- ハムスターを撫でようとケージの中に手をいれたら「ガブっ」と噛みつかれた
- ハムスターが夜中にケージをガジガジしている音で起きてしまう
ハムスターを飼っている方は上記のようなことを経験したことはありませんか?
ハムスターはさまざまな原因によって、飼い主さんの手やケージを噛んでしまうことがあります。
しかし、噛み癖を放置しておくと、ハムスターと飼い主さんのどちらとも怪我をしてしまう可能性があるので非常に危険です。
そのような状況を避けるためにも、飼い主さんはハムスターが噛んでしまう原因を探し、その原因に合った「対処法」を見つけることが大切です。
そこで、この記事では「ハムスターが手やケージを噛む理由と対処法」について詳しく紹介していきます。
この記事を読んでわかるポイント
- ハムスターが手やケージを噛む原因がわかる
- 噛むことをやめさせる「対処法」がわかる
- ハムスターに手を噛まれた時の対処法がわかる
【Contents】
ハムスターが手を噛む「7つの原因」
ハムスターが突然手を噛んでくるとビックリして触れることが怖くなってしまうでしょう。
手を噛むということは自分のことが嫌いなのかな?と考えてしまいますが、本当にそうなのでしょうか?
ここからは、ハムスターが飼い主さんの手を噛んでしまう「7つの原因」について解説していきます。
人の手を噛む7つの原因
- 餌と勘違いしている
- 栄養が足りていない
- 興味本位で噛んでいる
- 突然触られてビックリした
- ストレスが溜まっている
- 妊娠している
- 飼い主さんに何かを伝えようとしている
餌と勘違いしている
ハムスターは視力がよくないため、味覚・嗅覚を使って餌かどうかを確認しています。
そのため、飼い主さんが手を伸ばして餌をあげると、餌だと勘違いして飼い主さんの手に噛みついてしまうことも・・・
また、ハムスターは警戒心が強いので、飼い主さんの手から素早く餌を取ろうとして「ガブッ」と噛んでしまう場合もあります。
どちらにせよ、ハムスターには悪気がないので、噛まれてしまっても穏やかな気持ちで接しましょう。
栄養が足りていない
ハムスターは「動物性タンパク質」が不足すると、本能的に動物の肉を欲してしまうため、飼い主さんの手を噛んでしまいます。
とくに、生まれてから間もない赤ちゃんのハムスターには、この本能がとても強く表れる傾向にあります。
また、飼い主さんの手に食べ物のいい匂いがついていると、思わず噛んでしまうこともあるようです。
興味本位で噛んでいる
前述したとおり、ハムスターは視力が悪いので、餌かどうか判断するために手を噛んで確かめていることがあります。
ハムスターは何でも噛んでしまう習性があるため、手だけではなく気になったものは全て噛んでしまうので注意が必要です。
しかし、噛むことで「餌ではない」と確認することができたら、それ以上噛むことはないでしょう。
突然触れられてビックリした
ハムスターは急に触られたり、予想外な触り方をされるとビックリして噛みついてしまいます。
自分の身を守るために噛んでいるので、この時は甘噛みではなく力いっぱい噛んでくることが多いでしょう。
ストレスが溜まっている
ハムスターはストレスが溜まりやすい動物なので、些細なことでもストレスに感じてしまいます。
ハムスターのストレスを放置しておくと「病気」の原因になり、寿命が短くなってしまう可能性もあります。
そのため、飼い主さんはハムスターが快適に過ごせるストレスフリーな環境を整えてあげることが重要です。
ハムスターのストレスに感じやすい原因は以下のとおりです。
ストレスに感じやすい原因
- ケージの配置が変わった
- 掃除の後、自分の匂いが消えてしまった
- 気温が適温ではない
- ケージの周りがうるさい
- 他の動物の匂いがする
妊娠している
妊娠中・発情期中のメスのハムスターは気性が荒くなりカリカリしています。
この時期は、基本的にオスのハムスターを噛む傾向にありますが、飼い主さんの手にオスの匂いがついている場合には手を噛んでしまうこともあります。
オスのハムスターを触ったあとにメスのハムスターを触る場合は、必ず手を洗って匂いを消しましょう!
飼い主さんに何かを伝えようとしている
ハムスターが飼い主さんに慣れてきて、心を開いてくれると「構って」「遊んで」などを、甘噛みしてアピールしてくる場合があります。
ハムスターの欲求が、飼い主さんに伝わると噛むことをやめるでしょう。
手を噛まれないようにする「5つの対処法」
ハムスターに噛まれると、怪我をしたり病気になる可能性もあります。
そのような状況を避けるためにも、ハムスターが手を噛んでくる時に行う「5つの対処法」を紹介していきます。
5つの対処法
- 餌を利用して飼い主を覚えさせる
- 触る時はゆっくりと横から手をだす
- 匂いや音に注意する
- ミルワームを与える
- 噛まれた直後は餌を与えない
餌を利用して飼い主を覚えさせる
餌と間違えて手を噛んでしまった時のハムスターの気持ちは「餌は欲しいけれど餌をくれる人は怖い」と思っています。
前述したように、ハムスターは急いで餌を取ろうとして飼い主さんの手を噛んでしまうので、まずは飼い主さんが安全な存在であるということを覚えさせるようにしましょう。
触る時はゆっくりと横から手をだす
ハムスターを上から捕まえようとすると、ビックリして反射的に噛みついてしまします。
ハムスターは急に接近されることを嫌うので、触る時はゆっくりと横から手を伸ばし、すくい上げるように持ち上げましょう。
万が一、ハムスターが巣箱から出てくなかったとしても、無理矢理引きずりだしてはいけません。
匂いや音に注意する
ハムスターは匂いで相手を判断しているので、飼い主さんからいつもと違う匂いがすると、警戒して噛みついてしまう場合があります。
ハンドクリームや香水をつけている場合には、必ず手を洗ってからハムスターに触れるようにしましょう。
また、足音・ドアを閉める音など大きな物音に敏感に反応してしまうので、遊ぶ時は静かな場所を選んでください♪
ミルワームを与える
ストレスの原因が見つからないのに噛んでくる時は、動物性たんぱく質が不足している可能性があります。
そのような場合には「ミルワーム」を与えて様子を見てみましょう!
ミルワームとは昆虫の幼虫のこと
噛まれた直後は餌を与えない
ハムスターに手を噛まれた直後に餌をあげてしまうと「噛むと餌がもらえる」と間違えた認識をしてしまいます。
そのため、手を噛まれた直後には餌を与えないようにしましょう。
また、手渡しで餌をあげようとして手を噛まれた場合には、まだ飼い主さんに心を開いていない証拠です。
しっかりハムスターとの関係を深めてから、手渡し餌をあげるようにしましょう!
手を噛まれてしまった後の対処法
ハムスターに噛まれて「怪我」をしてしまった場合には、焦らずに冷静に対処しましょう。
噛まれてしまっても、処置の順序を間違えることなく対処すれば大きな問題にはなりません。
万が一、噛まれてしまった時に焦らないためにも、以下の対処法を覚えておきましょう!
「噛んではいけない」と注意する
まず、ハムスターに噛まれた時は「噛んではいけない」ということを教えましょう。
注意の仕方は、ハムスターの鼻を軽く指でタッチするだけです。
くれぐれも、ハムスターを叩いたり大きな声を出すことは絶対にやめましょう!
手から出血している場合には「止血」する
ハムスターは小さな体ですが、噛む力は強力なので「出血」してしまう場合があります。
手から出血している場合には、以下の止血方法で処置しましょう!
止血方法
- 清潔なガーゼで噛まれた箇所を血が飛び散らないように覆う
- 指と指の隙間を開けずにピッタリと閉じる
- 心臓より高い位置に指をあげる
- 痙攣しているように「ブルブル」と細かく小刻みに指を振る
出血している時は、ひとまず血を止めるために上記の止血方法を試しましょう。
菌が感染しないために最適な方法なので、包丁で指を切ってしまった時などにもこの止血方法は使えます。
血が止まったら手を洗い清潔な状態にする
血が止まってきたら噛まれた箇所を清潔にするために、水で綺麗に洗い流します。
この時の3つの注意点は以下の通りです。
注意
- 必ず水道水で洗い流す
(溜めている水はNG) - ハンドソープなどは使用しない
- 傷口をむやみに触らない
傷口に菌が繁殖してしまうことが1番よくないことなので、傷口には触れず流水で洗い流しましょう!
消毒や保護の処置を行う
噛まれた箇所の出血も止まり、血を綺麗に洗い流すことができたら「消毒」をしましょう。
軽傷であればそのまま様子をみるだけで大丈夫ですが、傷口が深いようなら「絆創膏」などで保護してください。
万が一、菌が入り込んで化膿してきた場合には病院を受診しましょう!
手を噛まれることで引き起こす可能性がある「3つの病気」
ハムスターに噛まれると怪我だけはなく「病気」になってしまう可能性があります。
ハムスターに噛まれたあとに体調が優れないようなら、以下の病気を疑いましょう!
3つの病気
- ハムスターアレルギー
- アナフィラキシーショック
- リンパ球性脈絡髄膜炎
ハムスターアレルギー
犬・猫アレルギーがあるように、ハムスターにも「ハムスターアレルギー」があります。
ハムスターアレルギーの症状は「噛まれた箇所が痒くなる」「肌が赤くなる」「腫れてくる」などです。
これまでアレルギー体質ではなかった人も、ハムスターに噛まれたことで発症する場合があります。
アナフィラキシーショック
アナフィラキシーショックとは急性アレルギーのことで、ハムスターに噛まれた箇所に唾液が入ってしまうことが原因で発症します。
噛まれてから「10分~15分程度」で発症し「血圧の低下・意識障害・吐き気・眩暈」などの症状を引き起こします。
最悪の場合、死に至る可能性もあるのでとても危険な病気です。
「意識が薄れてきた」「呼吸がしにくい」「手足が痺れ感覚が鈍ってくる」などの症状がでてきたら、早急に病院に行きましょう。
リンパ球性脈絡髄膜炎
リンパ球性脈絡髄膜炎とは、ネズミ種がもっている「アレナウイルス」が人間に感染することで発症する病気です。
症状は「高熱・吐き気・嘔吐」などがありますが、発症率は極めて低いといわれています。
ハムスターがケージ噛む「4つの原因」
上記では「手を噛む原因」についてお話しましたが、ここからは「ケージを噛む原因」について紹介していきます。
「夜中にケージを噛んでいる音が気になる」「ケージがボロボロになって困っている」という方は、原因を理解して適切な対処法を探しましょう!
4つの原因
- ケージの外をパトロールしたい
- ストレスを感じている
- 餌を求めている
- 狭いところに入りたい
ケージの外をパトロールしたい
ケージを噛む原因で1番多いのは「ケージの外をパトロールしたいから」という理由です。
ハムスターは1度ケージの外を散歩すると、その場所を自分の縄張りだと認識します。
そのため、縄張りに「危険な物がないか・敵が侵入してきてないか」などを確かめるために、ケージを噛んで「パトロールしたい!」と伝えています。
しかし、1度もケージの外に出たことがないハムスターは、基本的に外に出たがることはないでしょう。
ストレスを感じている
上記では、ハムスターがストレスを感じると手を噛むと紹介しましたが、実は手だけではなく「ケージ」も噛んでしまうことがあります。
例えば「部屋が明るすぎる」「うるさい」「温度が合わない」「ケージが狭い」などの理由から、ケージを噛んでストレス発散しようとしています。
神経質なタイプのハムスターは、些細なことでもストレスに感じてしまうことがあるので、ストレスの原因を特定して取り除いてあげましょう!
餌を求めている
日頃からケージ越しに餌を与えていると、ハムスターは餌が欲しくなるとケージを噛むことで「餌ちょうだい!」と飼い主さんに伝えています。
しかし、ケージを噛んでいる時に餌を与えてしまうと「ケージを噛めば餌をくれる」と覚えて、繰り返し行うようになります。
飼い主さんが見えない時は噛まないのに、飼い主さんの姿が見えた途端ケージを噛んでいる場合は、この理由の可能性が高いでしょう。
狭いところに入りたい
ハムスターは狭くて暗い場所を好む習性があります。
狭くて暗い場所は、身を隠すのに適しており安全だということを、本能的にわかっているのでしょう。
ハムスターは嗅覚が優れているので、鼻先で空気の流れを読みとり、その先の空間を察知することができます。
そのため、金網ケージに入っているハムスターは、ケージのその先にある「狭くて暗い場所」を探そうと嚙んでいます。
ケージを噛むことをそのままにしてはいけない「2つの理由」
ケージを噛んでいるハムスターをそのままにしておくと、ハムスターの「生命」に関わる可能性があります。
ここからは、ハムスターのケージを噛む癖を放置してはいけない「2つの理由」について紹介します。
放置してはいけない2つの理由
- 口内が傷ついてしまう
- ストレスが溜まりすぎて短命に繋がる
口内が傷ついてしまう
ハムスターはケージを噛み続けると「不正咬合」になり、歯並びが悪くなります。
不正咬合になる1番多い原因は「ケージの金網を噛み続けるため」だといわれています。
金網はハムスターの歯より硬いので、嚙み続けると歯が折れたり炎症を起こしたりするので、放置するのはやめましょう!
ストレスが溜まりすぎて短命に繋がる
ケージを噛んでいる原因が「ストレス」が関係している場合、そのストレスを放置していると寿命が短くなってしまう可能性があります。
そのため、ストレスを溜めない環境を整えることが重要なポイントです!
ケージを噛んでいる場合の「4つの対処法」
前述したように、ハムスターがケージを嚙むことを放置していると怪我に繋がる可能性があるので、噛むことをやめさせなければなりません。
しかし、具体的にどのような対処法をすればいいのかわからないという方も多いでしょう。
そこで、ここからはハムスターがケージを噛んでいる場合の「4つの対処法」について紹介していきます。
4つの対処法
- ストレスの原因を探る
- 散歩の時間をつくる
- ケージを変えてみる
- 噛みやすい紙を与える
ストレスの原因を探る
ケージが狭い・餌が足りない・飼育頭数が少ない・床材が合わない・・・など、ハムスターはさまざまな理由から、ストレスを感じてしまうことがあります。
ストレスの原因を探すことは難しいですが、ハムスターの行動をよく観察して、何にストレスを感じているのかを見極めましょう!
ストレスを感じている原因を取り除くことができれば、徐々に噛み癖は改善していくはずです!
散歩の時間をつくる
前述したように、ハムスターは「ケージから出てパトロールしたい」という欲求があります。
そのため、毎日1回「19時〜23時」の間に「20分~30分程度」散歩させると、その欲求が満たされケージを噛むこともなくなるでしょう。
ケージを変えてみる
ハムスターの縄張りは広いので、ハムスターにとって使用しているケージは狭いと感じている可能性があります。
縄張りの広さ
- ジャンガリアンハムスター/ドワーフハムスター:60cm
- ゴールデンハムスター:10m~15m
ジャンガリアンハムスター・ドワーフハムスターを飼育している場合には「60cm」程度の大きさがあるケージに変えてみるといいでしょう。
しかし、ゴールデンハムスターを満足させるケージを購入することは不可能なので、散歩で欲求を満たしてあげる必要があります。
また、ケージを金網ではなく「アクリル水槽」「ガラス水槽」「衣装ケース」に変えると、ハムスターが金網を噛むガジガジした音が軽減されるでしょう。
上記の3つのケージを使用する時は通気性が悪いので、しっかりと温度調節を行ってください。
噛みやすい紙を与える
トイレットペーパーの芯・お菓子の箱・ラップの箱など、ハムスターが口にしても害を与えない「紙」をケージの中にいれてみましょう。
ストレスを発散するためにケージを噛んでいるという場合には、この対処法で改善される場合があります。
ハムスターにとって「快適に過ごせる生活環境」を整えてあげよう!
おさらい
- ハムスターがケージを噛んでいることを放置しない
- 1度ケージから出してしまった場合には定期的に散歩させてパトロールさせてあげる
- ストレスの原因を特定してストレスを取り除いてあげる
家族に迎え入れたからには、たくさんコミュニケーションをとって関係を深めたいという方も多いでしょう。
しかし、ハムスターに嚙み癖があると怖くて、なかなか触れることができなくなってしまいます。
そのような状況を避けるためにも、この記事を参考にしながらハムスターに適した「対処法」を実践してみましょう!