日本で飼育されている猫の約78%を占める「雑種猫」
雑種猫は、さまざまな柄や模様によって性格や特徴が異なります。
そこで今回は、雑種猫の毛柄や毛色の名前、それぞれの性格を徹底解説します!
この記事を参考にして、自分に合った雑種猫を選んでみてはいかがでしょうか?
この記事を読んでわかるポイント
- 雑種猫の魅力がわかる
- 雑種猫の種類がわかる
- 雑種猫の種類ごとの性格や特徴がわかる
【Contents】
雑種猫とは?
「雑種猫」とは、2種類以上の品種を交配させて生まれた猫のことです。
日本では900万頭以上の猫を飼育していますが、その中で最も多い種類が「雑種猫」で、全体の約8割を占めています。
雑種猫の特徴は、身体がとても丈夫で健康なので、長生きする猫が多いということです。
また、さまざまな品種がミックスされているので、遺伝的な病気にかかるリスクが「純血種」に比べて低い。
性格も温厚で優しい子が多く、誰でも飼いやすい品種といわれています。
雑種猫の他の呼び方
- 混血種
- ハイブリット
- ハーフ猫
- 交配種
- 交雑種
- 異種交配種
- ミックス
雑種猫の魅力
純血種とは異なる「雑種猫」ならではの魅力を紹介します!
雑種猫の3つの魅力は以下のとおりです。
雑種猫の3つの魅力
- 長生きしやすい
- お金がかかりにくい
- 自分の好みの猫に出会える
1.長生きしやすい
雑種猫は純血種の猫に比べて、免疫力が高く身体が丈夫なので、長生きしやすいといわれています。
純血種は品種を交配する過程で、遺伝が近い猫同士を掛け合わせているので、1つの性質が強まり、遺伝的欠陥が現れるリスクが高まります。
それに比べて雑種猫は、異なる遺伝子の掛け合わせで交配させるので、特定の遺伝的疾患を持ちにくく、病気になる可能性も低い。
室内飼いしている雑種猫は、平均寿命の15年以上生きる猫も多く、平均寿命を超えるのは純血種の猫より雑種猫の方が多いともいわれています。
2.お金がかかりにくい
純血種の猫を飼うためには、ペットショップやブリーダーなどから買う必要があるので、大体数万円~数十万円はかかります。
しかし、雑種猫は基本的にペットショップで販売されておらず、ブリーダーもいません。
そのため、純血種のように多額で購入するのではなく、保護したり譲り受けることが多いので「お金はかかりにくい」といえるでしょう。
雑種猫を飼うためには、以下の方法の中から検討しましょう!
5つの方法
- 野良猫を保護する
- 保護団体から引き取る
- 愛護センターや保健所から引き取る
- 知人や友人から引き取る
- 譲渡会から探す
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3.自分の好みの猫に出会える
雑種には、さまざまな毛柄や毛色があります。
雑種猫は、長毛・短毛・茶トラ模様・ブチ模様・三毛猫など、2頭として同じ猫は存在しない、まさに「オンリーワン」の魅力があります。
また、顔の作りや性格も異なるので、自分の好みの猫を探すことができます。
雑種猫の毛柄や毛色はどのように決まるか
雑種猫の毛柄や毛色には「遺伝子」が大きく影響しています。
ここでは、毛柄や毛色を決める大まかな遺伝子の法則を紹介します!
2つの遺伝子の法則
- 優先順位がある
- 濃い色は背中側から色が付く
1.優先順位がある
毛色や模様を決めるには「優性遺伝子」「劣性遺伝子」という2つの遺伝子が大きく影響しています。
代表的なものに、猫の全身の毛色を白くする「ホワイト遺伝子」があり、この遺伝子は他の全ての遺伝子に対して優性です。
そのため、白猫と黒猫を交配させて生まれる子猫がいた場合、白猫になる確率が非常に高いのです。
2.濃い色は背中側から色が付く
猫の毛色は「濃い色は背中側から色付く」という法則があるので、白い毛色に黒がつく場合は、頭や背中から足のほうへ、上から絵の具を注ぐように色付いていきます。
そのため、背中は黒くてお腹が白い猫はいても、背中は白くてお腹が黒い猫は存在しません。
また、靴下を履いているように見える、足先だけ白いくつ下ねこも、この法則に基づいています。
雑種猫の毛色と模様の組み合わせ
雑種猫の毛柄と模様の種類には、大きく分けて約24種類あるといわれています。
雑種猫の柄は、ベースとなる7色の毛の色と4種類の模様との組み合わせによって決まります。
組み合わせは以下の表をご覧ください。
毛色のベース×模様の種類 | ||
シロ | × | 全身模様 |
クロ | ||
グレー | シロ混ざり (メインの模様に白が混ざる) |
|
茶トラ | ||
キジトラ | トビ柄(白ベースに少々の柄) | |
サバトラ | 薄模様 | |
サバ |
例えば、キジトラ×シロ混ざりの組み合わせだと「キジシロ」という柄になります。
雑種猫の毛柄や模様からわかる性格
ここからは、雑種猫の毛柄や模様の種類の紹介と、雑種猫の性格を種類別に徹底解説します。
これから猫を迎えようと考えている方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?
単色(ソリッド)/単色パターンの種類は以下のとおりです。
単色(ソリッド)/単色パターンの種類
- 白
- 黒
- グレー
単色/白(ソリッド・ホワイト・白×全身模様)
全身が白い雑種猫なので、自然界の中で目立ってしまい、外敵から狙われる可能性が高いです。
そのため、白い猫は警戒心が強く神経質な一面をもち、非常に気が強い猫が多い。
その反面、甘えん坊な時もあり、心を許している飼い主さんにはすごく懐きます。
単色/黒(ソリッド・ブラック、黒地×全身模様)
黒一色で体全体が覆われていて、お腹や足などに白い部分が少しある猫もいますが、ほぼ全身が黒い毛色であれば、黒猫とよばれます。
黒猫は昔から「縁起が悪い・横切ると良くないことが起きる」などといわれてきました。
しかし、近年では「幸運を運ぶ・良いことが起きる印」といった捉え方に変わってきています。
黒い毛色は、自然界で暮らす中で、あまり目立たないので、黒猫は白猫とは反対に警戒心が弱い傾向。
そのため、人懐っこく甘えん坊、そして賢い猫が多いです。
単色/グレー(グレー地×全身模様)
グレーの毛色の猫は「ブルーキャット」とよばれ、雑種の他に「シャルトリュー」「コラット」「ロシアンブルー」などがいます。
落ち着いた性格で、繊細でナーバスになりやすい傾向があります。
また、白猫ほどではないですが、心を許した相手にしか懐いてくれません。
縞模様(タビー)/全身模様
縞模様(タビー)/全身模様の種類は以下のとおりです。
縞模様(タビー)/全身模様の種類
- キジトラ
- サバトラ
- グレートラ
- 茶トラ
- クリーム
キジトラ(ブラウンタビー、キジトラ地×全身模様)
黒と茶色の縞模様で、猫の原型となった柄といわれるだけあって、個体数も非常に多いです。
猫本来の性格を引き継いでいるので、警戒心が強く活発な性格をしています。
しかし、一度心を許してくれると甘えん坊になり、飼い主さんの足に絡みついたりします。
ただし、たくさん動きたがる性格なので、ずっと抱っこされることは好まない猫が多いです。
猫のペースに合わせ、あまり構いすぎないよう、一定の距離感を保ちましょう!
サバトラ(シルバータビー、サバトラ地×全身模様)
サバトラは、明るいグレーベースの毛色に、黒い縞模様がはいっている猫です。
その名のとおり魚の「サバ」に似た色をしているので、この名前がつけられました。
性格は大きく2種類に分かれ、温厚な人懐っこいタイプと、警戒心が強く慎重なタイプの両極端です。
それぞれのタイプに合わせた、コミュニケーション方法を考えましょう!
グレートラ(キジトラ地×薄模様、サバトラ地×薄模様)
欧米でよくみられる種類で、キジトラやサバトラよりも、薄い縞模様をもつ猫を「グレートラ」とよびます。
警戒心が非常に強く神経質な性格の猫が多く、単独行動を好みます。
茶トラ(レッドタビー、茶トラ地×全身模様)
薄いオレンジの毛色をベースに、赤褐色の縞模様がはいっている猫で、メス猫よりもオス猫に多くみられます。
猫は基本的に長時間の抱っこを嫌がりますが、茶トラは飼い主さんに自ら抱っこをせがんでくるほど、甘えん坊な性格です。
また、デリケートな一面もあり、食欲旺盛なところも茶トラの特徴。
肥満や生活習慣病にならないように、日頃から正しい食事量を与えるようにしましょう!
クリーム(茶トラ地×薄模様)
茶トラを薄模様にした柄をもつ猫の種類を「クリーム」とよびます。
基本的な性格は茶トラと同じで、人懐っこく甘えん坊で、温厚な性格をしています。
しかし、心を許していない相手に対しては、警戒心が強く慎重になる傾向があります。
二色・三色模様(バイカラー・キャリコ)/シロ混ざりパターン
二色・三色模様(バイカラー・キャリコ)/シロ混ざりパターンの種類は、以下のとおりです。
二色・三色模様/シロ混ざりパターンの種類
- 黒白/白黒
- ハチワレ
- 三毛
- パステルミケ
- サビ
- グレーサビ
- キジ白
- サバ白
- 茶白
- グレーシロ
黒白/白黒(ブラック&ホワイト/ホワイト&ブラック・黒地×白混ざり)
その名のとおり、白と黒2色の毛色の猫で、黒の毛色が多ければ「黒白」白の毛色のが多ければ「白黒」とよばれます。
また、他の呼び方で、黒白猫のことを「タキシードキャット」白黒猫のことを「ブチ」「ウシ柄」といわれることもあります。
性格はそれぞれ異なり「黒白」は人懐っこく温厚な性格「白黒」は大人そうに見えて実は気が強い性格をしています。
ハチワレ
猫の額の部分が、八の字のように柄が割れている猫のことを「ハチワレ」といいます。
末広がりで縁起がいい模様とされており、黒白/白黒猫のハチワレの猫は生命力が高く、長生きするといわれています。
三毛(キャリコ・ミケ地×白混ざり)
白、黒、茶の3色の毛色をもった猫を「三毛猫」とよびます。
毛色は猫によって異なり、色の境がはっきりしているもの、少し薄い模様のものなど、個体差によって異なります。
三毛猫は、猫の毛色を決定づける遺伝子の影響で、オス猫は生まれにくいため、ほとんどがメス猫です。
性格は好き嫌いがハッキリしていて気分屋。
初対面の人には警戒心が強く近寄りませんが、心を許した相手には甘えん坊なので、とても猫らしい性格です。
パステルミケ(ミケ地×薄模様)
三毛猫の毛色は色がはっきりとしていますが、茶色と黒の色合いが薄いものを「パステルミケ」といいます。
三毛猫はもともと日本にいた猫ですが、外国からさまざまな猫の種類がはいってくるようになったことから「パステルミケ」が誕生するようになったといわれています。
正式には「ダイリュートキャリコ」という名前で、とても美しい毛柄から、パステルミケのことを「天使の猫」「妖精」とよばれることもあります。
サビ(トーティシェル・サビ地×全身模様)
黒・茶・赤の毛色がまだらになっており、その名のとおり錆びたような色合いで「ベッコウ猫」とよばれることもあります。
サビ猫も三毛猫と同じで、オスが生まれる可能性はとても低いです。
性格は協調性と愛嬌があり、非常に甘えん坊なのでとてもかわいい性格です。
また、とても賢く理解力もあるので、初心者の方でも飼いやすい雑種猫です。
グレーサビ(サビ地×薄模様)
グレーのサビ柄が薄まっている猫のことを「グレーサビ」とよびます。
グレーベースなので、よく見ないとサビ柄だとわからない場合が多くあります。
キジ白(ブラウンタビー&ホワイト・キジトラ地×白混ざり)
「キジ白」とは、ほとんど模様はキジトラと同様ですが、お腹や足の先端などに白い毛が生えている猫のことをいいます。
キジ白の性格は、キジ多さ・白い部分の多さによって変わります。
キジの部分が多い猫は、非常に頭がよく警戒心が強い傾向にあります。
また、白い部分が多い猫は、器が大きく温厚な性格です。
サバ白(シルバータビー&ホワイト)
「サバ白」とは、お腹や足の先端に白色の毛が生えている猫のことをいいます。
性格はサバトラと似ていて「おっとりとした人懐っこい性格」と「警戒心が強く慎重な性格」の2つのタイプに分かれます。
マイペースな点はどちらにも共通していますが、白い部分が多ければ多いほど、非常に賢い傾向にあります。
茶白(レッドタビー&ホワイト・茶トラ地×白混ざり)
「茶白」とは、顔やお腹・手足などに白い部分があり、ベースは茶トラ柄と同じです。
性格は、天真爛漫でとても甘えん坊なので、とても飼いやすい!
また、協調性のある一面もあるので、多頭飼いの家庭にもおすすめの品種です。
グレーシロ(ブルー&ホワイト、グレー地×白混ざり)
はっきりと毛色が、白とグレーの模様が出ている猫のことを「グレーシロ」といいます。
性格はグレーと同じで、温厚で大人しい性格の猫が多いです。
その他の毛柄や模様
上記でさまざまな雑種猫を紹介しましたが、ここからは少し変わった毛柄や模様の種類を紹介します!
その他の毛柄や模様
- 靴下柄
- ポインテッド
靴下柄
その名のとおり、猫が足に靴下を履いているかのように見える柄の猫がいます。
靴下部分は白色であることが多く、とてもかわいい柄です。
また「たび猫」「ソックス」とよばれることもあり、非常に人気の高い品種です。
ポインテッド
「ポインテッド」とは、猫の顔や耳・尻尾・手足などの先端にだけ色がついている猫の柄のことをといいます。
性格は、猫の種類によって個体差がありますが、基本的に人懐っこく喜怒哀楽がハッキリしていて、感情表現がとても上手です。
また、運動神経が優れているのも特徴です!
【BEST3】雑種猫の毛柄・模様ランキング
さまざまな種類の雑種猫がいる中で、とくに人気がある「雑種猫の毛柄・模様BEST3」を紹介します!
ランキングは以下のとおりです。
順位 | 柄・模様 |
1位 | キジトラ |
2位 | 黒白 |
3位 | 黒 |
1位.キジトラ
キジトラは、1番よく見かける雑種猫の種類です!
警戒心が強いので、少し荒っぽい印象を受けることもありますが、心を許してくれればとても懐いてくれます。
ツンデレの猫が好きという方には、おすすめの品種です!
2位.黒白
野良猫にも多い「黒白」タイプの猫は、性格も猫によってさまざまなので、個性にあふれています。
黒白猫のハチワレタイプがとても人気があります!
3位.黒
魔女の宅急便の「黒猫ジジ」の影響が、人気の理由だと考えられます。
黒猫は少し怖い見た目ですが、性格はとても温厚で甘えん坊なので、初心者の方でも飼いやすい品種です。
自分と相性のよさそうな雑種猫
雑種猫には、さまざまな種類が存在するので、性格や特徴も個体差によって異なります。
そのため、猫を迎えいれる前に、あらかじめ自分と相性がよさそうな猫を見つけることが重要です。
どの品種の雑種猫を飼おうか悩んでいる方は、以下の表を参考に検討してみてはいかがでしょうか?
飼い主さんの傾向 | 雑種猫の品種 |
甘えて欲しい | トラ猫全般・三毛猫・黒・黒白 |
たくさん遊びたい | キジトラ・キジトラ白・黒・黒白 |
猫の野生本能を見て楽しみたい | キジトラ |
たくさんお世話をしたい | 白 |
のんびり一緒に過ごしたい | 黒 |
仕事であまり構ってあげれない | 三毛猫 |
猫と適度な距離感で接したい | サビ猫 |
1人暮らし | サバトラ・白 |
初めて猫を迎えいれる | 茶トラ・茶トラ白 |
猫の性格を理解してよりよい関係を築こう!
おさらい
- 雑種猫は身体が丈夫で長生きしやすい
- 雑種猫は種類によって性格が異なる
- 自分と相性がよさそうな雑種猫を選ぶ
猫も人間と同じように、見た目で性格がすべて決まるわけではありません。
しかし、見た目からわかる基本的な猫の性質を理解することで、猫との関係も深まるはずです。
自分の飼っている猫に適している接し方を考え、かけがえのないパートナーになりましょう!