愛犬の大好物は「お肉」という飼い主さんも、多いのではないでしょうか?
筆者の愛犬も、ドックフードの上にお肉をトッピングして与えると、すぐに食べてしまいます。
お肉には、犬にとって必要な栄養素がたくさん含まれており、与え方や調理方法も異なります。
そこで今回は、愛犬に食べさせたいおすすめお肉の種類や特徴、お肉を使った手作りご飯のレシピなどを紹介します。
この記事を読んでわかるポイント
- 犬に肉を与える時の注意点がわかる
- 犬に与えてもいい肉の種類がわかる
- 肉を使った手作りご飯のレシピがわかる
【Contents】
犬は肉を食べてもいいのか
「そもそも犬に肉を与えてもいいのか?」と、疑問に感じている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
犬は野生の頃、捕獲した小動物などを、生のまま食べていました。
そして、その頃から現在まで、犬の消化器官の仕組みは変わっていないので、肉を食べても問題はありません。
しかし、食べ慣れていない肉や種類によって、お腹を壊す可能性があります。
はじめて犬に肉を与える場合は、少量ずつ様子を見ながら与えるようにしましょう。
犬にお肉を与える時に気を付けたい4つの注意点
上記では「犬がお肉を食べても問題はない」と記載しましたが、与え方には十分注意しなければなりません。
愛犬の健康を守るためにも、注意点はしっかり把握し、安全なお肉を与えましょう。
4つの注意点
- 脂肪分の多いお肉は少量に抑える
- 脂肪の酸化に気を付ける
- タンパク質のアミノ酸バランスを計算する
- 与える生肉の安全性を確認する
1.脂肪分の多いお肉は少量に抑える
お肉を食べることによって「脂肪分」という栄養素を得ることができます。
犬にとって脂肪分は、とても大切な栄養素で、犬にエネルギーを与えてくれます。
しかし、お肉の種類によっては、脂肪分が多すぎるお肉もあります。
過剰な脂肪分を含むお肉を犬に与えると、肥満の原因や健康被害の危険性もあります。
そうならないためにも、「与える量は少なめにする」「お肉の脂肪分の塊は避ける」などの対策をしましょう。
2.脂肪の酸化に気を付ける
お肉に含まれている「脂肪の酸化」には、とくに注意が必要です。
脂肪は、加熱処理をしたり、空気に長時間触れてしまうと、酸化現象が起こります。
酸化された脂肪分は、犬の健康に悪影響を及ぼし、さまざまな病気に繋がる恐れがあります。
なので、脂肪の酸化が進まないように、「お肉を必要以上に加熱しない」「長期間お肉を保存しない」ということを必ず守りましょう。
3.タンパク質のアミノ酸バランスを計算する
犬の健康な体作りのために、とても重要な栄養素「タンパク質」
タンパク質の栄養素を摂取するうえで、大切なポイントはアミノ酸のバランスです。
タンパク質は、20種類のアミノ酸によって作られており、犬が必要とする20種類のアミノ酸のバランスは、それぞれ必要量が決まっています。
そのため、できるかぎり必要量にそった、バランスのいいアミノ酸を摂取することが大切ですが、1種類のお肉だけでアミノ酸バランスを整えることは困難です。
そのため、魚・乳製品・卵・植物性タンパク質などをお肉に加えて、アミノ酸バランスを計算してから、与えるようにしましょう。
4.与える生肉の安全性を確認する
上記で記載したように「脂肪の酸化」などの危険性を考えると「お肉は加熱をせずにそのまま生肉で食べた方がいいのか」と考える飼い主さんも多いでしょう。
実際、犬にとって生肉の方が必要な栄養素が多く、消化がしやすいというメリットもあります。
しかし、生肉には、サルモネラ菌・大腸菌といった食中毒の原因となる菌が付着しています。
そのため、犬に生肉を与える場合は、必ず安全性が高いものかを確認し、確証がもてない時は、適度に加熱処理をするようにしましょう。
愛犬に食べさせたいおすすめお肉の種類
お肉にはさまざまな種類があり、どのお肉を愛犬に与えようか迷ってしまいます。
どのお肉にも犬にとって必要な栄養素が含まれており、アレルギーではない限り、食べてはいけないお肉はありません。
しかし、調理方法や与え方など、気を付けなければならない注意点がいくつかあります。
ここでは、お肉の特徴や与え方、どんな犬に適しているかなどを詳しく紹介します。
鶏肉
鶏肉は「低カロリー」「高タンパク」「低脂肪」が特徴で、味が淡泊なので犬がとても食べやすいお肉。
皮膚や粘膜の強化してくれる「ビタミンA」もとても豊富で、牛肉の10倍・豚肉の3倍以上も含まれています。
消化吸収に優れているので、疲労効果などにも効果が期待できます。
食べてもいい部位 | ささみ・レバー・砂ぎも・手羽先・手羽元・むね・鶏皮・もも |
注意点 | ・必ず加熱処理をしてから与える ・部位によってカロリーが高いので減量中の犬は気を付ける |
適している犬 | ・皮膚がデリケートな犬 ・胃腸に不安がある犬 ・シニア犬 |
鶏肉メイン無添加ドックフード | 【ジウィピーク】エアドライ・ドッグフード フリーレンジチキン |
豚肉
豚肉は他の肉と比較して、ビタミンB1が非常に多く、牛肉の約10倍。
ビタミンB1は、糖質からエネルギーに変換する働きがあり、疲労回復や夏バテの効果があるといわれています。
また、皮膚や粘膜の健康維持をサポートする役割もあるので、健康に気をつかっている犬には、最適なお肉です。
食べてもいい部位 | 肩ロース・ロース・ヒレ・もも・バラ |
注意点 | ・脂身はできるだけ避ける ・必ず加熱処理をしてから与える |
適している犬 | ・肥満気味の犬 ・活動量の多い成犬 |
牛肉
牛肉には、犬にとって必要なアミノ酸がバランスよく配合されており、良質なタンパク質が多く含まれています。
さらに、カルニチンも多く入っているので、脂肪を燃焼させる効果も期待できます。
牛肉の部位で「ヒレ」や「もも」は、脂身が少なくタンパク質が豊富なので、どんな犬にも与えやすいでしょう。
また、貧血予防と改善に効果がある「ヘム鉄」という鉄分が多く含まれているため、牛肉は貧血気味の犬におすすめのお肉です。
食べてもいい部位 | ロース・ヒレ・もも・バラ |
注意点 | ・できるだけ脂身は避ける ・味付けがさえてあるお肉は与えない |
適している犬 | ・成長期の子犬 ・活動量の多い成犬 |
牛肉メイン無添加ドックフード | 【ジウィピーク】エアドライ・ドッグフードNZグラスフェッド・ビーフ |
羊肉
減量中の犬におすすめしたいお肉が「羊肉」
体内脂肪を燃焼させる役割がある「カルニチン」がお肉の中で1番多く含まれており、魚と同じくらいのコレステロールなので、減量中の犬にピッタリ!
また羊肉は、老化防止やボケ防止・心臓病予防にも効果が期待されており、犬に必要なお肉が豊富に含まれている優秀なお肉だといえます。
注意点 | ・シニア犬には負担になる可能性があるので少量にする ・加熱処理をしてから与える |
適している犬 | ・成長期の子犬 ・肥満気味の犬 |
羊肉メイン無添加ドックフード | 【ジウィピーク】エアドライ・ドッグフード ベニソン |
馬肉
馬肉は「高タンパク」「低脂肪」「低カロリー」なお肉です。
質のいいタンパク質を、豊富に含んでいるため、シニア犬や肥満気味の犬にとって、理想的なお肉だといわれています。
また、馬は体温が高いので寄生虫が少ないといわれており、新鮮なお肉であれば、生のまま食べることができます。
しかし、馬肉には「生食用」「加熱用」があるので、生のまま与えたい場合は、必ず「生食用」と記載されてるものを選びましょう!
注意点 | ・ミネラルが多いので結石症に不安がある犬は避ける ・万が一寄生虫が付着していた場合を考えて冷凍処理をする ※下記に詳しく記載しています |
適している犬 | ・他のお肉で肉アレルギーがある犬 ・肥満気味の犬 ・シニア犬 |
生肉のまま与えてもいいとされている「馬肉」ですが、100%安全というわけではありません。
馬に付着する寄生虫「ザルコシスティス・フェアリー」は、冷凍処理をすることで死滅するといわれています。
下記の表を参考に、安全に愛犬に馬肉を与えるために、冷凍処理をしましょう。
温度 | 冷凍時間 |
-20度 | 48時間以上 |
-30度 | 36時間以上 |
-40度 | 18時間以上 |
液体窒素に浸した場合 | 1時間以上 |
一般家庭の冷蔵庫の温度は、-18度から-20度に設定されているので、48時間以上冷凍処理を行う必要があります。
鹿肉
鹿肉は「低カロリー」「高タンパク」「鉄分」が、豊富に含まれていることが特徴です。
牛肉や鶏肉に比べて、高タンパクでビタミンB群やミネラルも多いので、肥満防止にも効果が期待できます。
しかし、鹿は野生の動物なので、寄生虫が付着している可能性が高いので、必ず火を通してから犬に与えるようにしましょう。
注意点 | ・必ず加熱処理をしてから与える |
適している犬 | ・肥満気味の犬 ・シニア犬 |
お肉を使った手作りご飯レシピ
上記で紹介したお肉を使った、簡単に作れる手作りご飯レシピを紹介します。
大事な愛犬だからこそ、安全性が高く、栄養バランスがいい食事を与えましょう!
鶏肉を使った【ピーマンの肉詰め】
減量中の犬におすすめのメニュー!
さらに、ヘルシーに仕上げたいという場合は、おからの量を増やし、鶏ミンチの量を減らすといいでしょう。
おからには、血流改善・動脈硬化の予防・肝臓の保護などの役割があるので、犬にとって必要な栄養素が多く含まれている食材です。
材料
- 鶏ミンチ:30g
- おから
- ひじき:小さじ1
- ピーマン:1個
- オリーブオイル:小々
- プチトマト:1個~2個
調理手順
- ピーマンは種を取り除き、2cm幅で輪切りにする
(小型犬は薄く輪切り・中型犬や大型犬は縦切りでもOK) - 鶏ミンチ・おから・ひじきを混ぜ合わせ、ハンバーグ状に形を整える①の具材をピーマンに詰める
- フライパンにオリーブオイルを薄くひいて、ピーマンを焼く
- ピーマンの側面にも火を通し柔らかくなるまで待つ
- プチトマトを細かく刻んで、ピーマンの上にかけたら完成!
豚肉を使った【冷しゃぶとカボチャのスープ】
夏バテで食欲がない犬に最適のメニュー!
豚肉には、「疲労回復効果」や「夏バテ防止効果」があるといわれています。
また、ピーマンには口臭予防や抗酸化作用・抗がん作用もあるなど、犬の健康をサポートしてくれます。
材料
- 豚肉:25g
- カボチャ:1片
- ピーマン:¼個
- レタス:½個
- パセリ:少々
- 片栗粉:少々
調理手順
- 豚肉を茹でて冷ます
- カボチャとピーマンを犬が食べやすいサイズに切って、煮込む
(柔らかさは犬の噛む力に合わせる) - カボチャとピーマンが柔らかくなったら、水で溶いた片栗粉をいれて、とろみをつける
- お皿に、豚肉・煮たカボチャとピーマン・レタスを盛り付け、パセリを振りかけたら完成!
牛肉を使った【牛肉のトマト煮込み】
15分程度で簡単に調理できるので、料理が苦手な飼い主さんにもピッタリなメニュー!
トマトには、リコピンやカロテンが多く含まれいるので、抗酸化作用や健康維持の効果が期待できます。
トマトの酸味を好む犬も多いので、1度作ってみてはいかがでしょうか?
材料
- 牛肉:25g
- トマト¼個
- ピーマン:大¼個
- ニンジン:適量
- じゃがいも:小½個
調理手順
- 牛肉・トマト・ピーマン・ニンジン・じゃがいもは、犬が食べやすいいサイズに切っておく
- 沸騰した鍋に、じゃがいも・ニンジン・牛肉を入れて、柔らかくなるまで煮る
- ②の材料が柔らかくなったら、トマトとピーマンをいれる
- 器に盛り付けたら完成!
羊肉を使ったヘルシーラム肉しゃぶしゃぶ
犬が大好きなさつまいもと、低カロリーなのに多くの栄養素が含まれている羊肉が入っているメニュー!
羊肉は減量している犬に最適なので、ちょっと肥満気味かな?と感じている飼い主さんは、このメニューを参考に「減量ご飯」を作ってあげてください。
材料
- 羊肉:薄切り1枚
- キャベツ:1枚
- さつまいも:¼個
- トマト¼個
調理手順
- さつまいもを柔らかくなるまで電子レンジでチンする
- キャベツを茹で、その残りの汁で羊肉の脂が落ちるようにしゃぶしゃぶする
- 茹でたキャベツとラム肉を細かく刻む
- 付け合わせに、さつまいもとトマトを盛り付けて完成!
犬の1日の摂取カロリーを把握しよう!
上記では、6種類のお肉を紹介しました。
お肉の種類によって、カロリー量が異なりますが、皆さんは愛犬の1日の摂取カロリーはご存じでしょうか?
1日の摂取カロリーを守らなければ、大事な愛犬が肥満になってしまい、健康に悪影響を及ぼしてしまいます・・・
そうならないためにも、1日の摂取カロリーは必ず把握しておくべきです。
ここでは、犬の体重別(去勢・避妊手術をしている成犬)の摂取カロリーを、表にまとめました。
手作りご飯を作る時や犬におやつを与える時などに、参考にしてください!
超小型犬(5㎏以下)
トイプードル・チワワ・ポメラニアン・豆柴などの犬種
体重 | 摂取カロリー |
1㎏ | 112kcal |
2㎏ | 189kcal |
3㎏ | 256kcal |
4㎏ | 317kcal |
5㎏ | 374kcal |
小型犬(6㎏~10㎏)
コーギー・キャバリア・シーズー・柴犬などの犬種
体重 | 摂取カロリー |
6㎏ | 429kcal |
7㎏ | 482kcal |
8㎏ | 533kcal |
9㎏ | 582kcal |
10㎏ | 630kcal |
中型犬(11㎏~20㎏)
ビーグル・フレンチブルドッグ・ボストンテリアなどの犬種
体重 | 摂取カロリー |
11㎏ | 677kcal |
12㎏ | 722kcal |
13㎏ | 766kcal |
14㎏ | 811kcal |
15㎏ | 854kcal |
16㎏ | 896kcal |
17㎏ | 938kcal |
18㎏ | 979kcal |
19㎏ | 1,019kcal |
20㎏ | 1,059kcal |
栄養満点なお肉食べさせて、愛犬の健康を守ろう!
おさらい
- 栄養が偏りすぎないようにバランスよく与える
- お腹を壊さないように少量ずつ与える
- 愛犬の1日の摂取カロリーを把握しておく
お肉には、犬に必要な栄養素が多く含まれていますが、お肉だけを与えていると栄養が偏ってしまいます。
そのため、お肉を与える時はドックフードの上にお肉をトッピングしたり、上記で紹介したような手作りご飯を作って野菜と一緒に与えるようにしましょう!
また、適切な量を守ることも重要なポイントです。
与えすぎは肥満の原因になり、さまざまな病気の要因になってしまいます。
必ず愛犬の1日の摂取カロリーを把握し、適量を与えるようにしましょう。