いつもいるはずのケージの中にハムスターがいないと、気が動転してパニックに陥ってしまう飼い主さんも多いでしょう。
ハムスターはとても賢い動物なので、飼い主さんが油断している隙を狙って「脱走」することがあります。
ハムスターが脱走した時は、焦る気持ちを抑えて一度冷静になり、適切な対処をしなければなりません。
適切な対処をとるためには「探すべき場所・注意点・捕まえる方法」などを把握する必要があります。
そこで、この記事では「ハムスターの脱走」について徹底解説していきます。
ハムスターが脱走してしまったという方は、この記事を参考にしながら安全に捕獲しましょう!
この記事を読んでわかるポイント
- ハムスターが脱走する理由がわかる
- ハムスターが脱走した時に飼い主さんが行うべき「8つの対処法」がわかる
- ハムスターが好む場所の傾向がわかる
【Contents】
ハムスターが脱走する理由と脱走しやすい環境
ハムスターは臆病な性格をしている動物なのに、なぜケージの外に出て脱走するのでしょうか?
ここからは、ハムスターが脱走する理由と脱走しやすい環境について紹介していきます。
ハムスターが脱走する理由
ハムスターが脱走する理由の多くは「本能的欲求」によるもので、大きく分けて2つの理由が考えられます。
考えられる2つの理由は以下のとおりです。
2つの理由
- 縄張りの状況の確認
- よりよい生活環境を探している
縄張りの状況の確認
他の動物に比べてハムスターは小柄なので、さまざまな捕食動物に狙われやすく危険が多い。
そのため、ハムスターは「自分の縄張りに敵が来ていないか」「変化はないか」をパトロールする習慣があります。
ケージの中にいた方が安全なのですが、ハムスターは自分で縄張りのパトロールをしないと気が済みません。
よりよい生活環境を探している
生活をしているケージに満足していない場合、もっといい場所がないか探しにいこうとします。
部屋の中で飼育していると、どうしてもケージの中まで明るくなるので、夜行性のハムスターからすると住みにくいと感じてしまうようです。
また、ペットショップで販売されているケージは、ハムスターにとって「小さい」と感じるサイズの物が多く、飼育環境に不満をもっているハムスターも多いでしょう。
さらに、体の大きなゴールデンハムスターにもなると、ケージが窮屈に感じてしまいストレスに繋がる可能性もあります。
脱走方法
ハムスターが脱走する方法は2つあります。
ハムスターは小さな体なので油断してしまいますが、賢く意外と力もあるので油断は禁物です。
ケージ内の物を利用して脱走する
ハムスターが脱走する方法で1番多いのは「回し車」「給水機」「トイレ」などの上に乗って、そのまま脱走する方法です。
かわいく小さな体なので油断してしまいがちですが、ハムスターもネズミの仲間なのでとても身軽な動物だということを忘れてはいけません。
力づくで脱走する
小柄な体では考えられないほど、ハムスターは力持ちだということをご存知でしょうか?
扉を力づくでこじ開けたり、ケージの少しの亀裂を前歯で噛んで破壊して、その隙間から脱走することもあります。
脱走しやすいケージ
最もハムスターが脱走しやすいケージは「金網ケージ」です。
金網ケージは隙間が多く、簡単に上って上の窓の隙間から出たり、金網ケージの下に潜り込んでそのまま持ち上げて脱出してしまいます。
脱走されにくいケージは「水槽型」や「衣装ケース」ですが、通気性が少し悪いので「多頭飼い」する場合には使用しないでください。
たまに「段ボール」にいれて飼っている方もいますが、ハムスターが噛みちぎってしまい脱走してしまう場合があるので使用しない方がいいでしょう
脱走されやすい環境
ハムスターにとって、ケージを設置場所はとても重要です。
「大きな生活音が聞こえる・人やペットが頻繁に来る・明るいような場所」は、ハムスターはストレスを感じてしまいます。
そんな状況でずっと生活していると、ハムスターは「脱走していい場所を探しに行こう」と考えるようになり、逃げ出してしまうでしょう。
point
ケージの設置場所は、ハムスターが落ち着いて生活ができる「静かで人気のない」ところを選びましょう
ハムスターがケージの外に出たがっている時はどうしたらいい?
前述したように、ハムスターはケージの中は狭いと感じていることが多いので、生活環境に不満を抱いている可能性があります。
生活環境に不満を抱いて外に出たがっているのなら、改善策を考えなければなりません。
そこで、ここからは「ケージの外に出たがっている時の対処法」について紹介します。
3つの対処法
- グレードアップした「回し車」に変更する
- 複雑な構造のパイプをケージ内に設置する
- 部屋の中を散歩させる
グレードアップした「回し車」に変更する
ハムスターが思いっきり走ってストレス解散ができるような「回し車」にグレードアップしてみましょう!
ケージ内の環境を気に入ってくれれば、きっと居心地がよくなり脱走を諦めてくれるはずです。
また、ハムスターが広々生活できるように、思い切ってケージを拡大させてみるのもいいでしょう。
ケージ内に、おもちゃ・隠れ場所・ヒーターなど、ハムスターが快適に過ごせるグッズを設置してみてください♪
複雑な構造のパイプをケージ内に設置する
上記の画像のような「ジョイントハウス」は、専用ケージに複雑な構造をしているパイプを繋げて、自由にケージの外の出ることができます。
普通のケージに比べて費用は高くなりますが、ハムスターがストレスを溜めずに暮らすには、とても役立つ商品です。
ジョイントハウスのパイプは「上・下・右・左」に拡張することができ、どんどん広くすることができます!
ジョイントハウスを拡大していくと、部屋が狭くなってしまいますが、かわいいハムスターのためなら我慢できるでしょう。
部屋の中を散歩させる
定期的に、見通しがよく広い場所で室内散歩させてあげるといいでしょう。
その時にハムスターが脱走してしまうと大変なので、事前に逃げ込みそうな場所は全て塞いでください。
少し手間がかかってしまいますが、コストがかからず、ハムスターのストレス解消にもなるのでおすすめです♪
ハムスターが脱走してしまうと大変な6つ理由
ハムスターが脱走してしまうと、小さいので見つけにくいということだけではありません。
その他に考えられる「脱走してしまうと大変な6つの理由」について紹介していきます。
6つの理由
- 素早く捕まえることが困難
- 警戒心が強く逃げてしまう
- 狭いところに逃げ込んでしまう
- 電気コードをかじる
- なんでも頬袋に詰め込んでしまう
- 大量にうんちをする
1.素早く捕まえることが困難
ケージ内で飼育している時は、素早く動いている場面をあまり見かけません。
しかし、ハムスターはケージ内で素早く動かなければならない場面が少ないだけで、素早く動こうと思えば動くことができます。
そのため、ハムスターが脱走した時にその素早さに反応できず、なかなか捕まえることができないという飼い主さんも多いようです。
2.警戒心が強く逃げてしまう
飼い主さんに慣れているハムスターなら、警戒することなく近寄ってきてくれますが、基本的にハムスターは「臆病で怖がり」な性格です。
そのため、まだ飼い主さんに心を許していないハムスターが脱走してしまった場合には、飼い主を敵だと勘違いして余計に逃げてしまうこともあるでしょう。
さらに、飼い主さんから見つからない場所に隠れるために、暗い場所に進んでしまうことも考えられるので注意が必要です。
3.狭いところに逃げ込んでしまう
ハムスターは狭く暗い場所を好む傾向にあるので、脱走した時は高確率で「狭くて暗い場所」に隠れているでしょう。
タンスの裏やテレビの後ろであれば、手を伸ばして引っぱり出すことができますが、人の手が届かない場所などに逃げ込んだ場合は救出することが不可能になってしまうことも・・・
4.電気コードをかじる
ケージの外はハムスターにとって「危険な物」がたくさんあります。
とくに「電気コード」は、ハムスターがかじってしまうと感電してしまう恐れがあるので非常に危険です。
さらに、電気コードをかじることで「火事」に繋がる可能性もあるので、脱走した場合には「周囲の安全を確保」を徹底しましょう。
5.なんでも頬袋に詰め込んでしまう
ハムスターは餌になりそうな物や、巣の材料になりそうな物を頬袋に詰め込む習慣があります。
例えば、脱走中に見つけた「害虫の駆除剤」などを餌だと勘違いして、口の中に入れてしまう場合もあるので非常に危険です。
また、硬い物・尖った物を頬袋に詰め込んでしまい、怪我をしてしまう恐れもあります。
上記のような危険性を失くすためにも、頬袋に危険な物を詰め込む前に捕獲できるように努力しましょう。
まだ捕獲できていない場合は、怪我に繋がってしまいそうな危険な物は全て排除してください。
point
捕獲したあとは体の異常だけではなく「口内を怪我していないか」も、忘れずにチェックするようにしましょう!
6.大量にうんちする
ハムスターを飼育している方はご存知だと思いますが、ハムスターは大量にうんちをします。
そのため、脱走をしている時にも部屋中にうんちをしてしまうので、掃除をするのが大変。
また、ハムスターのうんちは小さいので見つけにくく、人間が手の届かない場所でうんちされてしまうと、掃除が出来ないので衛生的によくありません。
ハムスターが脱走した時の8つの対処法
ハムスターがケージの中から脱走してしまった時に、飼い主さんがするべき「8つの対処法」を紹介していきます。
ハムスターにとってケージの外は危険がたくさんあるので、ハムスターの安全を確保するためにも適切な対処を行ってください!
8つの対処法
- 部屋の扉を閉める
- ハムスターのケージの扉は開けておく
- ハムスターが脱走した部屋に他のペットを近づけない
- 警戒心を失くす
- 耳を澄ませて音を聞く
- おやつや餌でおびき寄せる
- うんちの跡を追う
- ハムスターの活動時間に探す
1.部屋の扉を閉める
ハムスターが脱走してしまった時は、部屋の扉を閉め切って外に出れないようにしましょう。
万が一、ハムスターが部屋から出て行ってしまうと、探さなければならない範囲が増えて、見つかるまでに多くの時間がかかってしまいます。
また、部屋の扉が閉められない・隙間があって部屋から出れるスペースがあるという場合は、ハムスターが乗り越えることができない物を置いて、部屋からでられないようにしましょう。
2.ハムスターのケージの扉は開けておく
ハムスターが1番安心できる場所は、自分の匂いが染みついているケージの中です。
しかし、脱走すると部屋のどこを探しても自分の匂いがする場所がないので、不安に感じて落ち着かなくなってしまいます。
そのような状況になると、自分の匂いを辿って自らケージに帰るケースも多いようです。
そのため、ハムスターが脱走したという時は、ケージの扉は必ず開けた状態にしておきましょう!
3.ハムスターが脱走した部屋に他のペットを近づけない
ハムスターと他のペットを一緒に飼育している方は、脱走した部屋の中に他のペットを入れないようにしましょう。
万が一、その部屋にペットをいれてしまうと、ハムスターを見つけた場合に攻撃してしまう可能性があります。
そして、ペットに攻撃されたことにより、ハムスターはさらに警戒心が強くなり、姿を隠そうと狭い場所へと入り込んでしまう場合も・・・
4.警戒心を失くす
ハムスターが家具の後ろなどに逃げ込んでしまった時に、無理矢理手を伸ばして捕獲しようとすると、ハムスターが恐怖心を覚え警戒してしまいます。
警戒心が高まると捕獲することも困難になるので、無理矢理捕獲しようとするのではなく、自分から出てくるのを静かに待ってみましょう。
5.耳を澄ませて音を聞く
ハムスターが部屋のどこに隠れているか分からない場合は、耳を澄ませて音を聞いてみましょう。
ハムスターが部屋の中にいれば「ゴソゴソ」音が聞こえてくることがあります。
しかし、ハムスターがお気に入りの場所を見つけて寝てしまっていると音は聞こえないので、活発に行動をする「夜間」に音を聞いてみるといいでしょう。
6.おやつや餌でおびき寄せる
ハムスターは脱走している間、餌やおやつを食べることができないのでお腹を空かせています。
その空腹状態を利用して、ハムスターが隠れている出入口辺りにおやつや餌を置いておびき寄せてみましょう。
しかし、この作戦を1度でも失敗してしまうと、さらにハムスターの警戒心が高まるので、この作戦を二度と使うことはできなくなります。
そのため、できれば1回で捕獲するのがベストです♪
7.うんちの跡を追う
どこにハムスターが隠れているか分からない時は、まずハムスターのうんちを探してみましょう。
多くのうんちが落ちてある場所は、頻繫に通る場所であったり、近くに隠れている可能性が高いです。
また、うんちの状態を確認することで「いつ頃この場所にいたのか」などを判断することができます。
8.ハムスターの活動時間に探す
ハムスターは夜行性なので、昼間に捜索してもハムスターは寝ていることが多いので、見つからない可能性が高いです。
また、ハムスターが寝ていることに気づかず家具を動かしてしまい、事故が起きてしまう可能性も・・・
ハムスターを捜索する時は、「夕方」「夜間」を狙って行いましょう!
ハムスターがよく隠れている場所と捕獲方法
ハムスターを効率よく探すためには、ハムスターが好む場所の傾向を把握する必要があります。
そして、ハムスターが隠れている大体の場所が分かったら「罠」を仕掛けて安全に捕獲しましょう♪
ハムスターが好む場所の傾向
ハムスターが好む場所の特徴は「狭い・暗い・柔らかい・暖かい」場所です。
上記の条件と一致している、以下のような場所を参考に探してみるといいでしょう♪
ハムスターが好む場所
- TVやTV代の隙間
- タンスやベッドの後ろ
- 押し入れやクローゼットの中
- カーテンの裏
- カーテンレールの上
- 冷蔵庫の下や後ろ
- 戸棚の中
- こたつ布団の隙間
- 布団の中
捕獲作戦
「音はするけどハムスターが隠れている場所がわからない」という場合には、以下で紹介する方法を試してみてはいかがでしょうか?
小麦粉作戦🐹
まず、ハムスターが好きなおやつを隠れてそうな場所の付近に置きます。
そして、その周りに小麦粉をまいておくと、ハムスターがおやつを隠れ場に持って帰る足跡が残ります。
その小麦粉の足跡を辿っていくと、ハムスターがいるはずです♪
ハムスターを捕まえる時
ハムスターを見つけたら嬉しくて、すぐに手を伸ばしてしまいそうになります。
しかし、ハムスターは動きが早くすばしっこいので逃げられてしまう可能性があるので、まずは落ち着いて「タオル」を用意しましょう。
そして、そのタオルをハムスターの上にかけて、タオルごと優しく手で包み込んで持ち上げてください。
タオルをかけることで、ハムスターは身動きをとることができないので、安全に捕獲することができます。
注意
25㎝以上の高さから落ちるとハムスターは骨折するので丁寧に扱いましょう
脱走していたハムスターを見つけたら確認すべきこと
脱走していたハムスターを捕獲することができたら、まず体に異常がないか確認しましょう。
万が一、怪我をしていたり体に異常がある場合には、早急に動物病院を受診しましょう!
3つのチェックリスト
- 動きがおかしくないか
- 頬袋が膨らんでいないか
- 脱走中に隠れ家を作っていないか
1.動きがおかしくないか
脱走している時に、高いところから落ちて怪我をしていたり、異物を餌と間違えて飲み込んでしまっている可能性があります。
そのため、出血などがなくても、動きに異変がないか必ずチェックするようにしましょう。
ハムスターは体の不調を隠す動物なので異変を見逃してしまいがちですが「足を引きづっていないか」「目を開けづらそうにしてないか」などを確認してください。
2.頬袋が膨らんでいないか
脱走していたハムスターの頬袋がパンパンに膨らんでいる場合は、危険な物が入っていないか確認する必要があります。
しかし、頬袋に入っている物が尖っていた場合、頬袋内を怪我してしまうので、確認する時には外側から頬袋を触ってはいけません。
確認する時は、ハムスターの首の後ろを掴み口を開けさせて、頬袋内の物を取り出しましょう。
3.脱走中に隠れ家を作っていないか
ハムスターが脱走中に隠れ家を作っていた場合、餌を隠している可能性があります。
その餌を放置しておくと腐敗してくるので、多頭飼いしている場合、他のペットが食べてしまう危険性も考えられます。
また、腐敗した物を放置しておくことは衛生的にもよくなので、隠れ家を作って餌を隠していないかを確認しましょう。
ハムスターが脱走した時は冷静に対処しよう
おさらい
- ハムスターが脱走した時は「狭い・暗い・柔らかい・暖かい場所」を重点的に探す
- ハムスターを探すときは活動が活発になる「夕方・夜間」に探す
- ハムスターを捕獲する時はタオルを準備する
いつもいるはずのハムスターが脱走してしまうと、パニックになってしまいますが、そんな時こそ冷静に対処することが大切です。
ハムスターにとってケージの外は危険でいっぱいなので、怪我をしないうちに安全に確保しましょう。
また、ハムスターが脱走したくなくなるような、生活環境を整えることも重要なポイントです♪
この記事を参考にしながら「予防策」「改善策」を理解し実行しましょう。