野生の猫は、獲物を狩りしたり木登りしている間に、爪が短く削られていきます。
しかし、室内で飼育されている猫は、飼い主さんが定期的に爪を短く切らなければ、伸びっぱなしの状態になります。
そのまま放置しておくと、飼い主さんを引っ搔いてしまったり、家具を傷つけてしまうこともあるでしょう。
そのような状況を避けるためにも、定期的に猫の爪を短く切って、ケアしてあげることがとても大切です。
そこで、この記事では「猫の爪切りの頻度・手順」などを詳しく紹介していきます。
この記事を読んでわかるポイント
- 猫の爪を切る頻度がわかる
- 猫の爪を切る時の手順がわかる
- 猫の爪切りの種類と特徴がわかる
【Contents】
猫に爪切りは必要なの?
爪とぎや爪を噛んでお手入れしている猫の爪は、長く伸びてくると外側の爪が剥がれて、一定の長さ以上には伸びないようになっています。
しかし、爪の手入れをしていない猫や爪とぎをしなくなった高齢の猫の爪は、太く長い爪が生えてきて肉球に刺さってしまうことがあります。
さらに、根元から爪が折れて大怪我に繋がることもあるので「猫の爪切り」は、とても大切なお世話の1つです。
爪とぎと爪切りは違う役割
「猫は自分で爪とぎをしているのに爪切りは必要なの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
猫は爪とぎをすることで、縄張り争いや獲物を捕獲する時に武器として使う「爪」をお手入れしています。
猫は爪とぎをすることによって、古い爪を剥がして新しい爪を鋭く尖らすことにより、いつでも敵と戦える準備をしているのでしょう。
そのため、猫の爪は爪とぎをしているからといって、短く安全な状態の爪になっているわけではないので、飼い主さんが爪切りをする必要があります。
猫の爪切りの頻度とタイミング
ここからは、猫の爪を切る適切な頻度とタイミングについて紹介していきます。
猫が爪切りを嫌がっているのに、無理矢理押さえつけて行うと「トラウマ」になり、飼い主さんとの関係にも溝ができてしまう可能性があります。
そのため、子猫の頃から少しずつ慣れさせていき、時間をかけて爪を切る練習をしましょう♪
猫の爪切りの頻度
適切な爪切りの頻度は「子猫・成猫は週に1回」「高齢の猫は2週間に1回」が理想的です。
しかし、爪の先が鋭く尖っているなと感じたら、気づく度にその指の爪だけでも切ってあげるといいでしょう。
猫の爪が伸びるスピードとは
猫の爪が伸びるスピードは、猫が暮らす生活環境によって変わります。
使用頻度が多い爪は伸びるスピードが早く、使用頻度が少ない爪は伸びるスピードが遅いといわれています。
また、子猫・成猫は運動量が多く活発なので爪が伸びるスピードが早く、反対に高齢の猫は睡眠時間はが多く運動量が少ないので爪が伸びるスピードは遅いです。
後ろ足も爪切りは必要
後ろ足は必要でなければ、無理に爪を切らなくてもいいでしょう。
しかし、「飼い主さんとじゃれている時によく後ろ足でキックしてくる」「後ろ足で自分の体を掻いている」場合には、爪が伸びている状態だと怪我をしてしまう可能性があります。
そのため、上記の2つに猫の行動が当てはまる場合には、後ろ足の爪も切っておいた方が安全でしょう。
猫の爪を切る時の手順
猫が暴れるからといって焦ってしまい、猫に爪切りで痛い思いをさせてしまうと「トラウマ」になり、手を触るだけでも怖がらせてしまうようになります。
自宅で猫の爪を切ろうと考えている方は「猫の爪を切る手順」を参考にしながら、焦らずおおらかな気持ちで行いましょう。
「猫の爪を切る手順」は以下のとおりです。
step
1猫を膝の上に乗せて抱える
猫が落ち着いている状態を確認してから、まずは猫を後ろから抱え込みます。
猫が暴れてしまう場合には、猫のお気に入りの場所でバスタオルで身体を包み込み視界を遮ると大人しくなることがあります。
飼い猫の「落ち着く場所・体勢・状況」を探しながら、爪切りをする準備を整えましょう。
step
2肉球を押して爪をだす
上記の画像のように、猫の肉球をグッと押すと爪が自然に出てきます。
(猫が痛くない程度に軽く押しましょう)
step
32mm~3mm程度をカットする
上記の画像の、赤の点線部分から先の尖っている部分を猫用爪切りで切りましょう。
注意
爪の付け根のピンクの部分には「血管・神経」が通っているので、切ってしまうと激痛が走り流血してしまいます。
猫の爪切の頻度を減らすために深爪をすることは、絶対にやめてください!
step
4後ろ足の爪から切る
前足より後ろ足の方が爪は切りやすいので、まずは「後ろ足」から始めるといいでしょう。
しかし、足を触られると嫌がる猫が多いので、少しずつ様子を見ながら行ってください。
step
5外側から順番に切っていく
猫の小指の爪から切っていくとスムーズに爪切りが行えます。
親指側の爪は嫌がってしまう猫が多いので、最後に残しておいた方がいいでしょう。
嫌がる猫に爪切りをスムーズに行う4つのコツ
爪切りを嫌がる猫はとても多いですが、飼い主さんと猫の安全を確保するためには「爪切り」を避けることはできません。
しかし、猫はジッと動かずに我慢することは苦手な動物なので、猫にとっても「爪切り」は大変だということを理解してあげてください。
ここからは、少しでも猫と飼い主さんの負担を減らすために「爪切りをスムーズに行うコツ」について紹介していきます。
4つのコツ
- スキンシップをとる
- 嫌がっている時は1回に全ての爪を切らなくていい
- 猫が寝ているタイミングで行ってみる
- バスタオルで包んで気をそらす
スキンシップをとる
猫がリラックスモードになっている時に、猫の足先を撫でたり握ってみましょう。
抵抗なく足先を触らせてくれる猫には、肉球を軽く押して爪を出して触ることを繰り返します。
そうすることで「足先を触れられること・見られること」に少しずつ慣れていき、爪切りもスムーズに行ことができるでしょう!
嫌がっている時は1回で全ての爪を切らなくてもいい
爪切りをする時間は、猫にとって苦痛に感じる時間です。
そのため、その時間が長ければ長いほどストレスを感じ抵抗してしまいたくなります。
飼い主さんはできるだけ、時間をかけずに爪切りを行うようにする努力をしましょう。
しかし、1回で全ての指の爪切りを行うためには、どうしても時間がかかってしまいます。
そのため、爪切りを嫌がる猫には「1日1本ずつ」切って慣れさせていく方法がおすすめです♪
毎日繰り返し行うことで、ストレスを感じる時間も減らすことができ、爪切りにも慣れていくでしょう。
猫が寝ているタイミングで行ってみる
爪切りを起きている状態で行うことが難しいのであれば、猫が寝ているタイミングで行ってみるのもいいでしょう。
しかし、猫は警戒心がとても強い動物なので、眠りが浅いことが多いので、すぐに起きてしまう場合もあります。
そのため、寝ている時に爪を切るのは「1本」までにしましょう。
バスタオルで包んで気をそらす
前述したように、大きなバスタオルで猫を包み込むと大人しくなる猫も多いようです。
また、洗濯ネット・エリザベスカラーを活用するのもいいでしょう。
飼い主さんと猫が安全に爪切りを行えるように、お互いにとって最適な方法を見つけましょう!
猫の爪切りを行う時の注意点
ここからは、猫に爪切りを行う時に「注意すべきこと」について紹介していきます。
知識がないまま爪切りをすることは、大きな怪我に繋がる危険性がとても高いので、必ず注意点を把握してから行うようにしましょう。
爪切りを行う時に気をつけること
爪切りを行う時に気を付けるポイントを以下にまとめました!
爪切りを行う前に、まずこの注意点を確認しましょう♪
注意点
- 猫の爪は先端の2mm~3mmより深くは切ってはいけない
- できるだけ、爪切りの刃をいれるのは1回だけにする
- 猫の指は強く押さえずに軽く持つ
- 猫が嫌がって暴れるようなら無理に行わない
血が出た時はすぐに止血する
万が一、爪を短く切りすぎて出血した場合には、テッシュやガーゼで5分程度圧迫して止血しましょう。
それでも血が止まらない時や、猫が気にしている・腫れている時には、動物病院で処置してもらう必要があります。
爪からの出血で猫の命に関わることはないので、出血した時にはまず落ち着いて冷静に対処しましょう。
また、市販で止血剤を購入することもできるので、何かあった時のために用意しておくのもおすすめです。
止血剤の使用方法は、猫の出血している部分に止血剤を満遍なく塗ります。
触れられることを嫌がる猫が多いですが、擦り込むように塗ることがポイントです!
猫が爪切りをしないと起こる4つの問題
猫の爪を切らずに伸ばしっぱなしにしていると、どんな問題が生じるのでしょうか?
ここからは「爪を切らないと起こる4つの問題」について紹介していきます。
巻き爪になる場合がある
爪とぎをした時に、古い爪が剥がれる場合と、剥がれずにずっと残ってしまう場合があります。
古い爪が残り続けてしまうと、ずっと伸び続けてしまうので巻き爪になってしまい、肉球に爪が当たり怪我に繋がります。
猫にとって肉球の痛みは「大きなストレスの原因」になるので、巻き爪になる前に切ってあげましょう。
人や他のペットを引っ搔いて怪我をさせてしまう
猫の爪を切らずに放置しておくことは、猫の爪が鋭く長くなっているということです。
そのため、飼い主さんが猫を抱っこしようとした時に、猫の鋭い爪が当たってしまい怪我をするケースも多くあります。
さらに、引っ搔き傷からばい菌が入り込んで悪化してしまう場合もあるので、爪が鋭く長くなっている時にはすぐに短く整えましょう。
また、多頭飼いしている家庭の場合、他のペットとじゃれている時に爪で怪我をさせてしまう可能性があります。
そのような状況を避けるためにも、定期的に爪切りを行いましょう。
家具などを傷つけてしまう
猫の鋭く長い爪は人間を傷つけるだけではなく、家具も引っ搔いてボロボロにしてしまうことがあります。
また、壁のクロスなどで爪とぎをする猫も多いので、家を守るためにも猫の爪は短く切るようにしましょう。
布団や衣類に爪が引っかかる
猫の爪を短く切らずに、爪を長いまま放置しておくと「布団・衣類・畳」などに引っ掛かりやすくなります。
長い爪を思いっきり引っ掛けてしまうと、根元から全部剥がれて、大きな怪我に繋がる場合もあるのでとても危険です。
猫の爪切りの選び方
猫の爪切りには「ハサミタイプ」「ギロチンタイプ」「ピコックタイプ」「電動やすりタイプ」の4種類あります。
「柔らかい爪・巻き爪」など猫の爪の状態や「警戒心が強く音に敏感・大人しい」といった猫の性格に合わせて、爪切りの種類を選ぶといでしょう。
ここからは「4つのタイプの爪切りの特徴」について詳しく紹介していきます。
下記のことを参考に、飼い猫にピッタリな「爪切り」を選びましょう!
子猫・柔らかい爪のタイプの猫には「ハサミタイプ」
参照:Amazon
子猫や成猫の柔らかい爪を切る時は、上記の画像のような「ハサミタイプ」がおすすめです。
ハサミタイプの爪切りは、日常生活で使用するハサミと同じ使い方なので、誰でも使いやすいでしょう。
しかし、ハサミタイプは均等に力が伝わりにくいので、猫の爪が割れてしまう場合があります。
とくに、高齢の猫など爪が弱くなっている猫には使用する場合には注意が必要です。
警戒心が強く音に敏感な猫には「ギロチンタイプ」
参照:Amazon
爪を切る時の「バチン」という音が怖い猫には「ギロチンタイプ」がおすすめです。
ギロチンタイプは切る時の音が小さいので、警戒心が強く音に敏感な猫にも使用できるため、動物病院でもよく使われています。
爪を切る時には、均等に「スパッ」と切れるので、爪が割れることもなく仕上がりも綺麗です。
しかし、ギロチンタイプは穴の刃の中に猫の爪を入れて使用するので「巻き爪」の猫には使いにくでしょう。
巻き爪の猫には「ピコックタイプ」
参照:Amazon
ハサミタイプと同じ使い方の「ピコックタイプ」ですが、切れ味はギロチンタイプと同じくらい「スパッ」と切れます、
そんな「ピコックタイプ」は、切りづらい巻き爪の猫にとてもおすすめです。
大人しい猫には「電動やすりタイプ」
参照:Amazon
爪切りに慣れている猫や、足を触られることに抵抗がない猫には「電動やすりタイプ」がおすすめです。
電動やすりタイプは、仕上がりがとても綺麗で爪が飛び散らない点が魅力♪
また、少しずつ調整しながら爪を削ることができるので、切りすぎる心配もありません。
しかし、電動やすりは音や振動を感じるので、ビックリして怖がってしまう猫も多いでしょう。
そのため、警戒心が強い猫や暴れやすい猫には「電動やすりタイプ」は避けた方が無難です。
自宅で爪切りができない場合には病院に連れて行こう
おさらい
- 猫の爪の状態や性格に考慮しながら爪切りのタイプを選ぶ
- 子猫・成猫は週に1回、高齢の猫は2週間に1回の頻度で爪切りを行う
- 1回で全ての爪を切ろうとするのではなく、猫のペースに合わせて行う
この記事を参考にして爪切りにチャレンジしても、どうしても上手くいかない時には、獣医師さんに切ってもらいましょう!
動物病院で爪を切ってもらう場合「約1,000円前後」で行ってくれる病院が多いので、月に1回だと思えば大きな負担にはなりません。
飼い主さんと猫の安全のためにも、定期的に猫の爪を短く切り、適切なケアを行いましょう!