「犬派?」「猫派?」と質問されても「どちらも違う可愛さがあるので選べない」という方も多いでしょう。
そういう方は「犬と猫を一緒に飼う」ということを、一度検討してみませんか?
筆者も、犬を飼い始めて1年が過ぎた頃、捨て猫を保護し「犬と猫の同居」が始まりました。
2匹が仲良く同居ができるか心配に感じていましたが、現在、程よい距離感を保ちながら仲良く生活を送っています。
そこで、今回この記事では、筆者の実体験を加えながら「犬と猫を同居させる時のポイントや注意点」などを詳しく紹介していきます。
この記事を読んでわかるポイント
- 犬と猫の習性の違いがわかる
- 犬と猫の同居に必要なものがわかる
- 犬と猫を仲良くさせる9つのコツがわかる
【Contents】
犬と猫の習性の違い
犬と猫の同居をさせる前に、まず理解しておきたいことは「犬と猫の習性の違い」です。
それぞれの特徴を理解し、両者に適した生活環境を整えてあげることで、よりよい同居生活が送れるでしょう。
ここからは「犬と猫の習性の違い」について解説していきます。
犬の習性
犬は獲物を捕まえる時や、食事・睡眠をとる時など、基本的に群れで生活する動物です。
そのため、群れである「家族」をとても大切に思っているので、家族との触れ合いを求める犬が多いです。
また、群れで過ごしていた犬は「リーダーに従う」という本能があります。
この本能から「飼い主=リーダー」と認識するため、犬は従順に振る舞います。
猫の習慣
犬は「群れ」で活動する動物ですが、猫はそれとは対照的に「単独」で行動する動物だといわれています。
猫はとてもマイペースな性格なので、1人の時間を好みますが、たまに飼い主さんに甘えることもあります。
このような猫の「ツンデレ」な性格に、魅了される方も多いのではないでしょうか?
また、昼に活動する犬とは異なり、猫は基本的に昼は寝て、夜になると活発に活動を始めます。
縄張り意識の違い
犬と猫はどちらも「縄張り意識」が強い動物ですが、縄張りに対する認識は異なります。
犬は、自分が暮らす家全体を「縄張り」と考え、そこで生活を共にする家族を「仲間」だと認識するので、基本的に縄張りに入られても怒ることはありません。
しかし、猫は寝床やキャットタワーなど、家の中に「自分だけ」の縄張りを作ります。
たとえ家族であっても、その縄張りの中に侵入されてしまうと、不快感を覚える猫が非常に多いのです。
このような、犬と猫の「縄張り意識の違い」によって、犬が猫の縄張りとは知らずに侵入してしまい、喧嘩に発展してしまうというケースもあります。
生活習慣の違い
犬は昼間に活動して夜は寝ていますが、猫は早朝と夕方に活動して昼間は寝ていることが多い動物です。
それぞれ、寝ている時間と活動する時間が異なるため、両者の生活リズムを把握し生活環境を整える必要があります。
例えば、犬が睡眠をとっている時に、猫が走ったり鳴き出してしまうと、犬は睡眠が妨害されストレスになってしまう可能性があります。
そのようなことにならないために、猫が入ってこれない部屋に、犬のゲージを設置するなどの工夫をしてあげましょう。
スキンシップの違い
犬は、飼い主さんとのスキンシップを好み、コミュニケーションをとることで愛情を感じます。
しかし、猫は心を許している飼い主さんでも、気乗りしない時に触れられると不快感を抱きます。
そのため、犬と猫に同じ接し方をしてしまうと、猫はストレスを溜めてしまう可能性があるので、それぞれに適した接し方を考えましょう!
臭いの違い
犬と猫を比較すると、猫は綺麗好きで、自分で毛づくろいを頻繁に行うため「猫の方が臭いがきつくない」といわれています。
犬は自分で毛づくろいができないので、定期的にシャンプーしたりトリミングを行う必要があるので、猫より費用がかかります。
犬と猫の同居に必要な物と手続き
犬と猫の同居を始めるにあたって、必要な手続きは以下の通りです。
3つの手続き
- 予防接種の手続き
- ペット保険
- 飼い犬の登録
ここからは「手続き以外で必要になるもの」を紹介していきます。
犬を飼うにあたって必要なもの
犬にとって必要なもの
- サークル・犬用ベッド
- トイレ・トイレシート
- 犬専用の食器
- ハーネス・リード
- おもちゃ
犬は狭く暗い場所を好むので、屋根付きのハウスや犬用ベッドを用意してあげましょう。
また、猫用の砂用トイレは犬が誤飲してしまう危険性があるので、犬用専用のトイレシートを購入するようにしましょう。
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猫を飼うにあたって必要なもの
猫にとって必要なもの
- キャットタワー
- 猫砂
- 猫専用の食器
- 首輪
- 爪とぎ
猫は高い場所を好む傾向があるので、キャットタワーや高い棚の上にクッションを置くなどして、猫がリラックスできる場所を作りましょう。
また、猫は犬に必要以上構われるとストレスになってしまう場合もあるので、猫が1人になれるスペースを確保してあげてください。
猫は爪が鋭くとがっているので、犬を傷つけてしまわないためにも「爪とぎ」を用意しましょう。
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犬と猫を同居させる時のタイミング
犬と猫は習性や性格が異なるため、それぞれに考慮して家族に迎え入れることが大切です。
ここからは「犬を先に飼い猫を後から迎え入れる時のポイント」と「猫を先に飼い犬を後から迎え入れる時のポイント」を詳しく紹介します。
これから、犬と猫の同居を考えている方は、参考にしてみてはいかがでしょうか?
犬を後から迎え入れる時のポイント
猫が「社会化期」を終えている場合、すぐに猫から犬に歩み寄ることは難しいでしょう。
先住の猫といい関係を築くためには、犬に猫との「上下関係」を認識させる必要があります。
例えば、ご飯を与える時やお世話をする時は先住の猫に優先的に行うことで、犬は「この家では猫が先輩」ということを覚えます。
そうすることで、従順な性格の犬は「猫が自分より立場が上だ」と理解し、猫といい関係を築くことができるでしょう。
また、飼い主さんがあとから家に来た犬ばかり構っていると、猫はヤキモチやストレスを感じてしまいます。
できるだけ、お世話をする時は先住の猫を優先してあげましょう!
1人の時間が好きな猫にとって、別の動物と同居するのは簡単なことではありません。
先住の猫に配慮しながら、犬へのしつけはしっかりと行い、両者が快適に過ごせるような生活環境を整えることが大切です!
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猫を後から迎え入れる時のポイント
犬は群れで活動する動物なので、飼い主さんが連れてきた新入りの猫も「仲間」として受け入れます。
また、猫を迎え入れる時期は、生後2週間~9週間の「社会化期」といわれる時期がいいとされています。
社会化期の猫は、何事も吸収できる柔軟な時期なので、先住の犬の存在もスムーズに受け入れることができます。
しかし、成犬と子猫では体格差があるので、じゃれて遊んでいる時に子猫が怪我をしてしまう危険性もあります。
猫が体が大きくなり、生活環境に慣れるまでは、飼い主さんが目を離さないようにしましょう!
また、犬はとてもヤキモチ焼きで縄張り意識が強い動物なので「心のケア」を忘れずに行ってください。
先住の犬に優先的にご飯を与え、あとから迎え入れた猫ばかりに、構いすぎてしまわないように気を付けましょう。
成猫を迎え入れる場合は、先住の犬と喧嘩に発展してしまう可能性が高いです。
そのため、両者の性格・相性を考えてから、家族に迎え入れるかどうか判断しましょう!
犬と猫を仲良くさせる9つのコツ
犬と猫は全く別の動物なので、仲良くなるまでには少し時間が必要でしょう。
犬と猫が仲良くなるには、飼い主さんの手助けが重要なポイントになります。
ここでは「犬と猫を仲良くさせる9つのコツ」を紹介していきます。
- 既に犬を飼っていてこれから猫を迎えようと考えている方
- 既に猫を飼っていてこれから犬を迎えようと考えている方
- 犬と猫の同居生活がうまくいっていない方
上記に該当する方は、この9つのコツを試してみることをおすすめします!
9つのコツ
- 両者のお互いの性格を考慮する
- 犬のしつけを行う
- 猫に縄張りを与える
- 猫トイレに犬を近づけない
- 犬のエネルギーを発散させる
- 犬と猫を対面させる前にお互いの臭いを覚えさせる
- 初対面は慎重に行う
- エサとおもちゃは一緒にしない
- できれば幼少期から一緒に過ごす
1.両者のお互いの性格を考慮する
犬と猫にも、それぞれの性格があるため、両者の相性が悪い場合もあります。
また、老犬とやんちゃ盛りな子猫が、一緒に過ごすことは難しいでしょう。
万が一、両者の相性が合わなければ、無理に一緒の空間で過ごさせることはせずに、生活スペースを分けてあげるといいでしょう。
両者がストレスを溜めない生活環境を、作ってあげることが飼い主さんの大事な役目です!
2.犬のしつけを行う
犬は好奇心旺盛な性格なので、衝動的に猫に飛びついてしまう場合があります。
そのため、犬と猫が安心して生活を送るためには「犬のしつけ」が重要なポイントになります。
まず、同居を始める時は、しばらくの間別室で過ごさせましょう。
そして、犬と猫を対面させる時は、犬を抱っこして気持ちを落ち着かせます。
その状態に慣れてきたら、直に対面させ交流させ、様子をみましょう!
3.猫に縄張りを与える
猫は自分だけのリラックスできる場所が必要なので、犬が入ってこれない縄張りを作ってあげましょう。
高い場所を好む傾向があるため、本棚などの高い場所にクッションやベットなどを設置します。
そうすることで、猫は上から犬の行動を観察したり、誰にも邪魔されることなく体を休ませることができます。
4.猫トイレに犬を近づけない
猫は警戒心が強いため、犬がトイレの近くにいると安心して排泄することができません。
また、犬は猫の糞を食べてしまう場合があるので、健康に害を及ぼす可能性もあります。
そのようなことにならないためにも、犬が猫用トイレに近づかないように、柵を設置するなどの工夫をしましょう!
5.犬のエネルギーを発散させる
犬のエネルギーを発散させることで、犬は自分の興奮状態を抑えることができます。
また、犬には適度な刺激が必要なので、それが乏しいと猫を追いかけまわしてしまうなんてことも・・・
そうならないためには、飼い主さんが犬とたくさん遊んで運動させることが大切です!
6.犬と猫を対面させる前にお互いの臭いを覚えさせる
犬と猫を対面させる前に、お互いの臭いを覚えさせましょう。
例えば、犬のおもちゃを猫に嗅がせてみたり、猫のベットを犬に嗅がせてみるなど・・・
そうすることによって、好奇心を掻き立て、喧嘩を避けることができるでしょう。
7.初対面は慎重に行う
1度しかない「初対面」は、とても重要なので慎重に行う必要があります。
犬と猫の初対面のタイミングは「食事の時間」がおすすめです。
犬と猫を閉めたドアで仕切った状態で食事を与え、お互いの姿は見えないけど食事の匂いはするという状況を作ります。
この状態を数週間続け、少しずつお互いの姿が見えるようにしましょう。
そうすることによって「食事をしている幸せな時間にいつも一緒にいる」と、相手のことをいい印象で認識するようになります。
そこから、食事は別々に与えながらサークルなどに仕切りを変え、最後は仕切りはなにもない状態で食事を与えてみましょう。
お互い気にすることなく、隣同士で食事をとることができれば、距離を縮めることに成功です!
8.エサとおもちゃは一緒にしない
必ず、犬と猫の専用食器を用意しましょう。
もし、猫が犬のエサに手を出してしまった場合、犬は猫に攻撃していまう可能性があります。
喧嘩を避けるためには、部屋の別々の場所でエサを与えるようにしましょう。
また、おもちゃも同じように取り合いになる可能性があるので、別々の場所で遊ばせてください。
9.できれば幼少期から一緒に過ごす
幼いころから同じ環境で育つと、大人になってもいい関係で同居生活を送りやすいといわれています。
やはり、犬も猫も幼少期は柔軟に物事を捉えることができ、相手のことを受け入れやすいのでしょう。
そのため、できるだけ両者が幼いころから、飼い始めることをおすすめします!
犬と猫を同居させる時の注意点
ここからは、犬と猫を同居させる時に気を付けたい2つの注意点を紹介します。
2つの注意点は以下の通りです。
2つの注意点
- 両者の爪を整える
- それぞれのストレス解消法を見つける
両者の爪を整える
犬と猫の同居の魅力な点は、かわいい2匹がコミュニケーションをとっている姿を見ることができることです。
2匹が仲良さそうにじゃれ合って、遊んでいる姿にはとても癒されます。
しかし、そのじゃれ合いが、トラブルを起こしてしまうかもしれません。
両者の爪がケアされておらず、鋭く尖っている状態のままだと、じゃれ合っているうちに相手のことを傷つけてしまう場合があります。
筆者が飼っている猫と犬も、じゃれ合っている最中に猫の爪が犬の眼球に入りそうになり、ヒヤッとした経験があります。
眼球を傷つけてしまうと、取り返しがつかない場合もあるので、とても危険です・・・
そのような危険な事態を避けるためにも、日頃からこまめに犬と猫の爪は整えるように心掛けてください。
もし、犬と猫が暴れてしまい爪を整えることが難しいなら、動物病院やペットサロンに行きましょう!
それぞれのストレス解消法を見つける
どれだけ、飼い主さんが犬と猫の同居生活に気を配っていても、犬と猫の縄張り意識や生活リズムの違いから、ストレスを感じ喧嘩をしてしまう時があります。
そのため、それぞれに合ったストレス解消法を見つけてあげることが大切です!
犬のストレス解消法
ドッグランで思いっきり走らせる
いつもより長く散歩に連れて行く
おもちゃでたくさん遊ばせる
猫のストレス解消法
キャットタワーを設置してリラックスできる空間を作ってあげる
猫用のおもちゃでたくさん遊ばせる
犬と喧嘩した時に逃げれる場所を確保してあげる
同居生活でおこる可能性がある病気とは
同居生活をすることで、日々のストレスをため込んでしまった場合、病気を引き起こす可能性が考えられます。
何か異変を感じた場合には、早急に動物病院を受診しましょう!
ストレス
ストレスがきっかけで、脱毛・食欲不振・元気がない・下痢・嘔吐・皮膚病になる危険性があります。
また、問題行動を引き起こす場合もあるので、はやめの対処が肝心です。
犬の問題行動
皮膚をしつこく舐める
無駄吠えする
家具に噛みついたり破壊行動をおこす
粗相をする
猫の問題行動
家のクロスや家具などで爪とぎをする
マーキング行為を行う
飼い主さんや犬に爪を出す
猫がなりやすい「下部尿路疾患」
「下部尿路疾患」とは排泄に関する病気の総称です。
排泄に関する病気には、尿管結石・血尿・尿道閉塞などがあります。
猫は縄張り意識が非常に強いため、そこに何かが侵入することによって、大きなストレスを感じます。
とくに、猫にとって「トイレ」は、誰にも近寄ってほしくない「プライベートな場所」なので、誰かがいると排泄を我慢してしまいます。
しかし、排泄を我慢してしまうことで「下部尿路疾患」になってしまうリスクが高まるといわれています。
下部尿路疾患は最悪の場合「死に至るケース」もあるので、トイレのプライベート空間は必ず確保してあげましょう!
猫と相性がいい犬の血統種
犬と猫の相性は、性格や年齢・どちらが先住かによって決まりますが、実は「犬の血統種」によっても、相性のよさが関係するといわれています。
そこで、今回は猫と相性がいいとされている「犬の血統種」を紹介します。
猫と相性がいい犬の血統種
- ダックスフント
- ジャーマンシェパード
- ゴールデンレトリバー
- ビーグル
- バセットハウンド
- ラブラドールレトリバー
- コリー
- コッカースパニエル
- ボーダーコリー
- プードル
犬と猫が快適に過ごせる空間を作ろう!
おさらい
- 犬と猫それぞれに適した生活環境を整える
- 無理に仲良くさせようとはせず、少しずつ距離を縮める
- ストレスのサインを見逃さないように気を付ける
犬と猫の同居生活がうまくいくかどうかは「飼い主さん次第」といっても過言ではありません。
仲良く快適に過ごせるように、環境を整え手助けをしてあげましょう!
筆者も、犬と猫と一緒に生活を送っていますが、それぞれの可愛さを同時に見ることができ、とても癒される毎日です。
この記事を参考に「犬と猫の同居生活」を検討してみてはいかがでしょうか?