猫を家族に迎え入れたら、まず行うべきしつけは「トイレトレーニング」です。
しかし、初めて猫を飼育するという方は「何から始めればいいのか分からない」と不安に感じる方も多いでしょう。
そこで、この記事では「トイレのしつけ方法」や「トイレの種類・準備方法・設置方法」について徹底解説していきます。
この記事を参考に、猫が安心して快適にトイレができる環境づくりをしてあげましょう!
この記事を読んでわかるポイント
- 猫用トイレの種類・猫砂の種類がわかる
- 猫のトイレの準備方法がわかる
- 猫のトイレのしつけ方法がわかる
- 猫がトイレに不満を感じている時のサインがわかる
【Contents】
猫のトイレのしつけは簡単?
犬に比べて、猫にトイレのしつけをすることは「比較的簡単」だといわれています。
その理由は、猫の遺伝子には「砂の上で排泄をする」という行動様式が刻み込まれているからです。
そのため、1度トイレの場所を覚えてしまえば「ここは自分専用トイレの場所」だと認識し、それ以降はその場所で排泄をしてくれるようになります。
猫に数回トイレの場所を教えると、早い場合で「1日~2日」遅くても「1週間~2週間」でトイレを覚えてくれるでしょう。
万が一、数カ月経ってもトイレを覚えないようであれば、設置場所や排泄環境に問題がある可能性があるので見直しが必要です
猫用トイレの種類とメリット・デメリット
猫用トイレには大きく分けて「箱型」「ハーフドーム型」「ドーム型」「砂落とし型」の4種類あります。
それぞれの種類によって「メリット・デメリット」があるので、それらも踏まえながら最適なトイレを選びましょう!
箱型トイレ
猫が排泄すると濡れた部分の砂が固まり、その箇所を毎回排除することで衛生を保つ「箱型トイレ」
「頻繁に掃除をすることができる方」「低コストに抑えたいという方」におすすめ♪
シンプルな形状のタイプが多いので、水洗いが簡単に行うことができる点がメリットです。
しかし、ヘリが低いので猫砂がこぼれやすいというデメリットもあります。
ハーフドーム型トイレ
ハーフドーム型トイレは、箱型トイレのヘリに壁がついている形のトイレです。
箱型トイレに比べて猫砂が飛び散りにくく、カバーが取り外し可能のものであれば、掃除や水洗いが簡単にできます♪
しかし、猫が猫砂を掘る方向によっては多少飛び散ってしまうことがある点と排泄物が臭いやすいという点はデメリットといえるでしょう。
ドーム型トイレ
ドーム型トイレとは、トレイの上にフルカバーが取り付けられたタイプのことをいいます。
ドーム型トイレのメリットは「猫砂の飛び散りを防ぐことができる」「猫が安心して排泄できる」「室内に臭いが広がらない」という点です。
デメリットは「排泄物が確認しずらい」「掃除をするのに手間がかかる」「トイレの中で猫砂が舞い上がりやすい」という点があります。
砂落とし型トイレ
砂落とし型トイレとは「システムトイレ」などとも呼ばれることがあり、上段にすのこ、下段にトレーが設置されているタイプのトイレです。
使用方法は、すのこ部分にシステムトイレ専用の猫砂を入れ、トレーにはトイレシートを敷いて使います。
メリットは「消臭力に優れている」「掃除の手間が減る」「長ければ取替え無しで2週間ほど連続して使用できる」という点です。
デメリットは「排泄の数が確認できない」「糞の処理は必要」「専用の猫砂が高い」という点です。
猫砂の種類
猫用トイレとセットで購入する必要がある「猫砂」とは、トイレに敷き詰めて排泄物を吸収するためのグッズです。
しかし、多くの猫砂の種類が販売されているので「どれを選べばいいのか分からない」という方も多いはず!
そこで、ここからは「猫砂の種類と特徴」を紹介していくので、以下のことを参考に飼育スタイルや愛猫に最適な猫砂を選びましょう。
ベンナイト
ベンナイトタイプは「固まるタイプ」の猫砂で、猫砂として古くから使用されてきたポピュラーな材質。
土や砂といった自然環境に近い素材なので環境にも優しい猫砂です。
メリット
- 尿がかかった箇所だけガッチリと固まるので使用済みの箇所だけを排除しやすい
- 他の猫砂に比べて低価格なので続けやすい
デメリット
- 鉱石が原料なので「燃えるゴミ」での処理ができない
- 埃が舞い上がりやすいので猫の体内に入り込む可能性がある
木材
ヒノキのおがくずなどを材料とした自然由来の猫砂で、吸水力に優れており、香りがいいのが特徴。
固まるタイプと固まらないタイプがあるので購入する前に確認しておきましょう♪
メリット
- とても軽いので持ち運びがしやすい
- 消臭性に優れており「燃えるゴミ」として処分することができる
- 長毛種の猫にも付着しない
デメリット
- 軽い素材の分飛び散りやすく、埃が舞い上がりやすい
- ベンナイトに比べて固まりにくい
紙
パルプ・再生パルプを材料とした猫砂で、吸水力に優れていることが特徴です。
商品によって、そのままトイレに流せるものもあるので処理がとても楽に行えます♪
メリット
- とても軽い材質なので持ち運びが楽にできる
- ほとんどの商品がトイレに流すことができる
デメリット
- 軽いので飛び散りやすく埃が舞いやすい
- リサイクル用の紙を使用しているので漂白や脱臭のため薬品を使われている場合がある
おから
大豆から豆乳を絞ったあとの搾りかすの「おから」を使用している猫砂です。
トイレに流せるタイプの商品も販売されているので、初心者でも扱いやすいのが特徴。
メリット
- 食物から作られている猫砂なので安全性が高い
- 低価格のものが多く、ほとんどのものがトイレに流すことができる
デメリット
- 防腐剤を使用しているものがあるので保管方法に気を付ける必要がある
- 尿とおからの臭いが混じって独特な悪臭がでる可能性がある
猫トイレの準備方法
猫のトイレのしつけをするためには「快適な環境づくり」をしてあげることがとても大切なポイントです。
猫が安心して気持ちよく排泄できるトイレを用意してあげることで、短期間でトイレを覚えてくれるでしょう。
ここからは「猫のトイレの準備方法」について紹介していきます♪
静かな場所に設置する
猫のトイレを設置する時は、人の出入りが少なく大きな物音(生活音)がしない「静かな場所」を選ぶようにしましょう。
猫を飼っている方は、玄関・廊下・洗面台付近にトイレを設置してしまいがちですが、これらの場所は物音がしやすい場所なので避けるようにしてください。
飼い主さんが目の届く場所に設置する
トイレを飼い主さんの目が届く範囲に設置することで、猫は安心して排泄をすることができます。
静かな場所だからといって、人が全く来ない場所を選んでしまうと、トイレの汚れなどに気づきにくくなるので、飼い主さんの目の届く範囲に設置するようにしましょう。
猫の食事場所や寝床付近は避ける
猫はとても綺麗好きなので、自分の食事場所や寝床付近で排泄することを嫌がります。
衛生的にもよくないので、できるだけ食事場所や寝床付近にはトイレを設置しないようにしましょう。
猫の数+1個のトイレを用意する
猫用トイレの数は猫の数+1個用意するようにしましょう。
(1頭飼育しているなら2個・2頭飼育しているなら3個・3頭飼育しているなら4個)
猫用トイレの数が多ければ多いほど掃除が大変になりますが、綺麗好きな猫は汚いトイレでは排泄をしなくなってしまいます。
そのため、猫用トイレを購入する時には、掃除がしやすいものを選ぶことをおすすめします。
余裕を持って入れるトイレを用意する
猫は狭い場所を嫌う傾向にあるため、トイレは「猫のサイズの1.5倍」のものを購入するようにしましょう。
また、底が深すぎるトイレを嫌う猫も多いので「広く浅いトイレ」を選ぶことをおすすめします。
トイレのしつけ方法
トイレのしつけを始める時期は、子猫が自分で排泄ができるようになる「生後3週間」頃から始めるといいでしょう。
ここからは「トイレのしつけ方法」について詳しく紹介していくので、以下のことを参考にしつけを行ってみてください。
トイレをしつける時の飼い主さんの心構え
初めて猫を飼った人は、なかなかトイレのしつけが上手くいかないとイライラしてしまうかもしれません。
しかし、飼い主さんは以下の心構えをもち、根気強くしつけを行いましょう。
飼い主さんの心構え
- 猫がきちんとトイレできたら大げさに褒める
- 猫が失敗しても大きな声を出したり叱らない
- 粗相をしたら排泄物を拭いたティッシュなどをトイレの中に入れておく
- トイレ以外の場所で粗相した場合は完全に消臭する
- トイレをマスターするまでは根気強くしつけを行う
トイレのしつけ方法
猫がトイレを覚えるまでは、飼い主さんが決まった時間にトイレに連れて行くようにしましょう。
以下のタイミングを参考に、猫を抱っこしてトイレに連れて行き、優しく猫砂の上に置いてあげてください!
猫をトイレに連れて行くタイミング
- 猫が起きた時
- ご飯を食べた後に排便をする習慣があるので食事後
- はじめのうちは「2時間~3時間」に1回
排泄物の臭いがついたものをトイレの中に入れておくことで、猫はトイレの場所を認識するようになります。
猫が排泄したい時のサイン
猫が排泄したい時にとるサインを出したら、速やかにトイレに誘導するようにしましょう。
猫が排泄したい時にみせるサインは以下の通りです。
猫が排泄したい時にみせるサイン
- そわそわして落ち着きがない
- 床の匂いをクンクン嗅いでいる
- 床を掘るような行動をとる
猫がトイレに不満を感じている時のサイン
猫がトイレに対して不満を持っていると「粗相」をすることが増えてしまいます。
そのため、以下のような「不満のサイン」を出している場合には、トイレを掃除にしたり設置場所を見直すようにしましょう。
猫がトイレを不満に感じている時のサイン
- トイレの中になかなか入ろうとしない
- 体勢を決めるまでに時間がかかる
- 前足の片方をトイレの外に出す
- 排尿の回数が少なく排尿時間が長い
- 排泄後、排泄物の臭いを嗅ぐ時間が長い
- 排泄後、トイレの壁を前足でかく
- 排泄後、何度もトイレに戻る
- 排泄開始から終了までの時間が長い
猫がトイレに足して何らかの不満がある場合、臭いをクンクン嗅いだりグルグル回りながら体勢を変えたりする時間が増えて、トイレに長居する時間が増える傾向にあります。
猫が排泄をしている時に、上記のようなサインを出していないか、注意して観察しておきましょう。
トイレの失敗を防ぐ方法
猫がトイレ以外で「粗相」をしてしまった時に「してはいけないしつけ方法」や「予防策」について紹介していきます。
ここから紹介することを参考に、猫の粗相を防ぎましょう!
大声を出したり怒ったりしない
猫が粗相をしてしまった時は、絶対に大声を出したり怒ったりすることはやめましょう。
なぜなら、怒られた原因は排泄そのものだと勘違いしてしまい、飼い主さんが見えない場所で隠れて粗相をするようになります。
また、排泄を我慢してしまい健康に被害を及ぼす可能性もあるので、怒ることは絶対にしてはいけません。
トイレは清潔な状態を保つ
前述したように、猫は綺麗好きな動物なので不潔なトイレでは排泄を嫌がり、粗相につながってしまいます。
排泄をぜずに我慢してしまうと「膀胱炎」「便秘」になってしまう場合もあるので、必ずトイレは清潔な状態を保ちましょう。
しかし、トイレを掃除する時に元々の臭いを全て消してしまうと、その場所でトイレをしなくなってしまう場合があります。
そのため、掃除をした後は尿で固まった猫砂を少しだけ入れるなどして、完全に消臭しないように気を付けましょう!
粗相した場所を消臭する
猫は排泄物の臭いがする場所で、排泄をする習性にあります。
そのため、粗相した場所に排泄物の臭いがしたままだと、繰り返しその場所で排泄をしてしまいます。
必ず、猫が粗相をしてしまった時は「ペット用消臭剤」などを使用して、徹底的に臭いを消すように心がけましょう!
猫砂・トイレの形を変えてみる
どうしても粗相が続いてしまう場合には、猫砂やトイレの形の種類を変更してみましょう。
上記で紹介したトイレの種類・猫砂の種類の「メリット・デメリット」を参考にしながら、飼っている猫に合うものを探してください。
猫によって、猫砂やトイレの好みは違うので、お気に入りのものが見つかれば粗相も減っていくでしょう。
子猫の時期から「トイレのしつけ」を始めよう!
おさらい
- トイレは常に綺麗な状態を保てるように心がける
- トイレを掃除する時は完全に消臭してはいけない
- 粗相した時は絶対に怒ってはいけない
初めて猫を飼育するという方は「トイレのしつけ」に悩む方も多いのではないでしょうか?
そんな方たちに、頭に入れておいて欲しい大切ことは「しつけは根気強く行う」ということです。
粗相が続き、しつけがスムーズにいかない時でも、絶対に感情的に怒ってはいけません。
気持ちに余裕を持ち、猫がトイレで排泄できた時にはたくさん褒めてあげましょう。
そのようにしつけを行っていくことで、少しずつ猫との絆が深まっていくと筆者は考えています!
この記事を参考に飼っている猫に合ったトイレを選び、トイレのしつけを行いましょう。