「嫉妬」は人間だけが持つ感情だと思われがちですが、実は犬も嫉妬することをご存知でしょうか?
日頃の何気ない飼い主さんの行動が、愛犬を嫉妬させてしまっている場合もあるでしょう。
愛犬が嫉妬している姿は一見可愛くみえますが、愛犬にとっては強いストレスを感じています。
今回は「犬が嫉妬している時にみせる行動」や「嫉妬した時の対処法」などについて紹介します。
この記事を読んでわかるポイント
- 犬が嫉妬する原因や対象がわかる
- 犬が嫉妬した時にみせる行動がわかる
- 犬が嫉妬した時の対処法がわかる
【Contents】
犬が嫉妬する原因や対象
犬は「自分が1番でありたい」「自分に構ってほしい」「自分だけを見てほしい」など、日常生活の中で常に自分の順位や周りとの優劣を気にする傾向があります。
その日常生活の中に新しい存在が表れて順位が乱された時に、嫉妬やヤキモチをやきます。
以下では、犬が嫉妬する対象の人や物について紹介します。
犬が嫉妬する対象
犬は飼い主さんが「自分以外に夢中になっている人や物」に嫉妬やヤキモチをやきます。
人間は、恋人が他の異性と親しくしていると嫉妬してしまうことがありますよね。
犬の場合、嫉妬する対象が人だけではなくスマホ・PC・新聞など「物」に対しても嫉妬してしまいます。
飼い主さんが留守中に、新聞をビリビリに破いたり本をかじっている場合には、嫉妬している対象のものに反撃している可能性があります。
犬の嫉妬対象になる人や物は以下のとおりです。
嫉妬対象になる人や物
- 赤ちゃんや小さい子供
- 多頭飼いしている犬や猫
- 飼い主さん以外の家族
- 飼い主さんの彼氏や彼女
- 散歩中の犬
- テレビのリモコン
- スマホ
- 新聞や本

嫉妬しやすい犬の特徴
多頭飼いしている家庭では、犬同士の嫉妬がおこりやすくなります。
これまで「ひとりっこ」の生活をしていた子は、飼い主さんを独占できていたはずです。
しかし、新入りの犬と一緒に暮らすようになると、飼い主さんの注意が新入りの犬に向かいやすくなり、先住犬は疎外感を感じ嫉妬してしまいます。
また「飼い主さんは新入りの犬に多くおやつをあげている」「構ってもらえなくなった」と不公平に感じ、嫉妬にかられる場合も・・・。
「嫉妬しやすい犬の特徴」は以下のとおりです。
嫉妬しやすい犬の特徴
- 飼い主さんへの依存心の強い子
- 飼い主さんへの独占欲の強い子
- 自分の順位を気にする子
犬が嫉妬している時にみせる行動
最近、愛犬が急に甘えてくるようになったり、問題行動を起こすようになっていませんか?
そのような行動は「嫉妬」からきている場合があり、トラブルに繋がる可能性があります。
そのため、日頃から愛犬の行動に異変がないか、よく観察することが大切です。
以下では、犬が嫉妬している時にみせる行動について詳しく解説していきます。
飼い主さんに甘える
「飼い主さんに構ってほしい」「自分の存在をアピールしたい」という思いから、以下のような飼い主さんに甘える行動をとります。
- じーっと目を見つめる
- 体を擦り寄せながら近寄ってくる
- 飼い主さんが構っている物の間に割って入る
- 手や顔を舐めてくる
- 鼻鳴きしてアピールする
- 自分のおもちゃを持ってきて遊びに誘ってくる
- プレイバウの姿勢をとって飼い主さんを遊びに誘う
攻撃的な行動をとる
甘えた行動をとっても構ってもらえないと理解すると、以下のような攻撃的な行動をとるようになります。
- 頻繁に吠える
- 唸って威嚇する
- 噛み付くことが増える
- おもちゃや家具などを破壊する
- 他の家族や犬などを追い払う
トイレ以外で排尿をする
普段はトイレで排尿ができるのに、犬は賢い頭を使ってわざとトイレを失敗することがあります。
トイレを失敗すると、飼い主さんが反応して「失敗してる!」「コラ!」と声を出してる姿を見て、犬は構ってもらえたと勘違いしてしまいます。
チラチラと様子を伺うように目線を飼い主さんに向けてから、トイレ以外の場所で排尿している場合には確信犯です。
しかし、何日も続く場合は体調の変化や病気の可能性もあるので、獣医師さんに相談することをおすすめします。
飼い主さんの邪魔をする
飼い主さんの読んでいる本や新聞紙の上に寝転がったり、テレビの前に座ったり飼い主さんが夢中になっている物の邪魔をしようとします。
「飼い主さんの気を引きたい」「こっちを見てほしい」という思いから、このような行動をとります。
部屋を出ていく
犬の嫉妬は、不安の表れでもあります。
飼い主さんの注目が得られないことで、犬は「もう自分は捨てられたんだ」と感じ、行動をとることを諦めてしまいます。
いつもなら一緒にいて甘えてくる愛犬が、部屋から出て行き視界から消えた場合には、不安や孤独を抱えている可能性があるでしょう。
落ち込む・拗ねる
飼い主さんが他のことに夢中になっていると、犬は拗ねてふて寝したり呼んでも無視したり不機嫌そうな素振りをみせます。
飼い主さんにとっては「眠そうだな」「ぼーっとしているのかな」と変化に気付かない場合もあるでしょう。
しかし、犬は落ち込みすぎると食欲を無くして、下痢や嘔吐などの体調不良を引き起こすこともあります。
たかが「嫉妬」と思わず、愛犬の体調に変化が生じた場合には獣医師さんに相談しましょう!
自傷行為
「行動ではどうすることもできない」と感じた犬は、自分の足を噛んだり頻繁に舐めたり「自傷行為」を行う場合もあります。
このような行動をしている時に「叱る」ことは絶対にしてはいけません。
愛犬からのメッセージだと受け取り、生活環境を変えてみたり愛犬との時間を見直してみるきっかけにしましょう。
犬が嫉妬した時の対処法
犬は「嫉妬」をすると同時に、大きなストレスを感じています。
ストレスは「万病のもと」といわれるほど、健康に悪影響を及ぼします。
そのストレスを解消するためには、犬が嫉妬した時の対処法を理解することが大切です。
以下では、嫉妬した時の対処法について詳しく紹介していきます。
嫉妬する状況を作らない
まずは、愛犬に「嫉妬させるような場面を見せない」「嫉妬させるような状況は作らない」ことが大切です。
どうしても避けれない場合は、嫉妬の対象になっている人や物はできるだけ遠ざけてください。
愛犬の性格を理解し、1度でも嫉妬しているなと感じた場面や状況は作らないように心がけましょう。
わざと嫉妬させない
愛犬が嫉妬している姿が可愛くて、何回もわざと嫉妬させるような行動をとってしまう方も少なくないでしょう。
しかし、愛犬が嫉妬している対象の人や物に噛みついてしまい思わぬトラブルに発展してしまう可能性もあります。
愛犬にとっても大きなストレスになるので絶対にやめましょう。
環境が変化した時は要注意
子供が生まれて新しい家族が増えた時や、新しく犬や猫を飼って環境が変わった場合には、犬は嫉妬する可能性が高いです。
嫉妬心が強くなると、思いがけない行動をとることもあるので、赤ちゃんや小さな子供がいる場合は目を離さないようにしましょう。
また、新しい犬や猫を多頭飼いする時は、先住犬との相性はどうか考えてから迎えいれましょう。
先住犬を優先する
新しい犬や猫を迎え入れた時には、先住犬に食事を優先的にあげて順位が変わらないことを示してあげましょう。
先住犬の立場を守り不安を取り除いてあげることで、気持ちに余裕ができて新しい子とも仲良くできます。
新しい子に目を向けたくなる気持ちは分かりますが、先住犬がどんな気持ちになるかを考えて行動しましょう。
大声で叱らない
愛犬が嫉妬から粗相や問題行動をした時、大きな声で叱ることはやめましょう。
粗相した時は大きな声で怒ったりせずに、静かに片付けてください。
また、問題行動をした時は無視して愛犬が落ち着くのを待つか、静かに注意しましょう。
飼い主さんが反応してくれないと理解すると、犬は問題行動は起こさなくなります。
犬のストレスを発散させてあげる
愛犬をドッグランや広い公園などで走らせて「ストレス解消」させてあげましょう。
また、日頃から愛犬との時間を確保して、おもちゃで遊んであげてください。
嫉妬心や不安が消えると落ち着きを取り戻し、リラックスして過ごせるようになります。
犬も「嫉妬する」ということを理解してあげよう!
おさらい
- 多頭飼いする場合は優先的に先住犬からご飯を与える
- 嫉妬させるような状況は避けるように心がける
- 問題行動を起こした時には反応せず無視するか静かに注意する
犬は飼い主さんのことが大好きなので、常に1番でありたいと強く感じています。
しかし、犬は言葉で寂しさや不安な気持ちを伝えることができないので、行動で伝えようとアピールしているのです。
飼い主さんはそのような行動の意味を汲み取り、愛犬が安心して過ごせるような環境づくりと接し方を考えてあげましょう。