冬の寒い時期が終わり、外が温かくなり始める「春」を迎えると「花粉症」に悩まされる方が増えてきます。
花粉症になるのは「人間」だけのものだと思っている方も多いかもしれませんが、実は犬も花粉症になるということをご承知でしょうか?
愛犬が頻繁にくしゃみをしていたり、しきりに顔を掻いているようなら「花粉症」になっている可能性があるので注意が必要です。
花粉症は1度発症してしまうと完治が難しいとされていますが、この記事を参考に少しでも症状を和らげてあげましょう。
今回、この記事では「花粉症の原因・症状・対策」などを詳しく紹介していきます。
この記事を読んでわかるポイント
- 犬が花粉症になる原因がわかる
- 犬が花粉症になった時の症状がわかる
- 花粉症になりやすい犬種がわかる
- 犬の花粉症対策がわかる
【Contents】
犬も「花粉症」になるの?
春頃になると「花粉症」という言葉をよく耳にしますが、花粉症は人間だけではなく犬もかかります。
犬の場合、外に散歩に出かける時に花粉をあびたり、飼い主さんが外から花粉を持ち帰ったりすることで花粉症の症状があらわれます。
しかし、犬の花粉症は人間のように一般的な病気ではなく、くしゃみを繰り返す・鼻水がでるといった症状はあまりみられないので、気づかない飼い主さんも多いでしょう。
犬の花粉症の主な症状は、鼻炎症状ではなく「皮膚の痒み・湿疹・炎症」が一般的です。
また、頻度は不明ですが花粉症によって「喘息」が出る場合もあるので、これらの症状がみられる場合には早急に動物病院を受診しましょう。
犬が花粉症になる原因
人間の花粉症の原因として多いのは「スギ」や「ヒノキ」ですが、犬の場合、以下のような植物が原因になることが多いといわれています。
春【樹木】(2月~6月) | 夏【イネ科】(6月~9月) | 秋【キク科】(8月~10月) |
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夏のイネ科の花粉は重く飛散しにくいですが、犬が大好きな散歩コースに生えていることが多いので、草むらなどはできるだけ避けて散歩しましょう。
犬が花粉症になった時に起こる症状
人間が花粉症になった場合「鼻水が出る」「頻繁にくしゃみが出る」「鼻が詰まる」という症状がよくみられます。
しかし、前述したように、犬の花粉症は「鼻炎症状」があらわれることは少ないといわれています。
では、犬が花粉症になった時どのような症状がみられるのでしょうか?
ここからは「犬の花粉症の症状」を紹介していくので、愛犬が以下のような症状みられる場合には、獣医師さんに相談しましょう!
犬の花粉症の症状
- 皮膚、とくに先端部(指先・指間・耳・目・口)に発疹や赤みがみられる
- 季節性がある(冬になると症状が治まる)
- しきりに体を掻いたり、壁や床に体を擦り付ける
- 顔を掻きむしる
- 耳を気にする・手で耳を掻く
- 耳から悪臭が漂う
- 目の周りが赤く目ヤニが多い
- 何度もくしゃみをする
- 鼻水が出る
花粉症になりやすい犬種
花粉症になる原因の1つに、その犬種がもっている「体質」が関係しているといわれています。
花粉にアレルギー症状を示す子は、高確率で犬アトピー性皮膚炎を患っており、花粉に反応する原因となる遺伝子を保有しています。
ここから紹介する犬種は「花粉症になりやすい」「皮膚炎になりやすい」といわれているので、飼い主さんはこまめに体調に異変がないかチェックしておきましょう。
花粉症になりやすい犬種
- トイ・プードル
- マルチーズ
- シーズー
- フレンチブルドッグ
- ボストンテリア
- ビーグル
- キャバリア
- 柴犬
- ゴールデン・レトリーバー
- ラブラドール・レトリーバー
- ダルメシアン
- シェットランド・シープドッグ
- ウエスト・ハイランド
- ホワイト・テリア
犬の花粉症対策
犬が花粉症になった場合、まずは動物病院を受診し薬や症状を緩和してもらう手助けをしてもらってください。
そして、ここから紹介する「自宅でできる花粉症対策」について実践してみましょう!
散歩時間は早朝に行く
花粉の飛散量が多い時期は出来るだけ散歩は避けたいですが、愛犬の気持ちを考えると散歩は毎日行きたいところ。
そのため、花粉の飛びやすい時間帯は避け、散歩時間を工夫するようにしましょう。
花粉が飛びやすい時間帯は、植物が太陽に当たってしばらく経ってからの「12時~18時」、反対に花粉が少ない時間帯は早朝だといわれています。
上記のことから、花粉症の犬を散歩する時は「12時~18時」は避け、早朝の散歩が望ましいでしょう。
散歩する時は洋服を着用させる
犬を散歩させると、どうしても体に花粉をつけたままお家に持ち込んでしまいます。
犬の体は全身被毛に覆われているので、被毛の奥に入り込んでしまうと、手で払うだけではなかなか取り除くことはできません。
そのため、散歩に行くときは洋服を着用させて、帰ってきたら玄関の外で洋服を脱がせるようにしましょう。
また、ウールや綿の素材の洋服は花粉が付きやすいので「ナイロン素材」の洋服を選ぶことをおすすめします。
ペットショップやホームセンターで「花粉が付きにくい素材の洋服」が販売されていることもあるので、探してみてはいかがでしょうか?
犬の洋服について詳しく紹介している記事はこちら
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草むらは避ける
犬は草むらにはいることが大好きですが、草むらには花粉症の原因になる「オオバコ」「ブタクサ」が多く潜んでいます。
そのため、花粉が飛散する時期は散歩コースを変えて、草むらがない場所を歩かせるようにしましょう!
散歩から帰ってきた後はブラッシングを行う
前述したように、犬は散歩をすると、どうしても「花粉」が体についてしまいます。
その状態のまま家の中に入ってしまうと再び花粉が舞うので、掃除をしても全て取り除くことは難しいでしょう。
そのため、散歩から帰ってきた後は、玄関先などでブラッシングをして花粉を落とすようにしてください。
また、水で濡らしたタオルやボディシートで体を拭いてあげることも効果的です♪
ブラッシングをするだけでは花粉が舞上がってしまう可能性があるので、ブラッシングをする時は「花粉を絡めとる専用のスプレー」を使用するといいでしょう。
こまめにシャンプーをする
全身を被毛で覆っている犬に花粉が付着してしまうと、そう簡単に取り除くことができません。
犬に付着した花粉を取り除くためには、アレルゲン物質の「花粉」を取り除くために、こまめにシャンプーをして洗い流しましょう。
しかし、シャンプーをしずぎてしまうと必要な皮膚の油分を奪ってしまうことになるので、1週間に1度~2回程度までにしてください。
部屋を掃除する
花粉症の時期は花粉が付着しにくいように、カーペットや畳よりも「フローリング」にすることをおすすめします。
フローリングを掃除する時は、掃除機をかけてしまうと花粉が舞上がって広範囲に広がってしまうので、濡れ雑巾やワイパーを使用するようにしましょう。
また、空気清浄機を利用することで、空気中にある花粉を取り除くことができるので花粉を手軽に取り除くことができます。
揃えておきたい!花粉症対策グッズ
ここからは、花粉症の犬におすすめしたい「花粉症対策グッズ」を紹介していきます。
少しでも愛犬の症状を和らげるために、購入を検討してみてはいかがでしょうか?
【レインコート】犬服 PEPEMORI
綿やウールの洋服は花粉が付着しやすいので、花粉をはらいやすい「レインコート」を着せて散歩させることをおすすめします。
上記の商品は完全防備なので、花粉が体に付着することを防ぐことができます。
カラーバリエーションやサイズ展開も豊富なので、愛犬に合うものを選びましょう!
【ブラッシング】ペッツルート フルーツ村のラバーブラシ
ラバーブラシは、抜け毛だけではなく「細かい花粉・ホコリ・フケ」も一緒に取ることができるので、花粉症の犬には「ラバーブラシ」がおすすめ♪
上記の商品は、かわいい見た目ですが機能性もバッチリなので、筆者おすすめのラバーブラシです。
【除菌スプレー】クリタック アレルスプレー
このスプレー1つで「消臭・除菌・ダニ・花粉対策」が可能で、寝具・カーペット・ソファーなどにスプレーするだけでOK!
殺虫剤成分不使用なので愛犬が舐めても安心!ケージやトイレ周りの洗浄・除菌・消臭にもオススメです。
- ダニアレル物質(ダニのフンや死がい)約91%低減
- スギ花粉アレル物質を約94%低減
- 柿抽出エキスにより、消臭率99.9%以上
- 天然由来の発酵エタノールにより、除菌率99.9%以上
【ウェットティッシュ】クリーンワンウェットティッシュ
このウェットティッシュは「帯電防止剤」が含まれているので、犬の被毛に「ハウスダスト」や「花粉」が付きにくくなります。
また、ノンアルコールなので安心して使用でき、手足・目・耳・口 のお掃除にも最適の商品です。
花粉症の治療方法
愛犬に花粉症のような症状がみられる場合、動物病院を受診しなければなりません。
血液検査で原因を特定し「花粉」が原因であれば症状を和らげる対処療法や、花粉症を治すための治療が行われます。
「症状が軽い場合」「症状が重い場合」によって、対処療法や治療法が異なるので、以下のことを参考にしてください♪
症状が軽い場合の対処療法
花粉症の症状が軽い場合は、基本的にステロイドや抗生剤などが処方されることが多いです。
しかし、ステロイドは一時的に症状を抑えるだけなので、根本的な解決にはなりません。
さらに、長期間の使用は副作用がでる可能性があるので、使用期間には注意が必要です。
症状が重い場合の治療法
症状が重い犬には薬の効き目が弱いので「脱感作療法」が行われます。
脱感作療法とは、花粉症の原因になる「抗原」を少しずつ犬の体に投与して、徐々に「抗原」を体に慣れさせていき、花粉症が起こりにくい体質を作っていく治療法です。
少し時間や費用がかかってしまいますが、根本的な体質の改善ができるので、愛犬が花粉症に悩まされている場合におすすめの治療法です。
愛犬を「花粉」から守ろう!
おさらい
- 花粉症の犬を散歩させる時は「レインコート」を着用させる
- 花粉症の犬を散歩する時は草むらを避け早朝に散歩する
- 花粉症かな?と思ったら動物病院を受診し血液検査を行ってもらう
毎年春になるとよく耳にする「花粉症」という言葉。
花粉症は人間しかならないと思っている方が多いですが、犬も花粉症になる可能性があります。
そのため、愛犬が春先に「体を痒がっている」「耳を気にしている」「何度もくしゃみをしている」などの症状がみられる場合には、早急に動物病院を受診しましょう。
愛犬の健康管理を徹底して、快適に生活を送れるようサポートしてあげられるのは飼い主さんしかいません。
日頃から愛犬の仕草・行動をこまめにチェックして、いち早く異変に気づけるようにしましょう♪