犬の食事の基本は「ドッグフード」ですが、どうしても毎日同じ味のドッグフードでは、犬が飽きてしまい食いつきが悪くなります。
しかし、そんな時ドッグフードの上に野菜をトッピングするだけで、犬の食欲を取り戻せるかもしれません。
そこで、今回は「犬が食べてもOKな野菜」と「与える時の注意点」などを紹介します!
大事な愛犬に、安全な食事を与えるために「食べてもいい野菜」「食べてはいけない野菜」をしっかり把握しましょう!
この記事を読んでわかるポイント
- 犬が食べてもいい野菜がわかる
- 犬に野菜を与える時の注意点がわかる
- 野菜を使った手作りご飯レシピがわかる
【Contents】
犬は野菜を食べていいのか
そもそも「犬に野菜を与えてもいいの?」と疑問に感じている方も多いでしょう。
犬は、肉食動物と勘違いされがちですが、実は雑食動物なので、野菜を食べることに問題はありません。
犬にとって、野菜は絶対必要な栄養素ではないですが、食事のアクセントに使用している方が多いです。
しかし、野菜には繊維や水分が多く含まれており、食べ過ぎてしまうと下痢や栄養が偏ってしまう恐れもあります。
愛犬の体重や年齢、健康状態をみながら、野菜はドッグフードの10%以下にして、栄養が偏らないように気を付けましょう。
いつから野菜を与えてもいいのか
子犬は、まだ消化器官が未発達な状態なので、フードが変わると下痢をしてしまう場合があります。
そのため、成犬になるといわれている1歳を目途に、少しずつ様子をみながら、与えてみましょう。
犬に野菜を与える4つのメリット
犬にとって、野菜は必ず必要なものではありません。
しかし、野菜を摂取することで、期待できる健康効果もたくさんあります。
ここでは、犬に野菜を与える4つのメリットを紹介します。
4つのメリット
- 野菜から必要な栄養素を摂取できる
- ダイエット効果が期待できる
- 便秘解消
- 病気予防になる
1.野菜から必要な栄養素を摂取できる
野菜によって、摂取できる栄養素は異なりますが、主に摂取できる栄養素は「ビタミン」「ミネラル」「栄養素」の3つです。
この3つの栄養素は、犬にとって必要な栄養素なので、健康効果が期待できます。
また、野菜には水分が多く含まれているので、水分補給として活用されることもあります。
2.ダイエット効果が期待できる
人間と同じように、犬も野菜を摂取することで、ダイエット効果が期待できます。
少し肥満気味の犬には、ドッグフードの量を少なくして、その分野菜を与えることでダイエット効果を促進させます。
しかし、犬は食物繊維を消化するのが苦手なので、与えすぎてしまうと消化不良を起こしたり、胃内にガスが溜まったりする可能性があります。
そのため、食事量の10%前後の野菜を与えるようにしましょう!
3.便秘解消
野菜に多く含まれている「食物繊維」は、腸の壁を刺激したり、小腸の細菌バランスを整える役割があります。
そのため、犬の便秘解消の効果が期待されます。
とくに、日頃水分をあまり摂取しない犬には、野菜を与えることで便通が改善されることもあります。
4.病気予防になる
犬は体内合成で栄養素を作り出せる機能があります。
しかし、加齢とともに体内合成量が低下してしまうので、不足している栄養素は食事で補う必要があります。
そんな時、主食のドッグフードと野菜の栄養素のバランスを調節して栄養素を補えば、病気の予防になります。
ただし「野菜なら何でも食べていい」というわけではありません。
与えていい野菜・与えてはいけない野菜をしっかり把握しましょう!
犬が食べていいおすすめの野菜10選
野菜は、手作りフードやドッグフードのトッピングに最適です。
しかし、どの野菜も与えすぎはよくありません。
必ず適量を守って、健康的な食事をさせましょう!
ここでは、犬が食べていいおすすめの野菜10選とその野菜の特徴などを紹介します。
おすすめ野菜10選
- キャベツ
- ブロッコリー
- さつまいも
- ニンジン
- 大根
- かぼちゃ
- きゅうり
- トマト
- セロリ
- 小松菜
1.キャベツ
キャベツはビタミンが多く含まれており、ダイエット中のカサ増しとして役立ちます。
また、ビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含んでいるため、便秘解消の効果も期待できます。
生キャベツの食感を好んでいる犬も多いですが、吐き戻しをして、消化不良を起こしてしまう恐れがあります。
そのため、キャベツを与える時は、茹でてから細かく刻んでください。
※キャベツはアブラナ科の野菜なので、甲状腺に問題がある犬は獣医師に相談してから与えるようにしましょう。
生食 | △ |
加熱 | 〇 |
目安 | 10g~30g |
2.ブロッコリー
ブロッコリーは、房の部分を茹でてから与えましょう。
芯の部分は食物繊維が非常に多いので、消化不良を起こす可能性が高いです。
そのため、できれば避けた方がいいですが、どうしてもあげたいという方は、消化しやすいように細かく刻んでから与えてください。
栄養価がとても高く、がん予防・老化防止などの効果も期待できる野菜です。
※ブロッコリーはアブラナ科の野菜なので、甲状腺に問題がある犬は獣医師に相談してから与えるようにしましょう。
生食 | ✕ |
加熱 | 〇 |
目安 | 10g~20g |
3.さつまいも
さつまいもは、とても甘くおやつのような感覚で食べられるので、大好きな犬も多いのではないでしょうか。
筆者の愛犬も、さつまいもが大好きで、柔らかく茹でて皮を剥いてから与えてます。
さつまいもは、食物繊維が多く含まれているので便秘解消の効果が期待されますが、カロリーが高いので、与える量には気を付けなければなりません。
さつまいもは喉に詰まりやすいので、細かく刻んでから与えてください。
生食 | ✕ |
加熱 | 〇 |
目安 |
10g~15g |
4.ニンジン
ニンジンには、βカロテンやビタミンが多く含まれており、眼病予防や皮膚の健康をサポートする役割があります。
ヘルシーで甘味が強いため、おやつとしてもピッタリの野菜です。
ニンジンは、生のままだと硬く、喉を詰まらせる危険性もあるので、小さく刻む・茹でて柔らかくする・すりおろすなど、食べやすくしてあげましょう。
生食 | △ |
加熱 | △ |
目安 | 10g~20g |
5.大根
大根には、血液をさらさらにしてくれる・便秘予防などの効果をもつ、おすすめの野菜です。
大根に含まれている「消化を促す酵素」を活かしたい場合は、生のまますりおろしてから、与えるといいでしょう。
葉の部分は、栄養素は含まれていますが、繊維質が強いので細かく刻んで消化しやすい状態にしてください。
大根は水分がとても多く含まれているので、胃腸が弱い犬は下痢を起こす場合があるので、与えすぎには注意が必要。
※大根はアブラナ科の野菜なので、甲状腺に問題がある犬は獣医師に相談してから与えるようにしましょう。
生食 | 〇 |
加熱 | 〇 |
目安 | 10g~30g |
6.かぼちゃ
かぼちゃには、がん予防・眼病予防・利尿作用・抗酸化作用が含まれており、犬の健康をサポートしてくれます。
かぼちゃは、身と皮の間に栄養詰まっているので、皮の部分も一緒に食べるのが理想ですが、皮はとても硬いので、よく茹でて柔らかくしてから与えましょう。
しかし、かぼちゃは甘いのでカロリーが高めなので、適切な量を守ってあげてください。
生食 | ✕ |
加熱 | 〇 |
目安 | 10g~30g |
7.きゅうり
きゅうりは栄養が多く含まれている野菜ではありませんが、95%以上が水分なので、とくに害がある野菜でもありません。
水が多く含まれているので、水分補給になり、夏場に最適の野菜です。
しかし、与えすぎると水分が多すぎるため、下痢になる可能性もあります。
少しずつ、犬の様子をみながら与えましょう!
生食 | 〇 |
加熱 | 〇 |
目安 | 10g~30g |
8.トマト
トマトには、リコピンやカロテンが多く含まれいて、抗酸化作用や健康維持の効果が期待できます。
酸味や甘味があるトマトは、犬も喜んで食べますが、消化不良を起こす場合があるので、少量を加熱してから与えましょう。
トマトを与える時に、注意しなければならない点が2つあります。
2つの注意点
- 緑色の未熟なトマトはダメ!
(多くのトマチンという毒素が含まれているため) - トマトの葉・花・茎は絶対にあげない
(緑色の未熟なトマトの200倍近くのトマチンの毒素が含まれているため)
生食 | 〇 |
加熱 | 〇 |
目安 | 10g~20g |
9.セロリ
セロリには、マグネシウム・カルシウム・食物繊維などの多くの栄養素が含まれています。
少し独特な香りがするセロリですが、実は犬には好まれやすい野菜。
また、セロリは胃腸改善や毛艶がよくなるという効果があります。
繊維が多い野菜なので、細かく刻んでから、犬に与えましょう!
生食 | 〇 |
加熱 | 〇 |
10.小松菜
小松菜は94%水分でできていて、他にもカルシウム・鉄分・カリウムなどが含まれています。
栄養素がとても高く、免疫力アップや皮膚・粘膜の強化の効果も期待できます。
小松菜には、尿路結石症の原因になる「シュウ酸」が含まれているため、必ず軽く茹でたあとに、洗い流すようにしましょう。
生食 | 〇 |
加熱 | 〇 |
犬が食べてはいけない野菜
人間にとっては身体にいい野菜も、犬にとっては害を与えてしまう場合があります。
貧血や中毒症状を起こす危険性もあるので、大事な愛犬のために把握しておきましょう。
ネギ類
ネギ類のニラ・長ネギ・玉ねぎは絶対に犬に与えてはいけません。
ネギ類には、「アリルプロピルジスルファイド」という物質がはいっていて、この物質は赤血球を破壊してしまいます。
そのため、貧血をおこしたり、呼吸困難・下痢・血便・血尿など、最悪の場合は死に至るケースもあります。
「アリルプロピルジスルファイド」は、火を通しても消滅することはなく、ネギ類のエキスにも含まれています。
そのため、ネギ類が溶け込んでいるスープなども、与えないようにしましょう。
アボカド
アボカドには「ペルジン」という物質が含まれており、下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。
ペルジンは品質によって量に差があり、日本でよく見かける「グアテマラ産」は、ペルジンの量が多いといわれているので、与えないようにしましょう!
犬に野菜を与える時の注意点
犬に野菜を与える時に、気を付けてほしい注意点が3つあります。
愛犬の健康を守るために、飼い主さんが気をつけてあげましょう。
3つの注意点
- 適量を与える
- 結石に注意する
- アレルギーに注意する
1.適量を与える
犬は、雑食動物なので、野菜や果物などの繊維の消化酵素をもっていません。
そのため、食物繊維が多く含まれている野菜を大量に摂取してしまうと、消化不良を起こしてしまいます。
また、食物繊維は犬の腸や肝臓に負担をかけるので、糖尿病を患っている犬には必ず適量を与えるようにしましょう!
2.結石に注意する
野菜には「結石症」を発症する原因になる成分が、多く含まれているものがあります。
結石症の種類 | 原因となる物質 |
ストルバイト結石 | リン・マグネシウム |
シュウ酸カルシウム結石 | シュウ酸 |
野菜には上記のような物質が多く含まれているため、過去に結石症になったことがある犬に野菜を与える時は、事前に野菜の成分を調べるようにしましょう。
3.アレルギーに注意する
人間と同じように、犬にもアレルギーが存在します。
野菜を与える時は、少量ずつ与えて、犬に異常がないか確認してから与えるようにしましょう!
おすすめの野菜を使用した手作りフードレシピ
ここでは、上記で紹介した「犬も食べていいおすすめの野菜」を使った手作りフードレシピを紹介します。
ぜひこちらを参考にして、大事な愛犬のために、安全でおいしい手作りフードを作ってみてはいかがでしょうか?
必要な材料
- ささみ
- ゴマ
- 大根・キャベツ・ニンジン・トマトなどの野菜
手作りフードの基本は、肉が7割、野菜が3割です。
使用する野菜は、絶対にネギ類は入れないようにしてください。
魚が好きな犬には、ささみと魚を変更するのも、おすすめ!
作り方手順
- 野菜を全てみじん切りにする
- 鍋に水と野菜を投入し、沸騰したら火を止め、蓋を被せて余熱で野菜を煮る。
- フライパンにオリーブオイルをひいて、ささみを両面を軽く焼く。
(中まで火を通さず、余熱で焼く) - ささみと野菜が適温になったら、器に盛ってゴマを振りかけたら完成!
野菜を上手に活用しよう!
おさらい
- 与えすぎは消化不良を引き起こす可能性があるため適量与える
- 「結石症」になったことのある犬は必ず野菜の成分を調べる
- ネギ類とアボカドは絶対に与えてはいけない
肉食に近い犬は、野菜などの繊維が多い食べ物の消化が、得意ではありません。
しかし、野菜を上手に活用することで、便秘予防や腸内環境を整えるなどの、メリットもたくさんあります。
もし「この野菜は犬に与えてもいいのかな?」と不安に感じた場合は、獣医師に相談してから与えてください。
犬の体重や年齢などを考えたうえで、適切な量の野菜を与え、愛犬の健康を守りましょう!
下記の記事では「犬が食べてもいいお肉」を紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。
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