて詳しく紹介している記事はこちら
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⑤去勢・避妊手術を行う
将来、保護猫の子孫を残す予定がないなら、タイミングを見計らって去勢・避妊手術を行いましょう。
去勢・避妊手術を行うことで、問題行動やマーキング行為、病気のリスクを下げることが可能。
去勢や避妊の手術を受ける時期は、生後6ヵ月頃の初めての「発情期」を迎える前が理想的です。
⑥猫が一生を終える時まで責任をもつこと
猫を飼育するためには、それなりの費用がかかりお世話も大変だと感じることもあるでしょう。
しかし、保護したからには猫が一生を終えるまで責任をもって一緒に暮らしていく覚悟が必要です。
愛情をもって、一緒に楽しく共同生活を送りましょう!
自分で保護猫を飼えない場合は?
猫を保護したけれど「アパートやマンションに住んでいて飼えない」「猫アレルギーをもっている」などの理由から飼育できない場合もあるでしょう。
しかし、だからといって保護猫を危険な外の世界に放り出すわけにはいきません。
以下では、そのような場合の対処法について紹介します。
動物病院に相談する
動物病院で、迷い猫や里親募集の張り紙を見かけたことはありませんか?
動物病院は、動物が好きな心優しい方が多く集まる場所です。
「どうにかしてあげたい」という気持ちから、保護猫を引き取ってくれる飼い主さんが見つかる可能性があります。
保健所に保護してもらう方法もありますが、引き取り手が見つからない場合は殺処分される場合も・・・。
そのため、1つの命を救うためにも、まずは動物病院を頼りましょう!
各自治体の動物愛護センターに相談する
動物病院で引き取り手が見つからなければ、各自治体の動物愛護相談センターに相談しましょう。
地元のNGO団体などと協力して、殺処分を少しでも減らそうと活動されています。
SNSで里親を募集する
SNSや里親募集サイトで飼い主さんを探すのも1つの手です。
里親募集サイトを利用する場合、動物に対する考え方・譲渡の実績・譲渡・飼育環境についての条件面など、安全なサイトなのかじっくりと見極めましょう。
SNSで里親を募集する場合は、譲渡に関する条件などを詳細を掲載する必要があります。
SNSに掲載する際は、以下のことを参考にしましょう!
掲載事項
- 猫を飼育することについて同居家族の了承を得ているか
- 同居家族のなかに猫アレルギーをもっている人はいないか
- ペットを飼育できる住宅に住んでいるか
- 完全室内飼育をしてくれるか
- 去勢・避妊手術、予防接種など必要な医療を行う経済力があるか
- 家族の一員として、最期まで責任を持って飼育してくれるか
なかには、猫の虐待目的やクレームをつけて金銭を要求してくる人もいます。
譲渡する人とは事前に条件を摺り合わせて、信頼できる人か見極めましょう!
飼い猫(迷い猫)を保護した場合の対処法
外出先で猫を見つけた時、捨て猫なのか迷い猫(飼い主がいるけど外に出てしまって帰れない)なのか分からない場合は多いです。
ここからは、捨て猫と迷い猫の見分け方や迷い猫を見つけた時の対処法を紹介いします。
野良猫と迷い猫の見分け方
雑種の猫は、迷い猫か野良猫かわからない場合が多いです。
発見した時に、被毛が綺麗で身体も汚れていないのであれば、迷い猫の可能性が高いでしょう。
野良猫と迷い猫の見分け方
- 首輪をつけている【迷い猫】
- 日本以外の品種・雑種ではない【迷い猫の可能性が高い】
- 人慣れしていて家の中についてこようとする【迷い猫の可能性が高い】
- 去勢・避妊手術をしている【迷い猫の可能性が高い】
(去勢手術している猫は耳先がカットされています)
飼い主さんを探す前にチェックすべきこと
迷い猫の飼い主さんを探してあげる場合、以下のことをチェックして猫の特徴をまとめておきましょう!
チェック事項
- 保護した詳しい場所
- 保護した時の猫の健康状態や仕草
- 猫の種類
- 猫の特徴(大きさ・毛色・だいたいの年齢など)
- 首輪の有無や色、柄
- 迷子札などのタグの有無
飼い主さんを探す手段
飼い主さんを探すためには、いくつかの手段があります。
警察
迷い猫は落し物として警察で管理されているので、猫を拾った状況や特徴を連絡します。
しかし、警察では他の地域と連携していないので、最寄の警察署だけでなく近隣の警察へ届けをお願いします。
ポスターを近所に貼る
電信棒やスーパーなどに迷い猫や犬のポスターが貼られているのを見かけたことがある方も多いでしょう。
多くの人の目につく場所にポスターを貼り、情報を共有することも有効です!
保護した猫の写真や特徴、連絡先などの情報を記載したポスターを複数枚作成しましょう。
その際のポイントや注意点は以下の通りです。
ポイント
- いたずら電話を防ぐために連絡先は携帯電話を記載しましょう
- ポスターの準備ができたら、できるだけ人目に目立つ場所に貼りましょう
(学校・病院・スーパー・駅など) - 隣町で保護される場合もあるので、遠方にも貼るといいでしょう
- 必ず敷地の持ち主に許可をもらいましょう
SNSを活用する
以下のような猫の保護について掲載しているサイトに登録して、飼い主さんからの連絡を待ちましょう。
飼い主さんが探している場合は、飼い猫を見つけて連絡がくる可能性があります。
猫を保護したら慌てずに対処しよう!
おさらい
- 猫を見つけた時は親猫が周りにいないか確認する
- 保護した時間帯が動物病院の診療時間内ならすぐに連れていく
- 保護したなら責任を持って最後まで面倒を見る
猫を見つけた時「うちでは飼えないから」と見逃さずに、一時保護だけでもしてあげられないか考えてみましょう。
最悪の場合、保健所に引き取られて殺処分されてしまったり、1人では生きて行けずに亡くなってしまうこともあります。
この記事を読んで、小さな命を救うために捨て猫を見つけた時どのような対処ができるか考えていただけると幸いです。